劇場公開日 2019年6月28日

「監督と脚本の力」凪待ち hy@sさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5監督と脚本の力

2020年10月22日
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香取慎吾の演技が素晴らしいという意見が多数見受けられるが、我慢ならず投稿してみる。

こんな物は演技の内に入らない。
監督と脚本の力、素晴らしい脇役達の力で辛うじて成り立っているに過ぎない。

ギャンブルの麻薬的な誘惑に常に負ける男なのは分かる。
彼はとことんまでクズで良いのだ。カメラが平行感覚を失いグラーッと回るのも高いレートのギャンブルにハマった経験がある者ならばピンと来るリアルな演出だ。

しかし親切に助けられた時に本当に反省して心を入れ替えるという本気さが描かれていない。
クズ共は毎回本気で改心しているのだ、だが次の瞬間にいとも簡単に誘惑に負けるのだ。
このポイントが描かれていないからメリハリが出ずに、観る人には主人公がただ単に不機嫌そうで心の動きに乏しいクズに映る。

これは香取慎吾に演技力が足りな過ぎるから、その重要な演出を監督は諦めたんだと思う。
常にブスーッとヌボーッとして目つきだけ悪くしていれば脇を固める演者が回してくれますから!とでも言われているかのようだ。

同じ役を永瀬正敏あたりで脳内再生するのは容易い。
何らかの柵で香取慎吾を使わざるをえなかった監督を気の毒に思う。

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hy@s