「最悪の幕切れ」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン みにさんの映画レビュー(感想・評価)
最悪の幕切れ
TV版を観て面白かったので観に行きました。
京アニのとても美麗な作画が印象的で、ストーリーも雑ではあるが途中までは泣きどころもあって、良いかなとは思ったのですが、やはり終盤がナンセンスだと感じました。
◆個人的に良くないと感じた部分
◯少佐が生きていた
元々TV版でも死体は出てこなかったと言っていた為に生きている可能性はあるかなとは思っていましたが、実際やられるとガッカリきました。
まあ生きてたのは可能性も残ってたので、ガッカリきたもののまだ理解はできるんですが、生きてたことに気づいた理由があまりに偶然過ぎるのは良くない。
誰かが書いた文字なんて覚えてるでしょうか?覚えていたとしてその文字を少佐だと思えるのでしょうか?しかも偶然にも手に取った手紙が少佐の書いた物だっただなんてあり得るんでしょうか?
それにどうやって生きていたのかも謎ときました。
正直ご都合主義が過ぎます。
◯少佐とくっついてほしくなかった
まず、ヴァイオレットが少佐を好きな理由が、他に居なかったからという、言わば雛鳥と親の関係の様に見える。
それが悪いとは言わないが、どうしても一途であるというよりも、ヴァイオレットの経験不足故の愛に見えてしまうので、ヴァイオレットが成長する過程で他の愛を学んで欲しいと思っていた。
途中で少佐の兄といい感じになるのかなと思ってちょっと期待したのだが、結局ならなかったのも個人的には好きじゃなかった。
◯そもそも、人殺しの癖に幸せになるのが気に入らない。
ただ戦争のせいでやりたくもないのにやってしまったという訳ではなく、ただ感情が無かったから、または少佐に必要としてもらいたかったから、後悔を感じずに人を殺していたというのが同情に値しない。
後に感情を取り戻したために後悔することになるのだが、その後悔から幸せになるのを辞めようと戒めて欲しかった。
◯少年との泣きパートは要るのか?
個人的にうるっときたのは確かなのだが、正直物語においてそこまで重要なシーンだったかと言われると微妙な気がする。
少年との約束を守れなかったシーンがあるのだが、そこで大事な約束よりも、男を取ってしまったことを悔やんで成長していけば意味があるのかなと思うのだが、全くそれを感じなかった。
◯挿入歌で笑ってしまう
TV版のED曲が途中で流れるのだが、茅原実里氏の歌い方にクセがありすぎて、良い場面なのに笑ってしまう。
正直共感できない方もいるとは思いますが、個人的にはこのように感じ、評価が高く期待した分ガッカリきました。
仰る通り。
アニメ本編は、キリングマシーンだったヴァイオレットが成長していく話で、既にこの映画の段階では自我も持っているし、少佐とは雛と親鳥ではなく人間として対等になってる筈なんですよね。
この映画は時間経過でのお互いの立場の繊細な変化を埋めていく作業を1時間じっくりやれば完璧な完結編になった筈なんです。
1秒たりともそれをせずにひたすらヴァイオレットには会わず、最後だけ無理矢理くっついてしまったので、はっきり言ってどれだけ綺麗な映像見せられても逆にちゃんちゃら可笑しかったですね。
見せたい映像があれば映画は成功すると言いますし、レビューの点数見るとそうなのかもとか思いますが、まあそれで騙される奴は人の話を良く聞いたほうがいいと思いますね。