「数学では戦争は止められない⁉️」アルキメデスの大戦 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
数学では戦争は止められない⁉️
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原作は未読ですが、天才数学者を主人公にしながら、戦艦大和に纏わる内容に仕上げているのが、これまでの戦争映画とは違う、新鮮な切り口でした。
時代背景から鑑みると、あれだけ軍部に対して、横柄に楯突く振る舞いは、あり得ないこととは思いますが、地道な数値を積み重ねて、小が大をやり込める展開は、現代の池井戸作品に通じる面白さがありました。
冒頭から、VFXを駆使した戦艦大和の迫力ある撃沈シーンで、観る人の心を、鷲掴みにして、作品の世界観に引き込む、山崎監督の仕掛けはさすがです。
但し、迫力ある映像はそこまで、後は、数学者・櫂直を中心とする人間ドラマが続きます。それでも、作品に入り込めたのは、アカデミー賞俳優に相応しい菅田将暉演じる数学者・櫂直の熱き思いが伝わり、共感できたからかな。
脇を固める俳優陣も、柄本、館、國村、橋爪は、それぞれに菅田を引き立てる名演技でしたが、やはり、田中泯さんの渋さと存在感は、抜きん出ていたと思います。
ただ、小林克也は、ちょっと軽すぎて、役所ではなかったかな…。
もし、戦艦大和の誕生が、本作のように、日本が突き進んできた、軍国主義から目覚めさせる為であったのなら、尊い3000人の犠牲の上に、今の日本の繁栄があるのでしょう。
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