「引き続き良質のブラックエンターテイメント」クリード 炎の宿敵 せぶんふぃんがさんの映画レビュー(感想・評価)
引き続き良質のブラックエンターテイメント
前作でスタローンのロッキーにブラックエンターテイメントという新しい枝葉を付け加えて大成功をした、ライアン・クルーガー監督からケイプル監督にバトンタッチして今作が作られたが、ブラックエンターテイメントの要素、ロッキー作品への並々ならない愛はそのまま受け継がれた良作へと仕上がっていた。
マイケル B ジョーダン、テッサ・トンプソンの2人が演じる若いカップルのストーリーは今回更に円熟味が増していて大きな見所であるが、やはり何と言ってもスタローンの老いと佇む静かな演技が心を打つ。スタローンのシーンに何度も涙を誘われた。
今回のストーリーの軸はロッキー映画の中でも群を抜いて濃厚大味なロッキー4からやって来たドラゴ親子との対決だったので正直前作から引き継いできたスタイリッシュな演出にどう影響してくるのかと心配したが、ドラゴ親子に静かな、かつ人間味のある血の通ったストーリーを持たせたことで違和感なくクリードの世界には入れ込んでいた。
ロッキーシリーズ毎回恒例のトレーニングシーンだが、今回のシーンは…。ロッキー4の空気感を意識したのか少し大げさファンタジー多めの大味なシーンで残念。
でも最後の対決も含むボクシングマッチのシーンは前回に引き続きとにかく大興奮。個人的には入場前のボクサーのバックショットメインのカメラワークが大好きなので今回もそこは楽しめた。
ラスト5分のシーンはロッキーシリーズから見ている方には涙無くして見れないはず。この後の展開を考えると少し怖いが次回作も期待したい。
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