「とてもよかったです!だけど…」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン ウルトラ天丼パラダイスさんの映画レビュー(感想・評価)
とてもよかったです!だけど…
劇場版、良かったです!
私が感じたのは「生きているうちに愛する人に伝えたいことを伝えよう」的なコンセプトが多分あって、それがラスト30分くらいに凝縮されており、とてもいいなあ〜と思いました。
ラストシーンで、ヴァイオレットがギルベルトに何か言葉をかけようとするが、あまりにも感極まってしまい、なにも言えない…というシーンも、コンセプトの対比になっていてめちゃくちゃいいです。「そこは言わなくちゃダメだよ!!!!」と思いつつも「たしかに何年かぶりの、しかも死んでいると思っていた人との再会だからこうなるよね…!」という納得感もあります。
ただ、アニメ版→外伝→特別編→劇場版を3日間で一気に観た私が気になったのは、私的にアニメ版のテーマだと思っていたところが、劇場版では打って変わって別のテーマになってしまった感覚があり、キャラクター達の感情の変化に一貫性のなさを少し感じました。
アニメ版では、ギルベルトがインテンスの戦いでヴァイオレットにかけた言葉「君は自由に生きるんだ、愛しているよ」という言葉を受け止めて、ドールの仕事を通して様々な人と出会いながら、彼女なりの人生を歩み出し、やがてギルベルトの死の悲しみから決別していく。それで、ヴァイオレットはもう「ギルベルトなしじゃ生きていけない」という、悪く言えば呪縛のようなものから解き放たれる。そこで「ああ、よかったなあ、彼女は強く生きていけるなあ」と最後に思ったのが、個人的なアニメ版の感想でした。
しかし、劇場版を観てみれば、ヴァイオレットはまだ少佐にとてつもなく未練があり、しかも少佐が生きているではないか!それで出会ってハッピーエンド?うーん、それって、ヴァイオレットはまだ、ギルベルト少佐なしじゃ生きていけない感じになっていないか?結果的に、ギルベルトの願いは叶っていないのではないのか?というところが、少々違和感を感じました。
まあ、彼女なりに成長して、ギルベルトにはもう依存していないけど、「それでもあなたと一緒にいたいのです」ということなのかも知れません!
そういう解釈なら、めちゃくちゃ感動できますね、ヴァイオレットが幸せになってくれてとても良かったなあって思えます。
アニメ→外伝→劇場版と、とても感動できる時間を与えてくれてありがとうございました、京都アニメーションさまに感謝します。