「陽のオーラを封印し、自堕落な中年男を演じる香取慎吾の時折見せる狂気を滲ませた眼差しに瞠目する」凪待ち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
陽のオーラを封印し、自堕落な中年男を演じる香取慎吾の時折見せる狂気を滲ませた眼差しに瞠目する
香取慎吾のスーパーアイドルとして発揮してきた陽性が白石監督の作風に合うのか、懸念していた。
過去の、白石監督作品の魅力は「凶悪」の先生や「日本一悪い奴ら」のシャブ中になっていく刑事など特異なキャラクターに依るところが大きいと思っていたからである。が、物語が始まってそんな思いは吹き飛んだ。
<白石監督作品の常連、リリー・フランキー、音尾琢磨の熟達した演技の安定感。吉澤健演じる東北の老いた漁師の気骨や心に沁みいるセリフ。あこぎな暴力団組員の行為など、人の妬み、嫉み、醜さ、愚かさ、狡さそして優しさを描かせたら現在の邦画界で白石監督に比肩するのは誰なのだろうと思った作品でもある>
「凪待ち」 センスある良いタイトルである。
忘れ難い邦画がまた一つ誕生した事を素直に喜びたい。
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グレシャムの法則さんのコメント
2020年4月27日
『凶悪』でコメントいただき、改めて確認しました。
これも白石監督だったのですね。
『凶悪』という前提無しでも、監督の凄さ、とか言って偉そうにレビューしてました(恥ずかしい😓)。
やはり、この監督ただ者では全くない、ということが私の中でもよく分かりました。ありがとうございました。