「戦う理由」クリード 炎の宿敵 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
戦う理由
クリックして本文を読む
序盤は凡庸な立ち上がり。「鍵を返せ」のやり取りが複数回。ストーリー説明に時間を要す。敗北からは、クリード自身の葛藤にフォーカス、グッと良くなる。何故戦うのか?ロッキーの問いかけがこびりつく。赤ん坊とのジムでの時間、全てが晴れていく。自分で導き出した答え。そこに辿り着くまで丁寧に描く。ロッキーを出しゃばらせることはない。好感が持てる。ヴィクターとの戦い。ロッキーの問いかけに答えられるものとそうでないものとの僅差。ロッキーシリーズに通底するテーマ。その幕切れ方も味わい深い。ヴィクターに想いが馳せる。
ファミリードラマである。ザ・ファイターを想起させる。2人の母の存在も際立つ。嫁姑との食事のシーンに和み、そこでは避けた本題に、メアリーアンは単刀直入に息子に投げ返す。スタローンの元妻ブリジットニールセンは30年間、この映画のために雌伏していたのか、完璧な出で立ちで現れる。
縁の下に徹したロッキー。しかし、変わらず要の存在感を放つ。前作に続いて、ユーモアを含めた懐の広さを演じたスタローン。実に好演。
コメントする