「あの"殺人マシーン"も…」クリード 炎の宿敵 しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
あの"殺人マシーン"も…
まず今回の続編決定にあたり、
「前作が豊作だった2015年の映画の中でも一番と言ってもいいほど面白かった」
「その時の監督であるライアン・クーグラーが(スケジュールの関係もあり)監督を降りる(製作には携わっているそうです)ことになった」と聞き、不安を抱いていました。
しかし、きちんと前作でも好評だったカメラワークや音楽の導入など「若々しい感性の演出」を一部引き継ぎつつ、前作よりもエンターテイメント性の高い仕上がりになっており、ファイトシーンは前作とは違うベクトルの迫力も感じました。
前作よりも「泣く」という要素は減っているように感じましたが、それでも最終決戦後のロッキーの後ろ姿や言動には目頭が熱くなりました。
この映画は親子の「因縁」や「2世対決」にフォーカスが当たりがちですが、各キャラクターとの「絆」も見所でした。
偉大なる父の影の大きさに悩み、また今作では自身も父として苦悩しながらも前に進み続けるドニーと正しき道へ導こうとするロッキー、それを見守るビアンカ、メアリーアン。
そしてロッキー自身も、過ちと今一度向き合い、彼もロバート・バルボアの、そしてアドニス・クリードの「父」として成長していく様に感動しました。
また、ロッキー4では勝っても「冷徹なマシーン」、怒りを露わにしても「エラーを起こしたマシーン」、負けて愛想をつかされても「廃棄処分が決まったマシーン」という感じで徹底して無機物的に描かれていたイワン・ドラゴですが、今作は1人の人間として、また厳しく(時に八つ当たりにすら見える)も自身と同じ道を歩ませまいと必死にもがく「父親」として描かれており、それに応えようと過酷なトレーニングに挑むヴィクターとの親子愛に、敵役ながら「思わず」感情移入してしまいました。
新年に自信を持ってオススメできる一本です!!