愛がなんだのレビュー・感想・評価
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幸せになりたいっすね
好きが一方通行で報われない
好きって恋って愛って
切なくて悲しくて辛い
ただ好きな人が自分のこと好きで
隣で笑ってくれてたらそれだけでいいのに
周りはみんな当たり前みたいに
そんなふうにして恋人だ夫婦だしてるのに
ってため息つくような人にぴったり
作り込み過ぎてない
実際に自分に身近に起こりうる
関係性やシチュエーション、
だけど
男に夢中になり過ぎて仕事クビになったり、
理由聞かされず呼び出された挙句
家から追い出されたり、
盛るところ盛って現実の平均より
エグい部分があることで
まだ救われる、、ってなれるシーンがあったり、
結末が分かりきらない感じだったり、
すごく良かった
人のセックスを笑うな
クワイエットルームにようこそ
が刺さる人には刺さるんじゃないかな
すみれさんがマモちゃん無理なとこ、
テルちゃん気に入ってるとこ、
大した仕事してないだらだらなとこ、
友達多いようでBBQばっくれられるとこ、
嫌なやつてわも
デキすぎてる感じでないのがよかった
ナカハラいい奴
王様と家臣の話、よかった
ナカハラには幸せになってほしい
マモちゃんの
どうでもいい子への雑な扱いと
その場その場の感情で出てくる優しさ
好きな人には尽くす感じ、
描き方は極端だけど
人間らしさが詰まってた。
「それは好きだから、とかじゃないの?」
って言われたときのこと
記憶から抹消されてる感じが
まじでエグすぎてすごいしんどかったな。
もう少し仲良しでいちゃいちゃで
好きでいてくれてるんだよね?って
思える感じのシーンがあったら
尚良かった。
最終的な感想は、でもやっぱつらい。
また観たい。
早くVODでいつでも観られるようになってほしい。
買うほどではないけど、
また観たいなって思える作品。
語りたくなる作品
観終わった後、友達とか恋人とか他人とでも語れる映画はいい作品だ。
まさにこの作品。
自分は男だけど葉子みたいなタイプ。めっちゃわかる。モラルはあるけど人に熱くなれない、楽な関係が好きだけど情も少しあるみたいなw
テレビドラマでは作りえないまさに映画はこうでなきゃ。
ジワる
すごいインパクトのある映画というわけではない。なのにボディーブローのようにじわじわくる。
それがミニシアター系から徐々に火がついてきた理由なのだろう。
人を愛することに不器用な人たちが織りなす恋愛の駆け引きが何とも切なくもどかしく、でもどこか愛くるしい不思議な作品。
そして細かな言葉がいちいちニクく、「愛ってなんだ」ではなく「愛がなんだ」ってのがまたいい。
テルコとナカハラのコンビニの前でのシーンはとても印象的で心に染みた。
今泉力哉監督のこれからの作品が楽しみになる。
恋愛依存症
かっこよくないはずのマモちゃんを、かっこいい成田凌が演じることに多少違和感がありましたが、原作ファンとしても大変楽しめました。
岸井ゆきのさんがテルコにぴったりハマっていて、とても可愛かったです。
多くの女性がテルコに共感するようですが、マモちゃんにだって言い分はあると思います。
女同士で見た後にワイワイ感想を交わしたくなる映画ですね。
男性にはおもしろくないかも?
今泉監督の映画は初見ですが、他の映画も見てみようと思いました。
オリジナルのラストシーンがかわいかったです。
愛ってなんだ
最後までスッキリと解決するような展開はなく、でも現実ってそんなもんだよなとリアルティを感じさせました。
テルコのうどんのシーンやラストシーンは、なんと言うか女性の強さのようなものを感じました。中原くんの選択との対比がそれを余計に強く感じさせました。
テルコのそれからには色々なことがあるだろうけど、どうか幸せになってほしいと思いました。マモルはもう少し反省してください。
岸井ゆきのさん目当てで観ました。演技の良さももちろんですが、恋する岸井さんがたまらなく可愛かったです笑。今後の活躍も期待しています!
三十路手前の男が観た
女の子が生き方見つける系映画が好きな三十路手前の独身男性がずっと気になっていたところ、ようやくレンタルで観た。
恋愛経験平均未満なもので、残念ながらそこら辺どうこういえないのですが、好きな感じの映画でした。
俳優陣の演技がよかったというのはあるかもしれない。
ちなみに、これと同時にSICKSのDVD借りてきてて、そっちから観たので、岸井ゆきのさんの好感度がめちゃくちゃ高いのもある。
中原っち!!!
えーもちろん成田凌くん目的で観ましたとも。
しかし、中原っちを演じられた、若葉竜也くんに
持っていかれた!!
今まで全くのノーマークでした!!!
(何やってんだ私!)
誰でも守に、中原に、なりうる
恋愛という非常事態を丁寧に描いている映画ですね。
好きです。
幸せになりたいっすね
結局、愛ってなんだ?
テルちゃんみたいに、尽くして壊されても、なおしがみつくこと?
中原くんみたいに、相手を想うが故に都合のいい人間になること?
マモちゃんみたいに、自分勝手に人を思うこと?
葉子ちゃんみたいに、何をしても大丈夫、と安心して甘え続けていること?
スミレさんみたいに、尽くされることで感じるもの?
とにかくイタイ女のテルちゃんと、
絶対やめとけよ!なダメンズのマモちゃんを
嫌にならずに、最後には愛おしさまで感じてしまうのは、今泉マジック。
ゆったり淡々と描かれる日常と会話劇、
そうだよねー分かる分かる、といいたくなる細かい描写、
突然現れる非現実な世界の中の住人に、いつのまにか自分もなっている。
ストーリーは、主人公達の生活の一部を切り取っただけで、その後も彼らの人生は続いていくから、その先のことは観るものに任されるんだよね。
若かりし頃、誰もが経験した、あまり思い出したくない、アイタタな恋愛の想い出が、シクシク疼いてしまう場面ばっかりなんだけど、中原くんの存在で、救われる。
「幸せになりたいっすね」
そう思いながら、今日も人は誰かを愛し生きている。
追記:都内再上映が決まった!
アイネクライネナハトムジーク同様、息の長い作品になったのは、今泉監督作ならではだろう。
正直、VODでは見切れなかった場面が多々ある。
もう一度、劇場で観て、またレビューし直したい。
一方通行な愛
愛って何かなぁ…
一方通行なのは愛じゃないよね
みんな、それぞれが弱い部分あって、誰かを頼りたくなったり、甘えたくなったり、でもそれが一方的なものだったら、気持ちの押し付けにしかならないし。
本当な大好きな人にはどうしても気を遣いすぎて、その人に合わせ過ぎで、何でも言う事を聞きがちなんだけど、テルコもナカハラくんそれが度を越してしまってる。仕事よりマモちゃん優先って…
テルコはマモちゃんになりたい、兄弟でも従兄弟でもいいって、好き過ぎて、もうその人と同化したいっていうか、進化系がもうその人になりたいっていう、この究極な好きの塊。
それって、異常なわけじゃなくて、本当に死ぬほど好きって気持ちが溢れ過ぎてると、そんな事を漠然と思っちゃうことってあるなって思う。
ナカハラくんはもうそれが限界になっちゃって、好きなんだけどそばにいることを自分からやめたんだね。写真の個展に葉子さんが不意に来てくれた時のナカハラくんの表情、ちょっと恥ずかしそうで、でも本当に嬉しそうだった。
テルコは最後に今までで1番の強がりと勇気を出したと思う。ナカハラくんとは反対で、マモちゃんは好きな人がいるけど、それでも側にいたい、会えなくなるのはムリって、自分の気持ちを封印したのね。
でもさ、テルコのとこにきっと、マモちゃんが落ち着くことはないんだ、大好きな人にやらせてとは絶対言えないから。
だから、テルコも新しい道歩き出した方がいいんじゃないかなと思った。でもさ、自分が発した言葉や言動で、誰かの心が少しでも変化するってことってやっぱり嬉しいよね。
愛って愛おしい
ダメ人間のダメ恋愛を描いた作品は見ていてイライラうんざりさせられるが、何故か嫌いになれない。
『ピース オブ ケイク』『勝手にふるえてろ』…本作も然り。
作品も主人公もなかなかに共感や理解し難いのに、どうしてこうも惹き付けられるのだろう。
28歳OLのテルコは、出席した友人の友人の結婚式でマモルと知り合う。
以来、食事をしたり、一緒に過ごしたり、親密になる…。
一見フツーの男女の出会いと付き合い始めのように思えるが、この二人、恋人同士でもなければ正式に付き合ってもいない。
ある夜、熱を出したマモルから連絡を受けたテルコ。
すぐ駆け付け、食事やついでに掃除など甲斐甲斐しく世話する。
が、一通りの事を終えると途端に、「今日は帰ってくれないかな」。
マモルにとってはその程度。その都度その都度の“都合のいい女”。
テルコは“マモちゃん”と呼んでいるのに、マモルは他人行儀の“山田さん”。
しかしそれでも、テルコにとってはこの上ない幸せ。
マモルと出会って以来、テルコの中心は全てマモル。
寝ても覚めても何をしてる時も、考えてる事はマモルの事ばかり。
いつ連絡が来てもいいようスマホは手放せない。
それは仕事中も。
仕舞いには仕事にも支障をきたし、クビに。
親友からはドン引き&呆れ顔…。
悪口言われようとも、完全擁護。
何言われようともどーでもよく、“ゴーイング・マモちゃん・ウェイ”。
だって私には、マモちゃんが居るッッッ!
恋愛/男依存と言うより、マモちゃん依存。
振り向いてくれない男を一途に想い続ける女。
マモルが熱を出した時、マモルの家から遠い自宅に居たのにマモルの家から近い職場にまだ居ると言ったり、夜ご飯もう食べたのにまだ食べてないと言ったり、色んな所で相手に合わせる。
マモルのある言葉を勘違いして受け止め、将来の事まで先走り妄想。
果ては、マモちゃんの母親になりたい、兄弟姉妹になりたい、いとこでもいい、マモちゃんの傍に居られるなら…と、トンデモ発想。
他のダメ恋愛映画の主人公の例外に漏れる事なく、まあイタイ女…。
テルコは自分がダメ女だと自覚はしている感じ。
それを自覚しつつも、ズルズルとバカなくらいどっぷりマモルに依存。
そんなにマモルは魅力的なのかと言うと…。
こちらも典型的なダメ男。
何と言うか、母性本能をくすぐる甘え上手と言うか…。
本人にその自覚はナシ。優柔不断で、テルコとの関係など何も考えてないどころか何も思ってない感じ。
画に描いたような最低男だが、何故だか憎み切れない所アリ。
テルコもマモルも妙に生々しいくらい人間臭い。
ある事をきっかけに距離が縮まるテルコとマモル。
遂に彼女に…!?
が、また些細な事をきっかけに余所余所しくなる。と言うか、プッツリと連絡が途絶える。
マモルもマモルで勝手でドイヒー男だが、テルコもテルコで“重い女”。
とにかくテルコというのは、マモルに対して過剰に気を遣う。例えるなら、5周くらい先回り。
マモル曰く、「山田さんのそういう所、ちょっと苦手」。
マモちゃんにとって、私って何…?
マモちゃんの事をしっかり分かってると自惚れてる逆自意識過剰女…?
マモちゃんは好きだが、そんなマモちゃんが好きな自分が好きなイタイ重い女…?
ある時久々にマモルから連絡が来たと思ったら、マモルが今好意を抱いている女性を紹介される。
自分とは真逆の、ガサツで無神経な姉御肌。
マモちゃんが好きな事には変わりないが…、
このくすぶるモヤモヤ、惨めで、不器用で…。
もう何をどーしたらいいか、どう好きでいたらいいか、分からない…。
テルコ一人のダメ恋愛劇ではなく、テルコと関わる周囲のダメ恋愛群像劇でもある。
テルコの親友の葉子。彼女に想いを寄せる年下男、ナカハラくん。振り向いてくれない相手を一途に想い続け、どんなに都合よく扱われても、頭の片隅の存在でもいい…ナカハラくんはもう一人のテルコだ。テルコとナカハラくん、お互いの恋愛観を褒め称える訳ではないが、“ヤバいストーカー紛い同士”で何処か通じるものがある。
実はマモルも。マモルが好意を抱く相手、すみれ。すみれはマモルの事など全くタイプではなく、皮肉にもマモルは自分に想いを寄せているテルコと同じく、振り向いてくれない相手を一途に想い続けている。
ダメなのは、どっち? 誰?
自分?
相手が自分をダメにしている?
それとも、自分が相手をダメにしている…?
各々それぞれ報われず、痛々しく、素直になれず、本当の気持ちをひた隠し、寂しい思いを抱えている。
共感や理解も感情移入も出来ないかもしれないが、いつの間にか自分だったら?…と、誰かになっている。
岸井ゆきのを知ったのは本当につい最近。NHKのTVドラマ『少年寅次郎』で若きおばちゃんをチャーミングに演じ、初めて認識。(にしても、若き岸井おばちゃん、チャーミング過ぎ!)
本作で完璧に脳裏に焼き付けられた。
それくらいの滲み溢れる魅力と演技。
結構色々と映画/TVに出てるようだが、これからはもっともっとさらにさらに気になってしまうだろう。
優柔不断で不器用でダメ男なのに、憎めない。成田凌も巧いもんだ。『さよならくちびる』と本作と、連続印象ヒット。『カツベン!』も期待。
助演陣ではクールビューティーな深川麻衣や一途な若葉竜也も秀逸だが、江口のりこが好スパイス。
今日本映画界注目の若き才能、今泉力哉監督。
実は、作品を見るのはこれが初めて。
テルコがラップを歌ったり、幼い頃の自分が現れて自問自答したり、ユニークな演出。
一筋縄ではいかない恋愛をすくい上げ、その非凡な才能の洗礼を受けた。
また、同郷としても気になる監督。
そう、一筋縄ではいかない。
時には傷付いたり、寂しさを感じたり、痛々しかったり…。
本当に、愛ってなんだ?
愛って、ヘン。
愛って、イタイ。
愛って、分からない。
だからこそ、
愛って、不思議。
愛って、魅力的。
愛って、愛おしい。
最高の恋愛映画!恋愛ではないのか?
素晴らし過ぎた。
恋愛映画不動の一位は「ブルーバレンタイン」
なのだけど、並ぶくらいの衝撃。
始まりは苦手な人たちの嫌いな恋愛映画だなと、
気持ち悪っ!こいつらとは付き合いたくない。
と思って鼻で笑ってたのに、
最後は終わらないでくれ、
まだまだ君たちを観たい。
君たちと別れたくない。と思っていた。
みんな大好きになっていた。
原作は角田光代で、
なるほど女性じゃないと描けないよなと思ったけど、
監督は男性と言う事に驚き。
キャラクター全員を細部まで掘り下げて、
理解してるからこその
愛すべきキャラクターになったと思うし、
主人公や他の女性キャラをあそこまで描けるって
神業とすら感じる。
マモちゃんから離れたくないがための主人公の
鍋焼きうどんを食べながらの切り替えし、
そしてラストはミステリーのオチのようにも感じた。
台詞、行動、舞台背景、
全てにリアリティが感じられて愛おしい。
とにかく今、僕は仲原青に会いたい。
空っぽ
恋をしたら、絶対に絶対に味わう嬉しい感情や悲しい感情をどの役の人も上手く表現していて、私も忘れていた若き日の恋する感情を思いだしてしまいました。まもちゃんみたいな優柔不断なソフトな男性って、なんか知らないけどモテるんですよね!私も若い時だったら、好きになってたかもなあ。だけど、今観るとナチュラルに無邪気過ぎて、バカっぽくてちょっと苦手です。ふたりとも空っぽな感じを描いているのかな?男性の鈍感さや思いやりの無さが歳を重ねるとどんどん嫌いになるので、若いって相手から利用されても恋ができるから素晴らしいと思いました。こうなるのも、生物に生殖のプログラム、つまりホルモンに左右されているからなんだというのも40代になって気がつきました。何かに夢中になるとしても、男性にはなかなか夢中になれなくなってしまってますから。
テルコとマモルの距離感がいい
マモルのことが好きなテルコ。
都合のいい女扱いをされても、テルコは何も言わなかった。
マモルが好きな女性をテルコに紹介してきた。
その女性はテルコのことを気にいり、マモルはテルコを利用して女性と仲良くなりたかった。
そんなことをしているうちに、テルコの気持ちが変わってきてマモルのことが好きだったのかわからなくなっていったという内容だった。
テルコは、すごい人だなと思いました。
マモルのことのためなら、自分が壊れても気にしていなかったから。
テルコとマモルの距離感がいいなと思った。
友達以上、恋人未満ののような関係がいいなと思った。
岸井ゆきのさんが、かわいらしいなと思った。
(この映画は)好きじゃない。けど嫌いと切り捨ててれない。
予想はしてたけど、すべての登場人物に共感できず。好きじゃないタイプの人種ばかり。
ストーリーも受け入れがたい。
けど心はミリ単位でザワザワしました。
こんな人たち好きじゃないと思いながら……いや思い込もうとして見てる自分も、彼らと同じく視野が狭くなってるのかなとか。
恋愛は……いや人生は理論的なモノではないなぁ、と。
彼らの取る行動は理解/納得できない。
けどそういう衝動や囚われが起こるのはすごくわかる。
自分はとにかく田中守みたいな人間が苦手なんだろうなぁ。
思わずいい女(ウルフルズ)のAメロを歌いたくなる;
キャラ設定、ストーリーは好きじゃない。
反対に演出、カット、見せ方、間、音楽、衣装、暗さ、淡さ、サブカル感……はツボでした。
そこは良い。
好きじゃない。けど嫌いと切り捨ててれない……って感覚は最近他の映画であったなぁと思い返してたら『横道世之介』だ。
あれも好きじゃないけど嫌いになれない映画だった。
一見共感できないように見える人物が愛おしくなる、切なくてショッパイ群像劇
主人公はアラサーの会社員山田テルコ。大して親しくもない友人の結婚式二次会で声をかけられた守に何となく惹かれる。最初は手が綺麗な人程度の印象だったはずの守がテルコにとって何者にも代え難い存在となっていくが、守にとってテルコは友人以上恋人未満。ある夜をきっかけにテルコは守に急接近出来たと確信するがその日を境に守からの連絡は途絶え、テルコの生活が荒み始める。
ほぼ20年くらい前に観たブレット・イーストン・エリスの原作を映画化した『ルールズ・オブ・アトラクション』を思い出しました。登場人物の誰もが誰かに惹かれているがその想いがどれも一方通行で誰一人満たされない切なさがよく似ていますが、本作はさらにその先を見つめているかのような世界観。テルコと守、テルコの親友葉子と彼女にいいように振り回されている仲原、守が夢中になっている予備校の事務員すみれ、皆それぞれ自分勝手に振舞って自分のことは棚に上げてガンガンぶつかり合うが、それはそれぞれ他人との丁度いい距離が異なるからで、自分にとって居心地のいい場所に居座ることが相手にとって不快だったり、良かれと思ってやったことが鬱陶しかったり。そんなあるあるがぎっしり詰まっているのでその中でもがいている彼らの誰も嫌いになれず、皆愛おしく思えます。人には色んな面があるという当たり前のことをつぶさに見せて、一見共感出来ないように見える人物の心情もぐっと胸に染みる辺りは『スリー・ビルボード』にも似ています。
個人的には陽子に寄り添う仲原君がどこまでも透き通った瞳で言い放つ「幸せになりたいっすね!」と言う一言に胸を引き裂かれるような思いを感じて泣きました。かつての自分も彼と同じような思いで人と向き合っていた、忘却の彼方にあった記憶まで無造作に引きずり出されて大変迷惑でした。要するに傑作です。
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