ボーダーライン ソルジャーズ・デイのレビュー・感想・評価
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前作超えのウエスタン・カルテル版
エミリー・ブラントのエリートFBI捜査官が国境地帯で展開する麻薬戦争の真っ直中に投げ込まれ、彼女の目を通して地獄絵を描いた前作から、待望の続編はベニチオ・デル・トロの暗殺者、アレハンドロに主眼が移ったことで、父親の執念のドラマへと完全にシフト。カルテルに妻子を殺されたアレハンドロが、任務遂行の過程で道中を共にすることになる敵方の娘に、とても微妙な愛憎相半ばする感情を抱き始める件は、渋いし切ないし、それ故に殺伐感が半端ない。そんな男の激しく揺れ動く内面を、ほぼ無表情で演じきるデル・トロは、オスカー受賞作「トラフィック」に匹敵する出来映えだ。観ようによってはウエスタン・カルテル版ともとれる本作は、数少ない前作超えの続編として記憶されるべきだと思う。
このイタリアからやってきた奇才は想像以上のバケモノだ。
ヴィルヌーヴ不在の続編など牙を失った猛獣に等しい、などと大口を叩いていた自分を呪いたくなるくらい、この続編には心臓を勢い良くズバンと射抜かれた。ぐうの音も出ないほど完敗である。今となってはエミリー・ブラントを出さなかった理由も痛いほど理解できる。彼女は自ら物語を切り開くヒロインだったわけではなく、むしろ観客目線で暗黒世界に足を踏み入れるカナリアだった。そんな彼女も現場を去り、そして我々は遂に誰の目も介することなく、あのヤバすぎる男たちのヒリヒリするほどの本性を直接的に目撃することに。ヴィルヌーヴからバトンを受け取ったステファノ・ソッリマ監督は、前作ほどの研ぎ澄まされた鋭さはないにしろ、猛獣が檻から放たれたような激しさと、心の痛みや悲しみを剥き出しにする演出が秀逸。それから本作はとにかくデル・トロとあの少女が魅せる。全くなんという骨太な展開なんだろう。おかげで今から最終章が楽しみでならない。
やっぱ(微妙なキャラ変更あっても)この二人はただものじゃない
『ボーダーライン』の続編。もちろんベニチオ・デル・トロ様とジョシュ・ブローリン様が主役を張る。脚本担当の方も同じということで、アメリカ合衆国とメキシコの麻薬(不法移民)カルテルの闘いというバックグラウンドも同じ。いやでも期待値が上がるよね。
ヒロインはエミリー・プラントに代わって、イザベラ・モナーが麻薬王の娘役で登場。このイザベルとアレハンドロとの関係性が、本作の注目点。微妙にアレハンドロのキャラが変わったと思った人は多かっただろうね。何しろ前作じゃあ、一家皆〇しのアレハンドロだからね。前作のエミリー・プラント(この人、クワイエットプレイスの奥さんだよね)に対してのときとスタンスが真逆のような印象。どうした!アレハンドロはあったね。
問題解決のためには手段を選ばない。FBIの女性捜査官の信じるお嬢様な正義なんてまったく関係ない男たち。それこそがアレハンドロとマットだったもんね。物語は始まってまもなく、爆弾テロリストに助けてと懇願する母親と小さな女の子を情け容赦なく吹っ飛ばすからね。まあ、この段階では路線変わらずなんだろうと思ったけど…
ただ、アレハンドロとマットの言葉少なげで無表情でいながら何とも言えない表情での演技は、目が離せないというか、いまこの人は何を考えているんだろうと想像力を膨らませてしまうという独特の楽しみ方を本作も提供してくれたよね。にしてもマット役のジョシュ・ブローリンと言えばサノスの人的な意見は、ちょっと納得がいかないかも。顔に石膏みたいなの塗られていて、らしくない演技だったよね!
そうそう、もう一人の重要な子供、ミゲルの件なんだけど、私の解釈は、ミゲルはアレハンドロを殺すつもりはなかった。そういう撃ち方をしたし、アレハンドロもそれはわかっていたという説なんだけど、そんなわけないかあ。一丁前に悪くなっていたけど、弟子入りするとかの展開?それじゃあ、アレハンドロの迷走確定になる、ないかあ。
で、続編はあるのかな?
初見時は「やっぱ1stのほうがよかった」と感じていたが、見直してみ...
デルトロいいね
もう一回続編が来てほしい
前作のケイト目線は必須だった。
2023 64本目
過去鑑賞
ある意味…ボーダーライン。水ください!
恐ろしいボーダーライン
続編にしては面白いけど、現実味が損なわれた感じが残念。
脚本がヘタ。退屈すぎる
視点は変わるも世界観は変わらず、静かな緊迫感は必見。
前作に続き国境という境界線に、密入国とマフィアという社会問題、圧倒的な暴力。前作に比べるとアレハンドロの動機が薄かった気もするが、マットを含めた心境の変化などの見せ場もあり、綺麗にまとまっている印象。
銃を構える相手の指先一つに、命が委ねられている緊張の見せ方がとにかく秀逸。脅し、威嚇、制圧。銃社会ではない日本では想像も出来ない程の恐怖。
ベニチオ・デル・トロが淡々と冷静に、ジョシュ・ブローリンを筆頭にしたむさ苦しい男達が熱く、恐怖と共に棲んでいる世界観が恐ろしくも心地良いのが不思議。
その中で紅一点、華を添えたイザベル役のイザベラ・モナー。"マフィアの娘"から、誘拐されての"人質"という役を見事に演じきり、死という恐怖を突きつけられた表情が素晴らしかった。
前作の音楽担当ヨハン・ヨハンソンに代わり、本作はヒドゥル・グドナドッティル。濁点が多くて勝手にゴツイおじさんをイメージしていたら、とても上品なべっぴんさん。前作に負けず劣らずの素晴らしい音楽。作品の雰囲気は決して損なわず、寧ろ不安を煽る場面での曲は鳥肌モノ。
自身お初かと思いきや名作【メッセージ】にも参加、【ジョーカー】ではアカデミー作曲賞受賞と驚きの経歴。。。勉強不足すみませんでした。
原題が『Sicario』という事をすっかり忘れていたが、最後の最後にきっちりと思い出させて貰った。途中ミゲルがどの様にアレハンドロに絡んでいくのかと思ったら、さすがの脚本テイラー・シェリダン。ゆっくりじっくり積み上げる起承転結、難しい内容を万人に分かりやすく。そして、綺麗に続編を期待させるラスト。オススメの良作。
不死身の男!
前作の方が面白かった
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