「想いの継承…悲劇が繋いだ宿命に挑め!」クリード 炎の宿敵 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
想いの継承…悲劇が繋いだ宿命に挑め!
クリード・シリーズ第2作(ロッキー・シリーズ第8作)。
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
本作を観る前に「ロッキー4/炎の友情」の鑑賞は必須であります。と云うわけで本作公開前に同作と前作を観て準備万端整えていましたが、結局観に行けなかったと云う悲劇…
いい意味でありふれた物語をここまで面白く仕上げてくれるなんて、素晴らしいにもほどがあると云うもの。
対立構造は目に見えている。栄光を掴んだアドニスとロッキーVSどん底から這い上がろうとするドラゴ親子。
「ロッキー4」の出来事が根底にあり、そこから生じた悲劇の因縁が、両者を宿命のリングへと導きました。
アドニスの成長とロッキーのと絆の物語としても充分感動的でしたが、個人的に惹かれたのは、もうひとつの物語であるドラゴ親子が背負ったものの重さと悲しさでした。
ロッキーに敗北した後、国からも妻からも見捨てられたイワン・ドラゴ。想いを息子に託し、鍛え上げた執念がすごい。
父の想いを受けたヴィクターも、実は母の愛情に飢えていると云う設定がいい。母に褒めてもらいたい一心で振るう拳…
負けそうになった自分たちを母(妻)が見限ったことで、心も体も決壊してしまう展開はあまりにも悲しかったです(ブリジット・ニールセンの変わらぬ迫力に圧倒された)。
寒空の下、父子二人三脚でトレーニングした日々を想像し、苦しいこともあっただろうなと考えると、もうちょっと救いがあっても良かったんじゃないかと思いました。
ドラゴ親子だけでなく、ロッキーと疎遠だった息子の関係の決着や、アドニスと母親、誕生した娘アマーラと云った様々な親子のドラマが描かれていて、要所要所で泣かされました。
※修正(2023/06/02)