愛がなんだのレビュー・感想・評価
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愛って愛おしい
ダメ人間のダメ恋愛を描いた作品は見ていてイライラうんざりさせられるが、何故か嫌いになれない。
『ピース オブ ケイク』『勝手にふるえてろ』…本作も然り。
作品も主人公もなかなかに共感や理解し難いのに、どうしてこうも惹き付けられるのだろう。
28歳OLのテルコは、出席した友人の友人の結婚式でマモルと知り合う。
以来、食事をしたり、一緒に過ごしたり、親密になる…。
一見フツーの男女の出会いと付き合い始めのように思えるが、この二人、恋人同士でもなければ正式に付き合ってもいない。
ある夜、熱を出したマモルから連絡を受けたテルコ。
すぐ駆け付け、食事やついでに掃除など甲斐甲斐しく世話する。
が、一通りの事を終えると途端に、「今日は帰ってくれないかな」。
マモルにとってはその程度。その都度その都度の“都合のいい女”。
テルコは“マモちゃん”と呼んでいるのに、マモルは他人行儀の“山田さん”。
しかしそれでも、テルコにとってはこの上ない幸せ。
マモルと出会って以来、テルコの中心は全てマモル。
寝ても覚めても何をしてる時も、考えてる事はマモルの事ばかり。
いつ連絡が来てもいいようスマホは手放せない。
それは仕事中も。
仕舞いには仕事にも支障をきたし、クビに。
親友からはドン引き&呆れ顔…。
悪口言われようとも、完全擁護。
何言われようともどーでもよく、“ゴーイング・マモちゃん・ウェイ”。
だって私には、マモちゃんが居るッッッ!
恋愛/男依存と言うより、マモちゃん依存。
振り向いてくれない男を一途に想い続ける女。
マモルが熱を出した時、マモルの家から遠い自宅に居たのにマモルの家から近い職場にまだ居ると言ったり、夜ご飯もう食べたのにまだ食べてないと言ったり、色んな所で相手に合わせる。
マモルのある言葉を勘違いして受け止め、将来の事まで先走り妄想。
果ては、マモちゃんの母親になりたい、兄弟姉妹になりたい、いとこでもいい、マモちゃんの傍に居られるなら…と、トンデモ発想。
他のダメ恋愛映画の主人公の例外に漏れる事なく、まあイタイ女…。
テルコは自分がダメ女だと自覚はしている感じ。
それを自覚しつつも、ズルズルとバカなくらいどっぷりマモルに依存。
そんなにマモルは魅力的なのかと言うと…。
こちらも典型的なダメ男。
何と言うか、母性本能をくすぐる甘え上手と言うか…。
本人にその自覚はナシ。優柔不断で、テルコとの関係など何も考えてないどころか何も思ってない感じ。
画に描いたような最低男だが、何故だか憎み切れない所アリ。
テルコもマモルも妙に生々しいくらい人間臭い。
ある事をきっかけに距離が縮まるテルコとマモル。
遂に彼女に…!?
が、また些細な事をきっかけに余所余所しくなる。と言うか、プッツリと連絡が途絶える。
マモルもマモルで勝手でドイヒー男だが、テルコもテルコで“重い女”。
とにかくテルコというのは、マモルに対して過剰に気を遣う。例えるなら、5周くらい先回り。
マモル曰く、「山田さんのそういう所、ちょっと苦手」。
マモちゃんにとって、私って何…?
マモちゃんの事をしっかり分かってると自惚れてる逆自意識過剰女…?
マモちゃんは好きだが、そんなマモちゃんが好きな自分が好きなイタイ重い女…?
ある時久々にマモルから連絡が来たと思ったら、マモルが今好意を抱いている女性を紹介される。
自分とは真逆の、ガサツで無神経な姉御肌。
マモちゃんが好きな事には変わりないが…、
このくすぶるモヤモヤ、惨めで、不器用で…。
もう何をどーしたらいいか、どう好きでいたらいいか、分からない…。
テルコ一人のダメ恋愛劇ではなく、テルコと関わる周囲のダメ恋愛群像劇でもある。
テルコの親友の葉子。彼女に想いを寄せる年下男、ナカハラくん。振り向いてくれない相手を一途に想い続け、どんなに都合よく扱われても、頭の片隅の存在でもいい…ナカハラくんはもう一人のテルコだ。テルコとナカハラくん、お互いの恋愛観を褒め称える訳ではないが、“ヤバいストーカー紛い同士”で何処か通じるものがある。
実はマモルも。マモルが好意を抱く相手、すみれ。すみれはマモルの事など全くタイプではなく、皮肉にもマモルは自分に想いを寄せているテルコと同じく、振り向いてくれない相手を一途に想い続けている。
ダメなのは、どっち? 誰?
自分?
相手が自分をダメにしている?
それとも、自分が相手をダメにしている…?
各々それぞれ報われず、痛々しく、素直になれず、本当の気持ちをひた隠し、寂しい思いを抱えている。
共感や理解も感情移入も出来ないかもしれないが、いつの間にか自分だったら?…と、誰かになっている。
岸井ゆきのを知ったのは本当につい最近。NHKのTVドラマ『少年寅次郎』で若きおばちゃんをチャーミングに演じ、初めて認識。(にしても、若き岸井おばちゃん、チャーミング過ぎ!)
本作で完璧に脳裏に焼き付けられた。
それくらいの滲み溢れる魅力と演技。
結構色々と映画/TVに出てるようだが、これからはもっともっとさらにさらに気になってしまうだろう。
優柔不断で不器用でダメ男なのに、憎めない。成田凌も巧いもんだ。『さよならくちびる』と本作と、連続印象ヒット。『カツベン!』も期待。
助演陣ではクールビューティーな深川麻衣や一途な若葉竜也も秀逸だが、江口のりこが好スパイス。
今日本映画界注目の若き才能、今泉力哉監督。
実は、作品を見るのはこれが初めて。
テルコがラップを歌ったり、幼い頃の自分が現れて自問自答したり、ユニークな演出。
一筋縄ではいかない恋愛をすくい上げ、その非凡な才能の洗礼を受けた。
また、同郷としても気になる監督。
そう、一筋縄ではいかない。
時には傷付いたり、寂しさを感じたり、痛々しかったり…。
本当に、愛ってなんだ?
愛って、ヘン。
愛って、イタイ。
愛って、分からない。
だからこそ、
愛って、不思議。
愛って、魅力的。
愛って、愛おしい。
最高の恋愛映画!恋愛ではないのか?
素晴らし過ぎた。
恋愛映画不動の一位は「ブルーバレンタイン」
なのだけど、並ぶくらいの衝撃。
始まりは苦手な人たちの嫌いな恋愛映画だなと、
気持ち悪っ!こいつらとは付き合いたくない。
と思って鼻で笑ってたのに、
最後は終わらないでくれ、
まだまだ君たちを観たい。
君たちと別れたくない。と思っていた。
みんな大好きになっていた。
原作は角田光代で、
なるほど女性じゃないと描けないよなと思ったけど、
監督は男性と言う事に驚き。
キャラクター全員を細部まで掘り下げて、
理解してるからこその
愛すべきキャラクターになったと思うし、
主人公や他の女性キャラをあそこまで描けるって
神業とすら感じる。
マモちゃんから離れたくないがための主人公の
鍋焼きうどんを食べながらの切り替えし、
そしてラストはミステリーのオチのようにも感じた。
台詞、行動、舞台背景、
全てにリアリティが感じられて愛おしい。
とにかく今、僕は仲原青に会いたい。
空っぽ
恋をしたら、絶対に絶対に味わう嬉しい感情や悲しい感情をどの役の人も上手く表現していて、私も忘れていた若き日の恋する感情を思いだしてしまいました。まもちゃんみたいな優柔不断なソフトな男性って、なんか知らないけどモテるんですよね!私も若い時だったら、好きになってたかもなあ。だけど、今観るとナチュラルに無邪気過ぎて、バカっぽくてちょっと苦手です。ふたりとも空っぽな感じを描いているのかな?男性の鈍感さや思いやりの無さが歳を重ねるとどんどん嫌いになるので、若いって相手から利用されても恋ができるから素晴らしいと思いました。こうなるのも、生物に生殖のプログラム、つまりホルモンに左右されているからなんだというのも40代になって気がつきました。何かに夢中になるとしても、男性にはなかなか夢中になれなくなってしまってますから。
テルコとマモルの距離感がいい
マモルのことが好きなテルコ。
都合のいい女扱いをされても、テルコは何も言わなかった。
マモルが好きな女性をテルコに紹介してきた。
その女性はテルコのことを気にいり、マモルはテルコを利用して女性と仲良くなりたかった。
そんなことをしているうちに、テルコの気持ちが変わってきてマモルのことが好きだったのかわからなくなっていったという内容だった。
テルコは、すごい人だなと思いました。
マモルのことのためなら、自分が壊れても気にしていなかったから。
テルコとマモルの距離感がいいなと思った。
友達以上、恋人未満ののような関係がいいなと思った。
岸井ゆきのさんが、かわいらしいなと思った。
(この映画は)好きじゃない。けど嫌いと切り捨ててれない。
予想はしてたけど、すべての登場人物に共感できず。好きじゃないタイプの人種ばかり。
ストーリーも受け入れがたい。
けど心はミリ単位でザワザワしました。
こんな人たち好きじゃないと思いながら……いや思い込もうとして見てる自分も、彼らと同じく視野が狭くなってるのかなとか。
恋愛は……いや人生は理論的なモノではないなぁ、と。
彼らの取る行動は理解/納得できない。
けどそういう衝動や囚われが起こるのはすごくわかる。
自分はとにかく田中守みたいな人間が苦手なんだろうなぁ。
思わずいい女(ウルフルズ)のAメロを歌いたくなる;
キャラ設定、ストーリーは好きじゃない。
反対に演出、カット、見せ方、間、音楽、衣装、暗さ、淡さ、サブカル感……はツボでした。
そこは良い。
好きじゃない。けど嫌いと切り捨ててれない……って感覚は最近他の映画であったなぁと思い返してたら『横道世之介』だ。
あれも好きじゃないけど嫌いになれない映画だった。
一見共感できないように見える人物が愛おしくなる、切なくてショッパイ群像劇
主人公はアラサーの会社員山田テルコ。大して親しくもない友人の結婚式二次会で声をかけられた守に何となく惹かれる。最初は手が綺麗な人程度の印象だったはずの守がテルコにとって何者にも代え難い存在となっていくが、守にとってテルコは友人以上恋人未満。ある夜をきっかけにテルコは守に急接近出来たと確信するがその日を境に守からの連絡は途絶え、テルコの生活が荒み始める。
ほぼ20年くらい前に観たブレット・イーストン・エリスの原作を映画化した『ルールズ・オブ・アトラクション』を思い出しました。登場人物の誰もが誰かに惹かれているがその想いがどれも一方通行で誰一人満たされない切なさがよく似ていますが、本作はさらにその先を見つめているかのような世界観。テルコと守、テルコの親友葉子と彼女にいいように振り回されている仲原、守が夢中になっている予備校の事務員すみれ、皆それぞれ自分勝手に振舞って自分のことは棚に上げてガンガンぶつかり合うが、それはそれぞれ他人との丁度いい距離が異なるからで、自分にとって居心地のいい場所に居座ることが相手にとって不快だったり、良かれと思ってやったことが鬱陶しかったり。そんなあるあるがぎっしり詰まっているのでその中でもがいている彼らの誰も嫌いになれず、皆愛おしく思えます。人には色んな面があるという当たり前のことをつぶさに見せて、一見共感出来ないように見える人物の心情もぐっと胸に染みる辺りは『スリー・ビルボード』にも似ています。
個人的には陽子に寄り添う仲原君がどこまでも透き通った瞳で言い放つ「幸せになりたいっすね!」と言う一言に胸を引き裂かれるような思いを感じて泣きました。かつての自分も彼と同じような思いで人と向き合っていた、忘却の彼方にあった記憶まで無造作に引きずり出されて大変迷惑でした。要するに傑作です。
貴方の中の「マモル」と決別するために観てほしい。
テルコもマモルも極端な性格だが、かなりリアルなキャラクターたちだ。
テルコほど日常生活に支障を来さずとも、何をしていてもその人のことが頭から離れないような恋。
マモルほど冷徹ではなくても、追いかけてくる相手を都合よく利用してしまう歪んだ心。
私の中にも、ほんの少しずつだがテルコとマモルが存在すると気が付かされる。
きっと他の人も少なからずそうなのだろう。
私の場合この2人には、ハタチ前後の頃の過去の恋愛を彷彿とさせられる。
テルコに対して多少のイライラがあるのは、青い頃の自分を見ているような情けなさもあるからか。
マモルのような男に盲目の恋をしている哀れな女性たちに心から言いたいこと。
「それは愛じゃない」
その男は貴方に愛など与えてくれない。
貴方が心から助けを必要とした時に、その男は貴方を「無条件」に救ってくれなどしない。
これは絶対と言ってもいい。
愛とは、相手のために無条件に自分が犠牲になれること。
しかしそれは決して一方通行なものではない。
両者がともに等しく相手を思いやることが出来なければ。
お互い様でなければ、そこに男女の愛など存在しないのだ。
過去の甘く苦い恋があってこそ、愛とはなんなのか気が付くことができるのだろう。
しかしテルコのような恋に苦しむ女性が今いるのだとしたら。
この映画を観て終わりのない恋に向かって自分を奮い立たせるのではなく、貴方の中のマモルと綺麗さっぱり決別するために観てほしいと心から感じる。
その男は貴方の足枷でしかない。
貴方に愛とはなんなのか教えてはくれない。
そしてなにより、貴方の深い愛を受けるに値する素敵な男性が、きっとこの世界のどこかにいるはずだから。
そのために。
ちょっとだけ今より幸せになるために、一度自分を客観視することのできる、丁度良い映画だと思う。
皆、自分の愛されたいように愛されたくて、自分の愛したいように愛したい。
例えば「恋」とか「愛」とか「幸せ」とかに、“統一的なルール”とか“普遍的な勝ち負け”の基準があるとしたら、主人公のテルコはえらく“負け”や“損”を強いられているように見える人である。
それでも全然懲りなくて負けや損を重ねるテルコに、最初は「イタい女のトホホな恋愛」に笑いながらも、次第にイライラしてきて、
「お前、ちょっとそこに正座して聞け。いいか、愛っていうのはだな・・・」
と説教のひとつもしたくなる観客の人もいるかもしれない。
でもね、
そういう“正しさらしきもの”を掲げる人に対して、「好きとか愛とか、なんだってんだ。うるせぇ、バーカ」って言っちゃってもいいんだよ、という映画。
だと僕には思えて面白かった。
「シンドイ恋愛あるある」的なエピソードをひとつひとつ、これはアリ・それはナシってワイワイ仕分けするのも楽しいかもしれない。あなたの隣の人が、この映画を観てどう感じたか、それをもって何かの発見があったりするかもしれない。
テルコ、マモル、スミレ、葉子、仲原。恋愛においての姿勢や志向はばらばらにバラエティに富んでいて、見ていて楽しいけれど、「皆、自分の愛されたいように愛されたくて、自分の愛したいように愛したい」ということに気がついて受け入れていくという意味では、気持ちがいいくらいベクトルが揃ってる。
一歩先を行ってるのは江口のりこ演じるスミレ。安藤サクラに似てることを絡めて何かボケようかと思ったけどやめておく(笑)。
自分の求める愛し方、愛され方に自覚がある感じの人。こういう人の周りには「自由な風」が吹いていて、一緒にいると楽しくて気持ちが良さそうなイメージがある。でも例えば別荘BBQに集合かけてみれば「案外人望がない」ところがちゃんと描かれているのはフェアでエライと思う。
スミレの自由さは、おそらく天然モノの自由さではない。「尽くしてくる男は、イザ付き合ってから“自分系”になる」っていうような、勝ち負け損得の認識をちゃんと持ってる。その上でそういうものを意識的に遠ざけることで獲得した自由さが彼女の選択であり魅力なんだけど、それゆえの寂しさとか虚しさみたいなものもちゃんと引き受けてる人だと思う。
成田凌演じるマモルをクズ野郎と思う人は多いのかな。スミレに雑に扱われる後半のワンコっぷりを見て、ザマァ!って思う人も多いのかな。
仲原の説を借りれば、「王様を残酷にしたのは、それに仕える家来なのだ」ということで、マモルをクズにしてるのはテルコであったり、反面スミレや葉子が女王様になってしまうのは、マモルや仲原の逆説的なエゴであるとも言えるのかもしれない。
でもマモルは王様のように愛されたかったわけでもないし、ワンコのように愛したかったわけでもない。恋愛の勝ち負け損得は別として、自分の求める愛し方愛され方という意味では結局いちばん人に振り回されていた登場人物だ。33歳になるまではガンバレ。自信のなさを克服できたら好転していくよ。
仲原と葉子の関係性は、テルコとマモルの関係性とのいい対比になってる。仲原はテルコに対して「似た犬同士」な意識を持っているけど、テルコは仲原に対して「真逆」だとすら思ってる。
仲原はとってもイイ奴だし、テルコに話した「王様と家来」の考え方もよくわかる。「幸せに、なりたいっすねぇ〜」っていうつぶやきは、叫びだってこともよくわかる。
本当に葉子のこと好きだったよね、心から葉子のためを考えたよね、むっちゃ頑張って諦めることを決めたよね。わかるぜ、今度飲みに行こう。何も悪くないし何も間違ってないよ、テルコに「うるせぇバーカ」なんて言われる筋合いもないよな。
でもさ、正しい答えが正解になるとは限らないのが恋愛っていうクイズだから。落ち込むことないよ、そのうち幸せになれるって。
じゃあ僕が女だったら仲原と付き合うか?っていったら付き合わないけどな(笑)。そういうもんさ。
観る前は、自意識的な何かを突きつけられて苦い気分や苦しい気持ちになるのかな?なんて思っていたけど、観てみたらむしろ痛快というか気持ちの良い映画だった。
今泉力哉という監督の作品は初めてで「こういう作家性の人なんだな」とか思うところがなかった分、物語に没頭できたような気がする。
「えー、カレシいないの?もったいなーい」とか「いいかげんそろそろ結婚したら?」とか「なんでウシダさん家庭があるのにいつまでもモテたがってるんですか?」とか「やっぱウシダさんってめんどくさいですね!」とか言われがちな人にオススメの映画(笑)。
☆☆☆★★★ サイコロを振り、出た目の表と裏を足すと必ず《7》にな...
☆☆☆★★★
サイコロを振り、出た目の表と裏を足すと必ず《7》になる。
原作読了済み。ちょっとだけの感想。
登場する男女の人物像は、それぞれ表裏一体として描かれて行く。
そんな原作は女性目線から描くダメンズ男女の生態。
ほとんど原作通りに進んで行くのだが。(過去の自分との対話等、映画オリジナルな場面も少し在る)映画自体は、監督が男性…と言うのも有ってか?時々男性目線から(当社比)見た、今どき男女の恋愛模様を活写している様にも見えた。
好きな人には好きな異性が存在し…とゆうのは、この監督の前作『パンとバスと2度目のハッコイ』でも描かれていて、その辺りでも興味深い作品と言える。
この監督の作品全てを観た訳では無いので。まだこの時点ではっきりとは断定出来ませんが…。
2019年5月12日 TOHOシネマズ府中/スクリーン4
よかった
岸井ゆきも成田凌もすごく魅力的なので、ドラマが展開していくにしたがって二人とも自己評価が低いことに驚いた。おそらく原作では不細工な男女なのではないだろうか。成田凌が年増の女性に好かれたくて小物っぽくなっているところが切なかった。別荘への旅行も切ないのは、僕もそんな経験があるし、僕が人を誘ったら同様の結果を招くので、パーティなどには極力行かないし、行ってもどうせつまらないに決まっているので顔を出してすぐ帰る。しかし、実際にスクリーンに映る彼らは美男美女で世間が放っておかないレベルだ。本当の不細工で魂をえぐるような表現で見てみたい。
映画館の音量が低くて、空調に成田凌のぼそぼそしたセリフがかき消されてよく聞き取れないところがいくつかあった。
愛がなんだってんだという叫び
片思いが重い愛であろうと、相手にウザがられていようとその場で全力投球できるテルコがとても愛おしい。
好きな人の好きな人ではなくて、好きな人は他の誰かを見ていて、それでもなお一緒にいたいと思えるような人と出会えることがそもそも幸せなことなのかもしれない。
岸井ゆきの、もともとすごく好きだったけど、今作でさらに好きになった。
好きな人のためにごはんを作りに行ったら帰りの電車賃がなくて歩いて帰るっていうのが、アラサーの重すぎる女としてものすごくリアルな情景だった。
自分に理由をつけて諦めようとしたナカハラも無駄にならずに済んでよかった。
ナカハラが求めてたのは多分、あの検索したら…っていうその行動だけでよかった。
今まで通りずっとそばにいたら、得られなかった結果。
原作と監督の意図が同じでこんなにもみずみずしい感性で描かれた映画は滅多に出会えることがない。
退屈せずに最後まで見られた映画だった。
みたいみたいみたいからみたらまだまだみたい
青春恋愛物は大好きだから
映画館に足運んだら98パーセント女性だった
これには吃驚したが
観てる間なかなか心地よい空気をたのしめました。
何度もみたくなる作品一つ。
【女の一念、岩をも通すか? 成年男女の心の機微を絶妙に描き出した作品。】
ー今作品は、”恋”という言葉を使うのも憚れる、一人の男を想う気持ちを貫く女性テルコの姿を普通の日常を描く中で、見事に表現している。ー
・テルコと田中マモル(彼女から一途に想われる男性)と関わる男女達が交わす会話の秀逸さ。
◆数々の場面設定の見事さ。
・テルコの親友の葉子を想う中原と葉子の母親(筒井真理子さん、先週主演作を観たばかりだったので嬉しい)とテルコの3人で過ごす大晦日の風景と3人の会話(葉子はいない)、そして母親が就寝した後、除夜の鐘が鳴る中のテルコと中原の会話。
・すみれ(マモルが恋するパンキッシュな女性)とテルコと中原とマモルという不思議な組み合わせの4人が湖畔の別荘で過ごす姿や交わす会話。
・中原が、別荘でのやりとりがきっかけで決断した事柄を激しく糾弾するテルコの姿とその後の放心した表情。
・マモルが30歳過ぎてからなりたいと言っていた職業について、淡々と仕事をするテルコの姿・・・。(このシーン、特に良い)
■4月公開でずっと気にはなっていたのだが、何となく見過ごしていた(良くある恋愛ものかなと・・)
が、地元のシネコンでセカンド(サード?)上映してくれたので、鑑賞。
予想を遥かに上回る秀作であった。
<勝手な先入観で作品を選んではいけないなあと反省しつつ、ぎりぎり劇場で観れたぞという満足感に浸りながら帰路についた。>
<2019年8月2日 会社から至近距離のミニシアターにて鑑賞>
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