「長文の感想もろもろ」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン うまさんの映画レビュー(感想・評価)
長文の感想もろもろ
テレビシリーズ、外伝視聴した者です。
シリーズ全体を通してもそうですが、この最終章も素敵でした。
個人的にヴァイオレットの心の成長を見守るように見ていたので、一人の女性として立派になったところが見れただけで満足していました😅
それでもギルベルトがヴァイオレットからの手紙を受け取って、追いかけるシーンは視聴者として嬉しかったです。中々、言葉が出ない2人にもどかしさを感じながらも、言葉にすることが容易に出来ないことを物語っていて、涙を零しながら近づく流れが印象的でした。
終始一貫して、繊細で統一された作画、色彩豊かで緻密なアニメーションでした。京アニさんの技術力、表現力が物語にマッチしていたのが、見てよかった点の1つです。
1番涙したシーンは、男の子が電話で友人に「ごめんね」と「ありがとう」を素直に伝えるところです。病に伏せながら、弱々しくも力を振り絞って言う場面、見ていて苦しくも大事な言葉だと教えてもらったような気分でした。
ギルベルトとヴァイオレットの関係についててすが、戦時中の関係の延長線だと、共依存(言葉が悪いですが)が愛だって作品になってしまいそうで、個人的にそれを避けてくれたのは、安心しました。
ヴァイオレットの成長を知らず生存をやっと知ったギルベルトが、訪ねてきたヴァイオレットに「帰ってくれ」と告げたのは、酷ではあるけれど、〝戦争の道具とその使用者のような、都合のいい関係なんてて嫌だ〟と言ってるように思えました。
その上でヴァイオレットが思いを手紙にこめ、別れを告げずに島を出るところで、またひとつヴァイオレットの成長が見れた気がしました。…辛かったですが😅
お兄さんの大佐と社長の2人の存在が大きかったです。弟の背中を押すような大佐の言葉、社長の「ばかやろう」、良かったです。
長々と書きましたが、「不変」で「普遍」の愛というテーマに沿った、良作でした。
京アニさんにあえて言葉を届けるとしたら、「頑張れ」よりも、「ありがとう」と「忘れません」を伝えたいです。想像以上の努力と、血と汗を流しながら、産み出された作品から、もう十分頑張っていることが伝わってきました。
現代はスマホ、SNSと、形が進化していますが、手紙と代筆がもつ温かさを思い出させてくれました。
また、いつの日か見れたらと思います。
では、この辺で。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。