「岡田くんのキレとボケを楽しむ」ザ・ファブル おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
岡田くんのキレとボケを楽しむ
原作未読というか、あることも知らず、まったくの予備知識なしで鑑賞してきましたが、とくにわかりにくいところもなく、十分に楽しむことができました。
冒頭から岡田准一くんのアクションがとにかくすごかったです。無駄な動きがいっさいなく、たった一人で次から次へと敵を葬っていくさまは実にお見事でした。クライマックスシーンでの壁登りや銃撃戦、近接戦もキレッキレで、もう完全にアクションスターが本業と言ってもいいくらいの出来でした。
出演俳優陣も豪華で、安田顕さんや佐藤浩市さんの渋い演技もよかったし、山本美月さんはかわいらしくも気丈な女性をしっかり演じていたと思います。中でも圧巻だったのは、柳楽優弥くんです。もう目がイっちゃってる感じで、その筋の人にしか見えませんでした。道端ですれ違っても絶対に目を合わせたくないほどです。
血なまぐさいシーンは好きではないのですが、コミカルなシーンもちょいちょい差し込み、単なるバイオレンス映画とせず、ファブルの人間味を描いていたのもよかったです。大好きな佐藤二朗さんとの掛け合いもテンポよく、脇を固める向井理くんや木村文乃さんと結び付けて、「神の舌を持つ男」を思い出して、一人でニヤついてました。
ただ、クライマックスの「狭い空間で大人数を相手に殺さずに倒す」という制約だらけのアクションシーンが、なんだかとても見にくくて、すごさが伝わりにくかったのだけは残念でした。
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