「☆☆☆★★★ お祈りをすると姿を現していた神様。 友達のお見舞いに...」僕はイエス様が嫌い 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★★ お祈りをすると姿を現していた神様。 友達のお見舞いに...
☆☆☆★★★
お祈りをすると姿を現していた神様。
友達のお見舞いに行った時にその神様は消える。
欲しかった友達。それだけに何故こんな事にの思い。
帰り道、一目散に走り出したその刹那! カメラも男の子と並走して走り出す。
それまでが徹底的な固定撮影だっただけに、この場面は衝撃的だった。
この気持はどこから生まれて来るものなのか?
一体どうすればいいのかが分からない。それだけに怒りしか湧いて来ない。
この時に被さるピアノの旋律も併せ、観ていて思わず感情移入してしまう凄い場面でした。
その後。献花の意味を知った男の子は、お祖父さんのヘソクリの千円札でお花を買う。
すると今度は、パイプオルガンが高らかに鳴り響く。
次のカットは、画面が斜めになり。教室の壁に掛かっている縄跳びが映る。
強く印象に残るカットだったのですが。そのカットに於ける、はっきりとした意味は今ひとつ分かりかねるモノでした。でもおそらくこのカットには、監督自らの何らかの意図したモノが組み込まれていたのでしょう。
デヴィド・リーンの『逢びき』や。キャロル・リードの『落ちた偶像』等の名作で、ここぞ!の場面で使われた。観客を不安感へと引きずり込む演出をつい思い出した。
ファーストシーンのお祖父さんと、ラストシーンでの男の子の行動の対象性。
車の車内から曇ったガラスを拭くと雪の光景。
思わず感じる、新しい土地に自分は馴染めるだろうか?…との不安感を。映画の後半で、「この先どうなって行くのだろう?」…と、考え込んでしまったのか?教室のガラス窓に息を吹きかけ、曇らせる男の子の姿を見つめる静謐な演出には、思わず見入ってしまう演出でした。
時折、「何だろう?」…と考え込んでしまうところもあり。どうやら、「分かる人にだけ分かれば良い」(此方の勝手な思い込み)と思われる演出もあるにはありましたが。それより何より、「今後が楽しみな監督さんが出て来たなあ〜」とゆう、嬉しさが強い作品でした。
2019年6月25日 TOHOシネマズ/シャンテシネ3