「「想像」の強さと怖さ」THE GUILTY ギルティ(2018) にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
「想像」の強さと怖さ
デンマークの映画だそうです。
あまり馴染のない国の映画を見る楽しさは、
「パターン」にハマってないところですね。
出演しているのは、1人の俳優と多数の声。だけ。
それがここまで臨場感と緊張感を生み、
そしてここまで想像力を掻き立てられるのか!
と、驚きが隠せない映画でした。
主役のアスガーは、何かしらの出来事があって
いま、この業務についているらしい。
つまり、緊急電話の応対には不慣れってこと。
慣れない状況で、初めて聞く電話の声だけで
判断しなくてはならない。
これって、このアスガーもそうだが、
見ているこちら側も状況は同じってことだよね。
それがこの映画の臨場感の要因。
否応なしにアスガーと同じ気持ちで聞いている感じ。
なんだよ!そんな電話かけてくんなよ!自業自得だろ!とか、
今別件で忙しいんだから、後にしてくれよ!とかね。
本来警察は(日本の場合は、だが。)事件に対して
丁寧に一つひとつ調べて証拠を積み重ねて、
真相にたどり着くもの。
それを、短時間で、音情報だけを頼りに
判断しなくてはならない。
当然ミスリードも発生する。
そうならないように、指令所ってのが別にあって、
電話交換手は判断せずに、聞いた情報だけを
指令室に送る仕事。
しかし、現場捜査官のアスガーは、黙っていられない。
首を突っ込まずにいられない。
勝手に指示を出さずにはいられない。
そんな暴走する使命感と、
止めようとする自制心が
見ている観客にも同時に働いてしまう。
見事な演出。
もし、そのせいで大事故につながっていたとしたら、
それはアスガーの自業自得。
ほんとうは現場で働きたいのに、
ここで勤務しているのは自業自得。
明日、嘘の証言しようとしているのは・・・。