「プロの普通と「二十日鼠と人間」」ザ・ファブル つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
プロの普通と「二十日鼠と人間」
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続編の予告編が面白そうだったので本作を観てみた。
前半はコメディで、後半はアクションで、それぞれそれなりに楽しく観られたものの、全体的にはぼちぼちまあまあといった感じ。
しかし、大興奮で響くってほどではなくともアクションシーン全般は褒めなきゃならんと思う。
ガンアクションはハリウッドなんかと比べられてショボいだのなんだのと言われやすい邦画にあって、ハリウッドと比べても中上位くらいの良さがあった。
「ジョン・ウィック」のガンアクション+ジャッキー・チェン、マイナス30%って感じかな。
壁を登るところとか、おおっ!ってなったし、本当良かったね。
本作はそこまで面白くはなかったけれど、更にアクションが激しくなっていそうな続編は楽しみになった。
あとはラストちょっと前について。
安田顕演じる海老原が柳楽優弥演じる小島を射殺するシーンで、映画にもなっているスタインベックの「二十日鼠と人間」が頭をよぎった。
どんなに守りたい救いたい存在でも、もう守りきれず放っておけば誰かの手で罰がくだされるならば、その守りたい愛ゆえに自ら執行する。
「大丈夫だ。俺がついてる」のセリフは、苦しむことなく楽にしてやるという意味で少し涙を誘う。
そしてそれはボスと主人公ファブルの関係も同じで、海老原と小島のようになってしまうかもしれない未来を暗示させる。
そういった意味で本作は海老原を主人公にファブルの手を借りた「二十日鼠と人間」だったなと思うのです。
もちろん本作はそんな文芸映画ではないけれど。
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