凪待ちのレビュー・感想・評価
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人間臭さを観ている
白石監督はこういう底辺の人間群像劇が好きなんだろうな。
「彼女がその名を知らない鳥たち」を鑑賞した時の様な感覚に似ていた。(彼女が〜の方が出来は格段に上)
じっくりと進むストーリーを焦らず観ていく楽しみ方が出来るかどうか。
それが出来ないと辛いかもね。
ところどころ、そんなアホな〜とチープな演出が見受けられるところが減点対象。
正直、私はこんな生き方をしていないので、こういう生き方しか出来ない人もたくさんいるんだろうと考えながら観ているとなんとも切ない。
自分は生きる気力を持てるだろうかと考えてしまう。
でも考えるだけ無駄なのかもと思うところもあり複雑だ。
具体的な感想を書こうと思ったが、ほぼネタバレ状態になるので今回は控える。
エンディング映像には言葉が出なかった。
これは胸に迫りすぎる😭
果たされなかった未来と静止した現在が、遂に交錯する。
これまで実際の競輪を見たことも車券を買ったこともない観客による感想です。
冒頭、くたびれた服とぼさぼさの髪で自転車を漕ぐ男性。香取慎吾さんの見事な役作りは、このずんぐりした背中だけで十二分に伝わってきます。終始気だるそうにしていて、家族や観客を苛立たせる演技も見事。ただ時々、妙に張りのある美声を出してしまうところに、香取さんの隠しきれない地金がのぞきます。
ギャンブル依存症気味な香取さん(が演じる男性)が婚約者と人生をやり直そうとするところから物語は始まりますが、そんな簡単に長年染みついた習慣が改まるはずはなく、様々な困難が彼と彼の親しい人に降りかかることになります。そして物語中盤、決定的な事件が。
「過ちを抱えたまま生きていく」という主題は、近年多くの作品で見られますが、本作で主人公が乗り越えるべき壁は相当に残酷で、ケイシー・アフレック主演の某作品に匹敵する険しさです(あえて作品名は秘匿)。また自滅的な選択と抗いがたい運命に押し流される…、という主題から鑑賞中度々伊集院静著『でく』(1996)を想起しました。両作ともギャンブル依存症という点でも共通しており、何か影響があったのかも。
面白かったのは劇中音楽で、時々妙にコミカルだったり、場面と全く噛み合っていなかったりします。これは恐らく意図的な演出なんでしょうが、それで「笑いたいけど笑っちゃいけないような気がする」という微妙な気持ちを味わえます。
物語の背景の一つだった東日本大震災が突如前景となるエンドクレジットは非常に素晴らしく、これを見ずして席を立つのは非常に惜しいです。一番最初に映し出されるあるものに、個人的には非常に衝撃的かつ意表を突かれて、思わず座席から身を乗り出しました。
震災後、東日本に生きる人々の姿を、白石監督と、香取さんを始めとした俳優陣、スタッフは物語の中に織り込んでいく、という形で見事に描写しました。特に人々が様々な職種で「働く」姿を丁寧に捉えてた映像に心打たれました。
今世紀の日本映画を代表する名作では……。
ギャンブル中毒で、世間的にはどうしようもない男だけど、おそらくは生まれて初めて掴んだ「人を愛する気持ちと責任」とを大切に抱えている男・郁男を、香取慎吾が演じており、これが鳥肌が立つほどの名演技でした。
次々と耐えがたい不幸や不運が主人公に降りかかるけれど(そしていくつかは自業自得としか言いようのない不運ではあるのだけど)、大津波で人々が理不尽すぎる傷を負ったまま生きている被災地が舞台であるからこそ、主人公の不幸すら、相対化されて吸収されて行くのです。
弱い部分を山ほど持っているのが人間。
否定するわけでもなく肯定するわけでもなく、等身大で正面から描くお話で、まったく予想もつかない展開が広がるシナリオの素晴しさ老練さにも舌を巻くばかりでした。
エンディング近く、死んでしまった人との気持ちが時間を超えてつながって行くシーン。
そう来たか……と、思わず うならされます。
白石監督作品としては暴力シーンは控えめなので、そういうシーンが苦手な人でも許容範囲だと思いますし、確実に海外の有名映画賞を総なめにするであろう映画ですから、ぜひとも観ておくことをお勧めしたいと思います。
_φ(・_・ヤクザまで良い奴
ギャンブル狂いのどうしようもない奴にここまで人は優しくなれるのか?
東北の風土と合間ってとても心地よく響く映画。
香取慎吾いい味出してました。〝人類資金〟で大根役者っぷりに幻滅してもう絶対見ないと思っていましたが、好演です。よかった。
おっはーとは言いません
とうとう東京都内のパチンコ屋も全店休業になりました。最近は週に一回くらいしか行きません。でも一時期は月に30回は通っていました。
ほぼ毎日だよ!依存症か!
はい。そうなんです。ごめんなさい。大阪まで行っちゃいました。てへぺろ。嘘です。今は行きません。
ちゃんとおうちにいましょう。
パチンコは換金出来ます。少し説明しますと三店方式と言って、まずパチンコ屋で玉を特殊景品に交換します。その後離れた場所でそれをお金に交換です。面倒くさいでしょ?そうなんです。現在はお金と替える場所はTCUショップと言ってガラス越しでお互いの顔が見えます。
さて昔の話です。換金場所は大抵近くの小屋です。そこには縦約20cm横約50cmの穴が空いています。この穴を通して特殊景品とお金のやり取りをするわけです。
あるパチンコ屋で特殊景品(ライター石が多かったです。現在は金です)を換金していた時の事です。どうも、いつも微妙に少ないのです。両替する場所は顔が見えません。手がシワシワなんでおばあちゃんでしょう。
皆さん、考えて下さい。お皿に例えば一万五百円を置く時どうしますか?まずお札を置いてその上に必ず硬貨を置きますよね。そのおばあちゃんは必ずお札の下に硬貨を置くのです。普通はそんな事は有りません。かなり高い割合で500円はお皿に残りおばあちゃんの懐に入ります。昔こんな貯金箱がありました。あれ何が面白かったのでしょうか。
閑話休題、おばあちゃんは少額でも必ずその技を繰り出すので結構な収入になります。
しかし客もそこまで馬鹿では有りません。お札の下に硬貨がある。私も含めて客は学習しました。しかしおばあちゃんは新技を編み出しました。
まずお皿の端の曲面の部分に硬貨を置きます。そしてその部分を客側に向けます。客からは死角になるように計算しているのです。凄いです。小金稼ぎの執念が。おばあちゃんの言い分はこうです。想像ですが。
「あんたらはなあ、遊んでお金儲けして、いい気なもんや〜こっちはなあ〜 一日中ごっつう狭い所で、人の金勘定やで!だからなー小金を貰ってもバチ当たらんやろ?あほんだら」
いや違う。その三万円を得る為に使った金を考えた事があるか?三万二千円だよ!マイナスなんだよ。遊んだのは認める。でも費やした時間は5時間だ。失った物も多い。
あなたとの闘いの日々。我が青春の日々。全てが懐かしい。
いや単なる犯罪じゃねえか❗️かっこよく言うんじゃねえ❗️
はい。両替所との攻防は沢山ありすぎて、きりがありません。ここから映画の話しに致します。もう読まないでも良いです。
競輪依存症の木野本郁男(香取慎吾)は内縁関係の昆野真弓(西田尚美)と一緒に宮城県の石巻に移住します。真弓には連れ子の美波(恒松祐里)がいます。
石巻には競輪場が有りません。ところがなんと
ノミ屋があったのです。郁男は再度通い始めます。依存症だね。何回も思った。そのお金は使っちゃだめだ!
まあ依存症なんで仕方ないんです。貴闘力も言ってましたが、こういう人間は勝った時の記憶しか残らない。負けた記憶は消去。そんなもんだ。
そして衝撃の出来事が起こります・・・
郁男の人間性には、びた一文共感出来ません。しかしギャンブラーとしてはわかります。例えば五万円持っていて四万円負けたとします。しかし最後の一万円が六万円になるかもしれない。本当に馬鹿です。
そんなクズ人間を香取慎吾は上手に表現していました。おっはーとかニンニンとか言っていた人とは思えません。
内縁の妻、真弓役の西田尚美ですが、この人日本人で見たことがない人って居るんですか?いっつもいるよ!テレビだとNHKからテレ東まで、映画だと東宝から東映まで。いっつもいる❗️
そして誰もいなくなった、でも尚美はいる。いっつもいる!もう見飽きた。いやごめんなさい🙏尚美!好き!
そういう事で終わります。慎吾ちゃんのダークサイドを堪能しました。こんな長文を読んで頂けただけで恐縮至極でございます。ありがとうございました。
ガテン系の慎吾ちゃんはイマイチ
新境地として絶賛しているレビュアーも多いですが、個人的には香取慎吾だからリアリティがなさすぎる、おそらくギャンブルなんかしたことない人間だと想像もつく。ドラマ向きなのかな?
白石監督にしては設定も温いかな...。もっと香取慎吾をSMAPじゃないんだから強烈なクズとして描いてもよかった。
香取慎吾
ここまで香取君に感情移入させられるとは思わなかった。
個人的には白石監督は邦画では1番揺さぶられる作品を撮ってると思う。
邦画アレルギーぎみでも面白いなーと思う
今作も邦画にありがちなセリフで説明シーンがあまりないのは◎
登場人物の行動原理が理にかなってるので説得力がある
頑固な亜弓の父が世話を焼いたり本当にいい人で、なのに裏切ってしまう心情もなんとなく気持ちが理解できる。
犯人の動機がいまいちわからないが、何気ないセリフや、ラストのセリフと表情がとても不気味でなんとなく好意があったのかな?とか。
ほかにも、終盤のかつての同僚がテレビにでてあとの香取君の行動、行き場のない怒り。
しかし香取君のだめ人間っぷりがなかなかすごかった、こんな演技のできる俳優だったのかと、こち亀とか、ハットリ君とかのイメージが強すぎるのでこの凪待ちも映画館でみようとは思わなかったんだけど見ないともったいない作品だったね
ちょっと残念なのは犯人探しがテーマではなかったのでリリーフランキーの持ち味があまり活かされてないような感じと、ヤクザ関連でのご都合主義なところかな?
でも、希望のある終わり方でよかった。
白石さんはすごいなー
控えめな演出やBGMがダウナーな物語にマッチしてました。良質なヒューマンドラマだと思いました。
香取慎吾の顔の疲れが素晴らしく、体もでかいしほどほどにだらしなく、ダメなやつを体現してる感じが良かったです。
犯人の正体はちょっと納得できませんでした。
が、それはどうでもいいですかね。
意外に良かった
香取慎吾の芝居に関してはあまり評価していなかったが、有りなんだな、と思った。これも吾郎ちゃんの半世界同様、SMAPの時だったらやれてない役。新しい扉が開けてすごくいいと思う。
失格、ということにはなりません。のアナウンスはうけた。そんなん実際言うかよ笑っていう。
この人たちに真の凪が訪れることを切に願う。
憂鬱な気持ち→晴れるかな
ギャンブルをやる人の気持ちは全く分からない、というと清廉な人間みたいですが、本当はちょっと違う。わかりたくない、というのがしっくり来ます。なぜなら、自分はだらしなくて、自制できないタイプなので、もしギャンブルを楽しいと思ってしまったら、ずるずるとハマって抜け出せないと思うから。だから宝くじも買いません。(買ったことはある)
ギャンブルに限らず、依存症は病気、だから仕方がない、というのも、そうなんでしょうが、最初に手を出すのは自分なのだ、という事を忘れてはいけません。
本作で香取慎吾さんが演じているのは、もう最低の男。印刷工としてのスキルがあるのに、それを自分で台無しにする。観ていてどんどん辛くなりました。
香取さんは本来のキラキラオーラを完全に消し去って、クズだけど放っておけないダメ男、になり切ってました。古くはドラマ「未成年」で、もう存在感を発揮していましたし、「合言葉は勇気」の真っすぐな青年や「新選組!」「西遊記」、「家族のカタチ」の父親と確執のある男も良かった。映画も多数出演し、俳優としても器用なだけでなく、実力がある方だと思います。
星野源さんの「うちで踊ろう」のイメージで書いたイラスト、とても素敵です。慎吾ちゃんらしいキラキラ感。CDを作るならこのイラストを使って欲しいなあ。
ろくでなし
いろんな意味で作りがデカい香取慎吾が社会の枠からはみだす。吉澤健爺、ノミ屋寺十吾、ゲロ黒田大輔、金髪佐久本宝、リストラされる宮崎吐夢と脇が多彩で見どころは多い。
いくら演者が頑張っても、ギャンブル依存、アル中、キレると暴力に走る主人公、幾度と手が差し伸べられても落ちていく話は同情の余地なく、これを赦す周囲にも寄り添えぬ所。あの突っ張りは失格にすべき。報われてはならぬ。依存症は病気であって、心の弱さや環境に結びつけすぎるのもどうかと思う。
香取慎吾、頑張ったネ
香取慎吾がちょっと太ってだらしない感じが、役にすごく合っていた。これでもかというぐらい更生しない主人公を見るのが辛くも感じたが、そのぎりぎり感がギャンブル依存症の重さを伝えたのかな。半世界のゴローちゃんもよかったし、新境地で頑張ってるネ。十分役者で、食っていけるのではないか。映画はとても良かったけど、見逃したのか、犯人のリリーフランキーの動機が分からない、誰か、教えて下さい。
人生の荒波を2時間の映画内で観せたいのは分かるが、、、
娘付きの恋人・亜弓と石巻に移り住む事になった郁男の破滅と再生の物語。
開始30分までは少し古臭い邦画って感じで期待は薄でした。
しかし、一つのある事件から真面には観れる様に。
周りの不条理、決めつけ。運までも主人公に味方しないとは。
大袈裟さは映画とすれば一歩許す脚本部分であるのだが、(再生含め)やり過ぎはリアリティーが薄くなる。
ここが私のこの映画の高評価にしない部分。
また人生の荒波を面白く観せたいのが分かるが、一部演出に?と疑問も。
以下個人的疑問部分でありシラけた。
・全て自分のせいと悲観していたのに、郁男が個人の真実を話すと急に自分を行いを忘れて郁夫に当る三波。
・情ある人から金を借りて全て借金清算後、余った金で借りた金まで競輪「一点勝負」にて取り戻そうとする郁夫。普通はやらないな。。。
・競輪審議結果「失格(一瞬じらす)・・・とはなりません。」そんな口調で結果通りの着順でした(結果覆しません。)とアナウンスするかね?(これが1番シラけた。)
ダメ人間を見せようと頑張り過ぎたかな。
家族じゃないのに家族ぐるみの様な周りのサポートも表に光り損。
最後の反省ヤクザも要らんし。(金返すな)
残念。
白石監督らしい演出
ある意味これがジャニーズの呪縛から離れて、自分の足で歩き出した一歩目なのかもしれない。
そんなことを思いながら鑑賞しました。
元々、影のある訳あり男は香取君の得意な役柄だと思うけれど、
昨今の演者に多いジェームズ・ディーンタイプ(内向的演技)とは一線を記して、
自分がどう観られるかというテーマに於いて、
キャラクターが観客にどう映るかに重視している香取君は、
やっぱり才能豊かな役者さんになったなあと感心しました。
ただ、声がね。
クズにしては明るく高すぎるのよ…w
そして脇を固める演者さんたちも、
ああ、白石監督らしい演出だなあと。
元々、白石和彌監督はとってもバランスの良い映像を作り上げる人だと思ってて、
この絵にこのキャスティングと、いろいろ拡げていたんでしょうね。
白石作品が安定して見えるのは、 それだと私は思ってて、
かつ、観客の目線を特に気にしている人にも思っていましたので、
今回も、安定の白石作品でした。
これから、名前のない地図に、たくさんの名前が増えていくにつれ、
手放したものの大きさを痛感するのでしょうが、 どうか負けずに歩んでいってほしいと思っています。
名画座二本立てで鑑賞
郁男、なんて駄目な人なの!
どうしたら良いのかって観点から見てた。
小野寺の献身さに、ここまで心を尽くして向き合わないと、相手に響かないのか...と思った。そう思わせる二人の演技は、やはり凄い。
香取慎吾は体が良いし、労働でバリバリ稼げそうなのに...と思わせるところも、この役にぴったり。
日本映画屈指のゲロシーン
「いいエロシーンといいゲロシーンがある映画はいい映画」という持論があるんだけど、黒田大輔が大量に吐きながら謝るシーンは日本映画屈指のゲロシーンなのでは!最高すぎてこっちまで吐きそうになった。香取慎吾にもあそこまで吐いてほしかったなあ。
香取慎吾は身体がでかくて、何考えてるか分からず急に暴力を振るう役がよく似合ってた。でくのぼう感というか。「愛しのアイリーン」の安田顕と似たキャラ設定だけど、でかいから暴力がよく映える。
映画のテーマ自体には正直最後までそれほど興味を持てなかったけど、黒田大輔、リリーフランキー、宮崎吐夢、音尾琢真とか、小劇場とかサブカル界隈出身の役者たちの演技合戦としては見ごたえ充分。「怒り」で素晴らしかった佐久本宝君が出てたのも嬉しかった。
白石監督の映画だけあって、深みがあって、色濃くて最高です。 破滅的...
白石監督の映画だけあって、深みがあって、色濃くて最高です。
破滅的な生き方をする主人公に絡み合う人間模様が、沁みます。
各々の心の中を読みながら鑑賞すると、とても面白い映画だと思います。
満足度は高いです。
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