「すべての再生」クリード 炎の宿敵 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
すべての再生
どうしてもロッキー4のド直系の系譜を継ぐ本作は採点が甘めになってしまう。あのロッキーのテーマ曲はずるい。もっと聞きたかった。まさかのドラゴ、その息子が出てくるとは。妻役ブリジット・ニールセンまで見れるとは思わなかったし、変わったなぁ。スタローンの元かみさんなのによく出演したなとも思った。ドラゴはロッキーとの敗戦のせいで国にも妻にも捨てられていた。当時のソ連からすれば、容易に想像がつくし、不遇の日々を送っていたのだろう。本作は再生がテーマだったと思う。ヴィクターに負けたクリードは一人の男として、真のチャンピオンとしての再生。ドラゴ親子からすれば、祖国に捨てられたことから、クリードをぶちのめしたことで、再び祖国に迎え入れられたことの再生。ロッキーはラスト自分の息子にまだ見ぬ孫に会いに行く勇気を得た再生。クリードはヴィクターに勝ち、ようやく父アポロに向き合うことができたことの再生。ドラゴにも焦点を当てているのが素晴らしい。ラスト、車を下りて一緒にヴィクターと走り、トレーニングを再開していたのが良かった。ロッキー4ではマシーンだったドラゴも人間だった。ロッキー息子のマイロを見れたのも良かった。しかし、再戦をロシアでやるのが何ともにくい。どうせなら、クリードトレーニングもロシアの雪山でやってほしかった。テッサ・トンプソンはめちゃくちゃ歌うまい!夫の入場に歌って出て来るって新しい。JBが懐かしい!気になったのは、クリードの子の耳の状態。その際のロッキーの言葉、彼女は憐れんでいない、これが最高。やっぱりロッキーの寂しそうな顔、座った後ろ姿、全てが良い。ロッキーの家の街灯はどうなったんだろう。これも再生しないだろうか。