「クイーンこそボヘミアンだ!」ボヘミアン・ラプソディ xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
クイーンこそボヘミアンだ!
ボヘミアン・ラブソディ
ボヘミアンとはジプシーのこと。
いうまでもないクイーンの代表曲だ。
これまでにないようなドラマチックで、大げさで、多国籍的な曲。
完全にロックの枠をはみ出している。
これは現実か?幻か?
から始まるこの曲、得意のクイーン独特のハーモニーが美しい。
そして「ママー、ウウウ〜」
フレディのもの哀しい独唱、極め付けのスローバラード。
そこから幻想的な展開が始まるのだ。
そう、イタリアのオペラチックな流れというのか
特にガリレオ、ガリレオと叫ぶ独特のハーモニー
フレディのハイトーンの上をいくロジャーのファルセット。
忘れられない名場面といっていいだろう。
天国に行ってもいいですか?いや、ダメだ。
天国に行ってもいいですか?いや、ダメだ。
という神との問答、悪魔との問答、自問自答がドラマチックに表現される。
次は思っ切りロックテイストのパートに
そして、誰のものでもないブライアン・メイのギターが宙に彷徨う。
こんな言葉で静かに終える
「どうせ、どこかで、風は吹いているのだから」
こんな大仰な曲はあったろうか?
デビュー当時の頃、クイーンはションベン桶といわれていた。
こんな仕掛けの多い必要があるのか。
自分を問うなら、もっと内省的な音であるべきなのでは?
など、いろんな声が聞こえていた。
僕もそんな意見に共感したり、でも、そのドラマチックさに心惹かれたり、
まさしく、ボヘミアンなのだ。自由気まま、住む場所がないジプシー。
だから、今でもクイーン?っと否定的に捉えられたりする。
それでいいのではと思う。
この映画は、クイーンのというか、バンドのある側面を見事に捉えていたと思う。
単独でやっていたフレディが、ライブエイドに出たいとメンバーに言った言葉「バックバンドとやってみたが、全然ダメだった。
彼らは言われた通り演奏するだけ。刺激がないんだ。高みに持って行こうという気がないんだ。」
最後にこの映画の主人公たち。
フレディにしても、ブライアンにしても、ロジャーにしても、ジョンにしても、この映画の俳優よりも20%増でいい男である。なんというか深みがあるってことを書いておきたい。