「整いました」アルキメデスの大戦 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
整いました
数学に美を感じる人って、整うのが好きなイメージだ。だって、きっちり答えが出たり、割り切れるのが気持ちいいんでしょ? あいまいとか、はっきりしないとかは嫌いなんだろうな。
数学の天才である櫂青年は、計測と計算が大好き。書生をしている家のお嬢様が美しいので、思わず目や鼻の間隔を測ってしまう。美しいとは均整が取れてる、ってことね。さすが浜辺美波、測りたくなるお顔!
戦争をテーマにした映画で、こういう切り口はとても新鮮だった。ただ残念なのは、結局どうがんばっても、戦争を回避できなかったこと。史実がはっきりしているから、それは仕方ないのだけど。でも、事実のすき間に埋め込んだフィクションが、本当に上手かった。あと、日本人の特性も言い当ててるな、と思った。
菅田将暉が数式を板書するシーンは、すごかった。あれは詰まったらやり直しだろうから、緊張するよなー。脇も名優揃いだが、やはり田中泯の存在感はハンパない。丸眼鏡の反射!反則技ですわよ! あの飄々とした雰囲気で、会議の場も掌握し、櫂青年も丸めこみ、美しくも巨大な戦艦を建造させてしまう。恐ろしいおっさんや。
櫂少佐は結局あのまま海軍に居続け、日本の敗戦を迎えたのだろう。彼の戦後はどのようなものだったのか、別の物語として知りたかった。
BS12の放送を録画で視聴。
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