「深海で永久に残り続ける大日本帝国の痕跡」アルキメデスの大戦 Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)
深海で永久に残り続ける大日本帝国の痕跡
大和は世界最大の戦艦であったのに戦果を挙げず、鹿児島県坊岬沖の深海に沈没。いまだに引き上げられません。
大和は、開戦までに大急ぎで完成させたため一部ハリボテだったらしい。また、建造は極秘であった(とは言え、徹底したリサーチをもとに描かれた“こうの史代さん”の原作漫画『この世界の片隅に』でも描写があるように、呉では戦艦大和の存在を知っている者もいた)。
完成後の数か月間、待機という名目で戦艦大和の中は豪華客船のようであり(豪華な食事や高級ホテル並みの寝具)、何故か相撲の訓練ばかりやらされたらしい(戦艦大和の関連本による)。
今作は、戦艦大和の予算に関することが描かれた原作漫画(著者:三田紀房)の実写映画化ということで、大変興味深い内容でした。
アメリカを戦勝国にするためシナリオ通りに開戦したような描写。フィクションということですが、大筋は事実に近いのではないかと思います。
天才数学者に扮する菅田将暉さん、おさげが似合う浜辺美波さん他、俳優さんたちの演技は抜群で、落ち着いたカメラワークで隅から隅まで時代の雰囲気を再現されていて、B級映画どころか完全にA級でした。
アルキメデスが紀元前に生きていたということですが、そもそも紀元前という時代の存在自体が確認のしようがありません。事実ではなく、あくまでも仮説としてなら楽しむことができます。
100年前の大日本帝国海軍のことすら謎だらけなのですから。
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