劇場公開日 2019年6月28日

「破壊と再生」凪待ち まんまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0破壊と再生

2019年6月22日
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鑑賞方法:映画館

先行上映会で観ました。

被災地石巻の破壊と再生を背景に、主人公郁男の破壊と再生を描く映画。
震災からの復興が着実に進んでいる一方でどこかではまだまだな部分があるように、郁男の再生は遅々として進まない。むしろより壊れていき、観ている者をイライラさせる。
そんな郁男を、明るく元気なイメージの強かった香取慎吾さんが演じている。きっと、これほど壊れてはいないとしても、暗いダメな面も、彼は元々持ち合わせているのだろうと思う。

私が一番印象的だったのは、船の上で亜弓の父親が郁男に言った、津波に関する言葉。
そしてそれがエンディングの映像に重なって、胸にズシンと来る。
確かに、たくさんのものが壊れ、失われた。でも新しいものがもたらされもした。
被災地も人間も、それぞれ速度は違いこそすれ、確実に進化していくのだと信じさせてくれる映画でした。

まんまる