「武器を持たない男たちの戦い」アルキメデスの大戦 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
武器を持たない男たちの戦い
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漫画としても面白いのだけど、一本の映画としての完成度が驚くほど高く期待せずに見たのにも関わらず感動してしまった。
感動というのは悲しくて泣くことではなく、心が震えたと言う意味だ。
巨大戦艦を廃案にするために見積金額の不正を暴くべく、何の資料もないところからの、あっと驚くような展開、そこにきてのどんでん返しと、巨大戦艦の完成にかける皮肉的な結末。
まさに驚きの連続だった。
主人公の天才っぷりがあまりにも非現実的ではあるのだけど、それがどうにでも良くなるようなラストの展開が素晴らしい。
最後の最後までこの戦艦の名前を出さずに、最後に大和という言葉を持ってくるのは映画のクライマックスとして最高でした。
日本という、負けることを知らない国が負けを認めさせるための依代としての存在。
この戦艦が沈む時、日本は負けを認めざるを得なくなるだろう。
それが大和だ。
完全なフィクションなんだけど、悲劇の運命と重ね合わせると、なんとも言えない気持ちになる。
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