ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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昔も今も、ハリウッドと映画へ捧げる、タランティーノのラブレター
タランティーノ!
レオ&ブラピ!
マーゴット・ロビー、アル・パチーノら初参加組、カート・ラッセル、ブルース・ダーンらお馴染み組の豪華キャスト!
舞台は1960年代、魅惑のハリウッド黄金時代!
フィクション×ノンフィクション!
映画内幕コメディ、男二人の友情ドラマ、実際に起きた衝撃事件のサスペンス!
これでもか!…と、たっぷりの話題性と面白味を詰め込み、期待するなと言う方が無理!
今年の期待作の一本!
大満足の160分!
だって、これはタランティーノ映画!
何と言っても、タランティーノが1960年代を舞台にハリウッド内幕劇を撮る。
どれほどのネタがブチ込まれていた事か!
分かったのもあれば、まだまだ気付かなかったのも沢山あり。こりゃレンタルになったら、二度三度四度と気の済むまで再見しなければ!
実際の映画/TVや劇中劇が面白い。ここら辺のディープなチョイスがタランティーノらしい。
あの大物監督にあの大スター、伝説のスターら実名さん、あの名子役(現・名女優)を彷彿させる人物も。
ロケやセットなど、まだ産まれてもない/知りもしない1960年ハリウッドにタイムスリップさせた気にしてくれる。
映画通でなくとも、映画通なら尚更!
選曲はいつもながらgood!
無駄に長いシーンや台詞は勿論。(←褒め言葉です)
いつもよりバイオレンス描写は控え目だが、これは最後にお楽しみ♪
タランティーノの才気/センス、エンタメ性、そしてオタクっぷりにはひれ伏したくなるほど。
やっぱ、アンタは最高にクールだぜ!
そして、超話題。
遂にこの二人の共演を、スクリーンで観る日がやって来た!
レオナルド・ディカプリオ×ブラッド・ピット!
開幕早々から、豪華贅沢にツーショットで登場!
再度確認するけど、合成やCGじゃないよね…?
役柄がまたまたハマってる。
レオは、かつては映画スター、今はしがないTV俳優のリック。
再び映画の世界に返り咲こうとするが、酒に溺れ、せっかく貰った仕事も台詞を忘れ…。
その惨めさ、情けなさ、落ちぶれっぷりは哀愁たっぷり。
と同時にハイテンション演技で、ユーモアも。
が、俺はリック・ダルトン。やる時はやる! TV西部劇の悪役で、凄みのある演技。やり切り、安堵したのかうっすら浮かべた涙に、見てるこちらも思わずジ~ンと…。
言うまでもない、レオの熱演!
ブラピは、リックのスタントマンのクリフ。
運転手もやり、その他雑用もやり、時にはアドバイス/サポート/フォローで公私の境無くリックを支える名パートナー。唯一無二の親友でもある。
ただ、ちょいと問題児。トラブルが幾つか。
トレーラーハウス暮らしで、向上心を秘めつつ、常に陽気でポジティブ。
役柄の旨味もさることながら、ブラピがカッコいい男の魅力やセクシーさを炸裂。
ちらほら囁かれているオスカーへの期待、こりゃひょっとすると、ひょっとするかも…!
それから、クリフの愛犬も。
奮闘する売れない俳優とスタントマンの物語がユーモアたっぷりに、男二人の友情ドラマが味わい深く描かれる中、もう一つ展開するストーリーが、
実在した若い女優、シャロン・テート。
演じるマーゴット・ロビーがKO級の魅力を振り撒き、こりゃ堪らん…。
60年代ファッションがキュート、映画館で自分が出演してる作品を見る嬉しそうな表情がこれまたキュート。
ホットパンツやミニスカートから覗く眩しい脚線美は刮目せよ!
足フェチタランティーノ、健在なり!
シャロン・テートと言えば…
当時、ロマン・ポランスキー監督夫人。
売り出し中の若手女優。
でもそれ以上に、今尚ハリウッドで語り継がれる衝撃的なアノ事件…
2つのドラマは同時進行で始まるも、ほとんど接点ナシ。
が、クリフがヒッピーのコミュニティを訪れた辺りから不穏なムードが。
そして遂に、アノ事件当日。
フィクション×ノンフィクションが果たしてどんな結末を迎えるのかと思っていたら、
予想の斜め上を行く、意外な展開に!
もっとハラハラドキドキの実録サスペンスや“シャロン・テート事件”の真相に迫る話を見たかった人には不満だろう。あの予想外のオチは賛否分かれるだろう。
でもそこは、“確信犯タランティーノ”。
もし、アノ事件がこうなったら…。
何かの評で、これまでで最も優しいタランティーノ映画とあったが、なるほど然り。
凄惨な事件を起こした奴らに制裁を与えつつ、
シャロン・テートと、スター/無名問わず映画の世界で奮闘する人々へ捧ぐ。
映画愛エンタメに満ちた、タランティーノのラブレター。
ご存知の通り、タランティーノは10本映画を撮ったら引退と公言。
本作が9本目。後一本。
本人が決めた事で、意思は尊重するが、
だけどやっぱり、まだまだタランティーノの映画が見たい! 我々を楽しませてくれる映画を撮り続けて欲しい!
だけど、宣言通り引退したら、こう語り継がれるだろう。
昔々、ハリウッドにタランティーノという天才が…。
ブラピ デカプリオがこんな映画にでていいのか?
総すかんを覚悟でこう言いたいのですが「ブラピ デカプリオがこんな映画にでていいのか?」と言うのが正直な気持ちです。この監督は何本んとなく下品、不快な映画を作って来ましたが、今回は全体にわたる冗長な展開も加わり、期待外れもいいところでした。極めつけはデカプリオがヒッピーに向けて火炎放射機で焼き殺すところですが、これってブラックユーモアですか?デカプリオにこれをさせる必然性って有るのでしょうか?
ワンスアポンアタイムインハリウッド
ブラピ、デカプリオ、マーゴットと好きな役者の揃い踏みで、タランティーノという、それだけで楽しませてもらえました。
デジタルではないフィルムで表される60sの世界、素敵ですね、これが映画なのかな、
タランティーノらしいカメラワークと伏線の張り方、狂気に満ちたバイオレンス、そして、ラストへの流れがたまらない、
しっかり、史実を知ってから見た方がいいですね。やはり、タランティーノは素敵です。
残念なのは、ブルースが、少し情けなく表されていることかな、我々の世代のヒーローなので
^_^
親しき二人とキュートな一匹、ハリウッドの闇を斬る!
先鋭的で全方位で、とにかくイケてた『パルプ・フィクション』(1994)。まさかアレからこんなキュートな映画が出るとは思わなかった。
本編の感想自体は、他の皆さんも言っていますが、愛らしくてスゴく優しい。爽快バイオレンス付き(笑)。で、同時にタランティーノの集大成的一本だった!
ドッグファイトは『ジャンゴ』(2012)の頃よりもっと洗練されてるし、制裁場面は『ヘイトフル・エイト』(2015)以上に平等姿勢(要は悪事に男も女も関係無い。まとめて成敗)!止めの地獄の業火プレイは『グラウンドハウス』(2007)を経て(厳密にはロブ・ゾンビのフェイク予告編(『ナチ親衛隊の狼女』)かな)。つまりあらゆる経験値とエッセンスが詰まってた!それはそのままクリフ・ブースとリック・ダルトンに言えること。つまり辛酸を舐めても尚、頑張り続けた人間だけが、刹那だろうと誇れる瞬間、スポットライトにその時当たれる!短絡的なバカカルトには逆立ちしたってまず出来ない(そもそも住所は把握せえ)!
と、色々熱弁したけど、なるべくネタバレ見ない上で見た方がイイと思う。とはいえ多少はマンソン事件を調べた方がイイとも言える。タランティーノの起こした"偉業"をスゴく実感できるから!
また、すぐ、観たい( ☆∀☆)
一晩経っても興奮醒めやらず。ジーニアス!
漢とバカちんを造形らせたら世界一です( ´_ゝ`)
そしてバカちんには必ず容赦なき苛烈な鉄槌を!
これでこそタラちゃんです。
引退まで後、1本?2本?
撤回して欲しいです。
That was the best acting I've ever seen. タランティーノの映画愛!
予想通り、というより期待通りと言った方が正しいタランティーノ監督の映画愛が詰まった作品です。「イングロリアス・バスターズ」を観てて、シャロン・テート事件を知ってる人ならば最後はきっとこうなるって沢山の人が予想できてたのでは?っと思うのですが、期待通り良くやってくれましたタランティーノ監督!ディカプリオとブラピの共演が取りざたされる事が多い本作ですが、肝はシャロン・テート事件でしょう。
個人的にはシャロン・テート事件って全く知らなくって、本作を観る前に検索したのですが、まぁ本当に胸くそ悪くなる悲惨な話です。検索した事を後悔するぐらい本当に酷い。きっとタランティーノ監督の子供の頃事件を知って、幼いながらに胸を痛めてたのではないでしょうか?そんな子供の頃の自分に向けてのファンタジー映画です。監督がインタビューで「本作は今までで1番優しい映画」っと言ってたのも納得です。あの事件でショックを受けた人への癒しになりますよね、きっと。
そして、ホントにタランティーノ監督って映画が好きなんだなぁっと思う本作。「大脱走」とか、ブルース・リーとか、単に好きだったから取り入れたとしか思えない。尚、実際のブルース・リーはガチで強かったので(Youtubeで残ってる昔のブルース・リーの動画見るとヤバい動きしてますよ)スタントマンのクリフにやられるとは思えないのですが、そこは主人公補正ということで多目に見ましょう。
でもディカプリオ良かったですよね!火炎放射機といい面白い所は全部持ってったカンジです。女の子に慰められ、そして誉められてウルウルしてる姿には観てるこちらもグッと来ました。もはや円熟の領域に入ってる気がします。
もちろんブラピも良かった!相変わらず頼れるアニキですね。中盤カルトの集まりを進んでいくシーンは緊迫感あってハラハラしました。そしてラリったままでも超強い!途中無駄にシャツ脱いでたのはファンサービスに違いない!
そして勿論シャロン・テート演じたマーゴット・ロビー!映画館で自分の演技で笑ってる人を観て嬉しそうにしてる表情には誰でも惚れてしまいます。映画館のスタッフにも何気に親切でしたしね。助かって欲しいっと思わせられますよね。
ずっとオフビートで最後に盛り上がるのはいかにもタランティーノ作品なので苦手な人は苦手かも。後、正直シャロン・テートの事件知らない人には何じゃこりゃでしょう。だって最後が盛り上がる意味がわかんないでしょうし。でも、世の中何事も知ってる方が、物事をより楽しめるもんです。映画大好きのタランティーノ監督が映画の愛を詰め込んだ本作。10本撮ったら監督止めるって言ってるタランティーノ監督の9本目。本作が今までの総決算的だったので最後の1本はどうくるのか、今から楽しみです!
つぶされて、千切られて、炎上して、ハリウッド。
頭のテッペンから爪の先の先までタランティーノ。針で穴を開けたら、ドバドバっと噴き出しそうな気がするくらい、タランティーノでパンパン。推定内圧5MPa。結構な高圧です。死ぬなコレ。タランティーノはタランティーノってわかる所が、本当に好き。
軽いオツム・知性低めの登場人物による言論大会と暴力(今回は軽め)。皮肉も哲学も、悪夢も希望も、善も悪も知性も無知も。深遠的道理も軽佻浮薄も、もう何もかもをぎゅぎゅっと圧縮して固焼きにしたぞ、ほら食え!なクエンティン・タランティーノ・ワールド全開で全開で全開!ご馳走様でした。美味しかった!あ。頂きます言うの忘れた。
マーゴット・ロビーの膝上ほば30cmのミニスカとか最高。予告で名乗った名前を聞いて「ギョッ」としたけれど、タラちゃんに掛かればこれですよ。アヘアヘ。やられた。と言うか、このワンコ、名前はなんだった?食べちゃダメだからね。
ハリウッドの方々が、皆んな可愛かった。ノスタルジーなんですね、タイトルどおりに。タランティーノ的ではあるけれど。ポランスキーの取り寄せ本がテスだったのは笑えた。音楽はご機嫌だったけど、さすがに古過ぎて、deep purpleの hushとカルフォルニアドリーミングしか分からなかった。
色々と言いたくなるけど、やっぱ楽しい。タランティーノ大好き!
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8/31ネタバレにして思い切り追記
伏線に自らハマりに行ってた俺たち。
シャロン・テートの惨殺事件から50年。アメリカではドキュメンタリー、映画が流行っていると聞いていますが、「タランティーノまで、これをネタにするんか?」って思っていました。何の事は無い、タランティーノの策に、観客が自ら嵌りに行ってたわけです。「劇場に入る前から始まっている、観客の不安・嫌悪・軽い恐怖感」を「あっさり吹き消してカタルシス」。いやぁ、やられたから。まんまと。
クリフ・ブースはLSDで意識がクラックしていても、あの余裕。そう言えば、ピットブルも「良く訓練されている」と言う描写がありました。半分ビビってる素人テロリスト撃退なんて朝飯前なんだ。リック・ダルトンの火炎放射器も、予告の時点でネタフリされてる訳ですし。
8歳の少女に「生涯で最高の」なんて事言われて、涙してるリック・ダルトンが可愛い。マカロニ・ウェスタン転向への勧めは都落ちの宣告。クスリに走らず、傲慢さで自滅もせず、それなりに力を尽くして、ハリウッドのその日暮らしをする二人。なんか良いなぁ。ヒッピーのロリの誘いも軽くいなすクリフ。役者魂はちゃんと持ち続けたリック・ダルトン。「ハリウッドの夢」をカルトの狂気から守った二人の一夜の出来事。
なんかジワジワ好き。おバカな事件の後のジワリ具合がタランティーノ的。
ついでに言うと、車オタの血が騒ぐ映画だった!
まずはアル・パチーノの「ロールスロイスのエンブレムだけ」が皮切り。クリフの愛車は「Volkswagen Karmann Ghia Convertible」でキルビルにも登場してました。リック・ダルトンのピラーレス2ドアは「Cadillac Coupe DeVille」と思われます。ポランスキのクラシック・カーは「MG TD」。まともな個体は無いと思われるのでエンジン載せ替えの「2000」だと思う。シャロン・テートが街中に乗り出したのは「Porsche911」で、おそらく空冷Turboの930シリーズのどれか。街中では「Mustang」「Volks Wagen Beetle」「Pontiac Firebird」などは判りました。映画FBIでリック・ダルトンが荷台に隠れた居たのは「Ford F」の100番台のトラックに間違いありません。型番は不明だけど。クリフがブルース・リーを叩きつけたのは「Lincoln Continental」。Fordとアメリカの象徴みたいな、日本で言えば1970年代のクラウン。ちなみにクリフがリック・ダルトンのトレーラー横で待ちの間に座っていたのは、電動式ゴルフカートの「Taylor Dunn Tee Bird」。こいつのエンブレムはマニアックアイテムです。
火炎放射器!
途中ちょっと長いかもとも思ったけど、60年代のロサンジェルスへのオマージュあふれる作品でした。
Mクアリーの服装、仕草がキュート。腋毛も。
シャロン(ロビー)は輝いてましたね。プレイボーイマンションのパーティ、楽しそう!
リック(ディカプリオ)は台詞が出てこなくてキレたりするし。
クリフ(ブラピ)があそこに入っていく時はドキドキしました。
そしてあの日の結末。
ヒッピーたちを撃退したことをきっかけに、お隣さんとお付き合いするようになってリックはまた仕事をもらえるようになった、というオチなのかな、と私は思ったのですが。クリフは元気になったのかな? 気になります。
本当にワンス・アポン・ア・タイム
落ち目の俳優とスタントマンの友情を軸にあの時代を良く描いている。
映画・ハリウッドのこと。ロサンゼルスのこと。ヒッピーのこと(私は良く知らなかった)。
ロスは90年代以降に何度かいったが、あの時の空気を思い出した。加えて69年の空気も味わえて、映画界の雰囲気も味わえるのでおトク。
ストーリーは、全てを自然に味わえる。悲しみ、笑い、痛快、カッコ良さが全部ある。
ブラピは老けてもカッコよく、デカプリオもいい味出してる。
映画が好きな人、ロスの空気が好きな人、あの時代が好きな人は是非観るべき映画。
追記 私もあんなバディが欲しい。
マスティフ可愛い
シャロンテートが、優しくて朗らかで、映画作りへの素直な情熱を持った魅力的な女性であったことを教えてくれた。救えなかった彼女と赤ちゃんの魂に少しでも寄り添おうとしているような優しい映画だった。
盲目的なカルト集団マンソンファミリーは、寝てばっかりいる盲目の老人と何の力も持たない小者の集団に上書き。
「イングロリアスバスターズ」のナチス狩りもそうだけど、タランティーノは決して許せない歴史の一部を改ざんしてくれる。その優しさにぐっとくる。
前半は、虚実が入り乱れる見事な運びにワクワクし、レオの一人反省会や、ブラピのトレイラーハウスの暮らしなどなど、もう楽しさ満載。
で、後半から、あの事件へのカウントダウンが始まるとドキドキするのだが、ここからまさかのタランティーノ節全開。
冒頭から、ブラピの車のハンドルを握る腕が強調される。誰もが抱かれたくなるようなセクシーで力強い腕は、なんと銃よりナイフより怖い凶器でした。
マスティフ可愛い。
これが映画だ!と鳥肌が立った
・やっぱり一番はラストのチャールズ・マンソンらがシャロン・テートを惨殺すると思われた所を、タランティーノがこしらえたリックとクリフが、奴らを反対にぶっ殺す所が一番痛快だった。そして、シャロン・テートは死なずに済んだ…映画による命の救済で鳥肌が立った。
・この映画まで事件の事を全く知らなかったので、観る前に調べておいて本当に良かった。
・現実の歴史を映画が変えたような、映画が現実を凌駕したような感覚になってとても良かった。
・背景、小物、衣装など美術が素晴らしくて1969年にタイムスリップした気持ちになれて良かった。
・映画内で登場した映画が観てみたくなった。
・ブルースリーがクリフにボコボコにされてるシーンが館内でウケてた。何故ウケてたのかよくわからなかった。
・元ネタをもっと下調べしたら楽しめるんだろうなと思いつつ、事件だけでも楽しめた。と思う。
・ダコタファニングが物凄く可愛かった。初めて観た。
(9.18追記 プッシー・キャット役をダコタ・ファニングと勘違いしていた…マーガレット・クアリーだった。ダコタ・ファニングは赤毛女だった。いやはや。)
結末を知らないで観る方が良い
タランティーノ映画をあまり知らない人が観ても楽しめるかと言われたら、もちろん、それは無理。ある程度、彼の作品を観ていて、彼特有のダラダラ感が受け入れられる人じゃないとやはり観ていて途中、退屈になってしまうのではないかと思う。
それこそがタランティーノの映画じゃないか!と言う人には、今度はちょっと物足りないかもしれない。今回は結構、会話よりも映像で説明をしてくれている。突然、回想というか説明シーンに突入していてびっくりしたところ2か所ぐらい。
しかしなんといってもふたつのテーマ、「リックとクリフの物語」と「シャロン・テート事件」における後者の扱い方には本当に驚いた。
タランティーノ、優しすぎるだろ。惚れてまうやろ。
最後のリックを迎い入れるシャロン達を俯瞰する映像には涙が出そうになった。
これはファンタジー映画だったんだ。
もしかしたら甘い温い遺族の気持ちを考えろなどなどの意見が出るのかもしれない。
だけどおそらく、多くの観客は実際にシャロン達がどうなったのか知っている。
カウントダウンにドキドキさせられていたと思う。
そこでハイになったクリフ(ブラピはイカれた役が似合う)とクリフに忠実なブランディが一味をやっつけまくる。叩きつけまくる。ブランディ、噛みまくる。
(リックは未使用の火炎放射器を持ち帰ってたのか?)
ハリウッドのおとぎ話でした。めでたし、めでたし。
ディカプリオもブラピも良かったです。子役の女の子じゃないけど、このふたりは演じてるというよりもリックとクリフにしか思えなかったので、こういう書き方にちょっと違和感。
ジョージ役にはバート・レイノルズが決まっていたそうで、観たかった。とても残念。
★5点はつけすぎかもしれないと自分でも思うけれど、10作目で引退なんてやめてね、という応援分含む、です。
とっても楽しい
ブラッド・ピットの友達ぶりがファンタジーの域ですごい。普通ならひがむだろうし、扱いもそれほどよくない。一緒にイタリアに行ってもディカプリオはファーストクラスで、ブラピはエコノミーだ。ブラピの立場なら、ディカプリオの愚痴なんてちゃんちゃらおかしくて聴いていられないのではないだろうか。にも拘わらず、励ましてあげていて、なんて都合のいい友達だ。
ブルース・リーが嫌なやつで、しかしあんな感じであったような気もする。
シャロン・テートの見ていた映画を見てみたい。
ヒッピーに対する憧れがあったのだけど、自分にはあのような集団生活は絶対に無理だし、仲間外れにされてしまうと思う。
ブラピがラリっていながらもマンソンファミリーを撃退する場面が面白い。鬼のように強くて、容赦なく殺すつもりで戦っていて、イタリア人の嫁がぴょんと跳ねるのも面白かった。
My hands are registered as lethal weapons!
映画の主人公の両バディには共に実際にいた。ハリウッドを代表する60年代から活躍していた映画俳優とスタントダブルがモチーフになっていると..........。その1人は
映画の主人公であるリック・ダルトン。彼の周りの映画界・テレビ界を含めて西部劇全体が下火になった時、リック・ダントンは次の役作りをどうするか模索している。スタジオの送り迎えからダントンの小言の付き合いまで、いやな顔など見せずに付き合っている友人で、リックが格下のスパゲッティ・ウエスタンに行こうか迷っているところをブラット・ピット演じるクリス・ブーフが、リックの自尊心を傷つけることなくアドバイスを的確に示す。
2人の背景には、60年代を代表するようなアイテムが数多く登場する。車で言えば、リックの愛車・1966年製 " Cadillac Coupe DeVille" であったり、poor-man's Porscheと称された大衆車 "Volkswagen Karmann Ghia Convertible Typ 14" があり、もちろんいくつもの名車がハリウッドらしくさりげなく登場している 。後にこのリックのキャデラックが、ある事件にかかわってくる。
クリスのトレーラーハウスでは、映画「ジョンウィック」にも登場した忠義心の塊のアメリカン・ピット・ブル・テリア、壁には「ハニーにおまかせ(1965)」や初期のSci-Fi映画の金字塔「禁断の惑星(1956)」にご出演のアン・フランシスのポスターも貼ってある。そしてテレビでは、イベット・ミミュー出演の映画「Three in the Attic (1968)」なんてのも映し出されている。イベット・ミミューといえば1960年制作の「タイムマシーン」を思い出され、Sci-Fi映画の父と原作がSci-Fi小説の父が作った映画なので面白くないわけがなくフリーメーソンのメンバーとされる方が、その小説「宇宙戦争」の序文にイギリス人の凄惨かつ残忍性を自国の人なのに述べている。
リックは、有名スターなのに、お酒浸りで、車を運転することもままならず、やっともらえた代役なのにうまくいかず、テイクをやり直し、そのやり場のない怒りからか感情失禁までしてしまう。やっと監督からお褒めの言葉をもらいホットしていると、共演の8歳のルディー・フレイザーが耳元で「私の人生であなた最高だったわ!」なんて言われて涙ぐむリック。..................................................デカプリオ最高!
エンタメの業界紙"Variety"の見出し記事"‘Once Upon a Time in Hollywood’ Actress Julia Butters on Working With Leonardo DiCaprio, Brad Pitt"によると彼女の行く末が恐ろしく感じるほど名女優の一歩を踏み出している。
クリスが、あたかもナタリー・ウッドの死を思い出させるように彼が妻殺しといういわれのないデマのおかげでスタントの仕事にありつけない彼のためにリックはスタントコーディネーターに頼んで役を見つけようとするが、TV番組「グリーン・ホーネット(1966)」の出来事として........
ブルース・リー: My hands are registered as lethal weapons.
We get into a fight, I accidentally kill you... I go to jail.
それを聞いたクリスが苦笑いをしているとブルース・リーがおかんむり?
クリス: Anybody accidentally kills anybody in a fight,
they go to jail. It's called manslaughter.
なんて返すものだからファイトシーンのリハーサルと称して格闘が始まるや........!? これは観てのお楽しみ。 その仲裁に入ったのがニュージーランド出身の「キルビル(2003)」でスタントダブルをしていたゾーイ・ベル。しかし、ブルース・リー役のマイク・モーさん、顎を上げてしゃべる仕草や手振り身振りがクリソツ。
映画の中で、登場し、西部劇で利用された牧場主のジョージ・スパーン。彼の性的なお相手とされる、この方も実在の人物であまり日本では知られていないのにもかかわらず "Manson Family" の中でもとびぬけた有名人、 リネット・フロム。通称:スキーキー。彼女を演じたのが、クリンゴン語??を操るダコタ・ファニング。
アドリブ満載のレオナルド・ディカプリオと55歳にしてこの完成された肉体美を持ち何十メートル先からでも男の色気がムンムン感じるブラッド・ピット。2人の競演を少し最初違和感があったのが映画を観ていくうちにそんなことはどうでもよく、とっくに忘れていた自分がいる。
個人的には、2人の俳優の物語が、メインと思いきや実のところシャロン・テートの今まで知られていなかった人物像や彼女の1面を監督は描きたかったかもしれない。なぜなら、例えば、その優しさ。ヒッチハイクの女性を何も言わずに乗せる(ニューシネマ代表する映画の1つ"The Strawberry Statement(1970)"の主題歌:バフィ・セント=マリーが歌う"The Circle Game")ところや次郎長の命で四国讃岐の金毘羅宮に刀を納めに代参した石松を描いた映画「石松三十石舟」の名シーンを彷彿とし、映画館では自分の出ている場面を観客がどう思うかをあたりを見渡すあたりオチャメななシーンも出てくる。実のところ、8か月の子供を宿していた時に惨殺された彼女にもかかわらず、あまり同情する声が聞こえてこない。むしろ批判めいた言葉もある。それもそのはずでマスコミが面白おかしく、この事件を取り上げ、連日のようにドンちゃん騒ぎをしている報いともとれる報道をしていることによるところが大きいと個人的には思っている。160年続く新聞紙のウェブサイト"The Telegraph" に妹のデボラ・テートさんがコメントを載せている。その題名が "Sharon Tate's sister on Tarantino's new film and why she still lives in fear of Manson's disciples" というのもシャロン・テート事件の実行犯の1人レスリー・ヴァン・ホーテンが仮釈放の申請をしていることがあげられる。ホーテンは、獄中でありながら学士号や博士号を取得された方でなおかつ囚人仲間からは慕われる存在になっている。女囚としては現在50周年を迎えアメリカでは女子として最長という事は世界最長であることから個人的には、他人事なので彼女を許してもいいのではないか? なんて無責任な発言も現れる。それとシャロン・テートの夫のロマン・ポランスキーという人物が "Pedophilia" 的な側面も大きく影響していると思われる。(アメリカに帰れば即、逮捕)
ラストのシーン。 はじめ何を描きたかったのかわからい自分がいるし、シャロン・テート事件といえば、先人が描いているギミックを使ったゴア表現のオンパレード的な描き方をするものだと思うのだが、失礼な話、蒙昧な自分にとっては、この監督の映画はただのバイオレンス映画「キル・ビル(2003)」以外記憶にない..........
それとは別に、以前観た「Charlie Says(2018)」でも見られるようにマンソンが誤認殺人と一般に言われるものではなく、その彼の人間としての姑息性から、つまり自分よりも巨大な存在に対する畏怖の念があることをマンソンがシャロン・テート邸に下見をしたシーンがわかるものとなる。
米国の時事問題、政治、および文化を網羅するオンラインマガジン。反対意見を採用し、「スレートピッチ」という用語を生み出したことが知られており、そして時には批判されている。自由主義を象徴するオンラインマガジン、Slate
"Once Upon a Time in Hollywood Shows Tarantino Is the Rare Kind of Director Who Shouldn’t Retire"その副題として”For some filmmakers, the best way to fight aging has been to make movies about it.” の記事より
「激動の10年の終わりに映画ビジネスを振り返る、ほろ苦い、複雑な、会話の始まりであるハリウッドのワンスアポンアタイムは、タランティーノがそれを詰め込むのが早すぎる理由が、大きな議論を呼ぶこととなる。」 という事は、タランティーノ監督は、監督業から引退宣言をしているのか?(Collider と呼ばれる自称インパクトのあるエンタメ情報サイトの見出し記事"Quentin Tarantino Still Says He’s Only Making One More Movie After ‘Once Upon a Time")、 より
それとは別に、サイトを称賛するわけではないが、このサイトのコメントが映画の本質を端的に述べいるかもしれない。キリスト教系新宗教団体クリスチャン・サイエンスの110年を超える?オンライン新聞紙、Christian Science Monitor
「ディカプリオは古びて、しかもダメになった俳優としてミスキャストされているように見えるが(主に彼は決して古びていないように思われるが?)、ピットは生き生きとしたパフォーマンスで素晴らしいの一言。シャロン・テイトとして、マーゴット・ロビーは映画の黄金期の象徴である無邪気さとして非常に感動を呼ぶ映画といえる。」
amazon.comではすでにレンタル配信が始まっていて、別に映画館に足を運ぶ手間もなければ、エネルギーを使う必要もないものとなっている。ただ大きい画面さえあればの話だが........
日本のアマゾン? 月500円? 安かろう悪かろうを地でいっている。
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