ソローキンの見た桜のレビュー・感想・評価
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日露に架ける橋 となる映画
日露戦争の真っ只中に、松山の地にロシア兵捕虜6000人が塀のない捕虜生活を送り、市民と自由に交流してたなんて始めて知りました。
不幸にして亡くなられたロシア人のお墓を現在も松山の方が維持に努められていることに感銘を受けました。
この事実を映画を通して知って欲しいなぁ。
日本人の良心っていいですね。
いい話だけど演出が残念
とてもいい話。
ラブストーリーとしては、惹かれる2人と、いろいろ障害があるという、ある意味在り来りの話だけど。史実を元にした物語ということで、どこまで史実か分からないけど、史実という前提で考えると、戦争と捕虜の話で、日本がここまで捕虜を大切にしていたなら、日本人として誇りに思う。その後のシベリア拘留を思うと、怒りと誇りと複雑な感情になる。
戦時中の日本人は悪く書かれることが多いので、そういう意味でもとてもいい話。
ただ、、、、演出がどうしようもない。
スパイは誰?とか、なんで?という前振りがあったあとに、あっさりと答えを教えてくれる。
なんなら、物語のエンデングをオープニングでネタバレしてる感じ。
うーん、もっと練られた脚本と演出なら、と思ってしまう。
あと、大切なささやきの台詞が音楽被って聞こえない。
阿部さんは綺麗だけど、複雑な感情が洗わせていない感じがした。そんな簡単に好きになるかね?と思ってしまう。これは、演技か問題なのか、演出が問題なのか分かりません。
いい話なのにー。残念。
ピュアな恋
松山人は凄い!
松山に行ってみたくなる作品です。
どれくらい史実に基づいているのか?謎ですが…
ソローキンとゆいが、人種や言葉、捕虜と看護婦という立場などの全てを越えてただ、人としてピュアに恋に落ちたのは真実なのでしょう。素敵です。
色々な困難を乗り越えて二人でロシアに行くのか?と期待したのですが、叶わず…でも、叶わなかったが為に、ゆいの子孫が松山に存在している。
ゆいの全てを受け入れた旦那さんや家族は懐が深いなぁ。
イッセイ尾形さんのコミカルな演技やコニャックのくだり、あと、正露丸をロシア兵に飲ませたり。所々でクスリと笑えるし。楽しめました。
少しだけ残念だったのは、阿部純子さんの一人二役が演じ切れてなかった気がします。同じ人に見えてしまって…今後に期待します。
それと、上映してる映画館か少ないのですね(T_T)こうゆう映画こそ多くの人に観てもらいたいです。
正露丸はもともとロシアを征伐するための薬として名付けられた(征露丸)
松山城や捕虜収容所跡地にも行ってみたくなる作品でした。いや、もしかすると山城に登るのがしんどくて、道後温泉に浸かってるだけかもしれませんが・・・
日露戦争時代のロミオとジュリエットなどというキャッチコピーに釣られてしまった感があるのですが、桜が散るかのごとく美しくも儚い恋物語でした。蝋燭屋の娘ゆい(阿部)が捕虜収容所に収監された将校ソローキンに恋をするが、父親(六平直政)が商売立て直しのために銀行家との結婚をほぼ決めていたのだった。現代のように自由が利かない家父長制の下では父権は絶対的。多少は甘く描かれてましたが、それ以外にも郵便物の検閲など息苦しい明治時代。とにかく、本人の意思だけでは結婚できないのです。
日本は欧米の社会から学ぼうと必死になってる面もあり、ハーグ条約の遵守を意識し、ロシア兵捕虜たちに対しては親身になり、手厚い看護も施していた。特にロシア将校たちは寺でのんびり酒を飲みながら過ごすなど、かなり自由でのどかな雰囲気。ただし、そんな中でもロシア側のスパイ、日本側のスパイなどが暗躍もしていた。20世紀初頭はロシア国内ではロシア第一革命のさなか、民衆は武器を買うための資金もなく、ソローキンはその市民革命を無血でやり遂げようと考えていたのだ。そんな帝国主義の歴史が大きく動いた背景もかいまみることが出来る。
もしかしたら毒殺を装ってロシアに帰るのか?などと想像していたのに、大きく予想を覆されました。兄貴もなかなかやるな~と思っていたら、実は裏があったり、ゆいちゃんは頑張っていたんですね。こうした彼女の初恋を貫く姿も感動的ではあったのですが、後日談が語られると、さらに泣けてくる。結婚相手となる銀行家の寛大さ、また、ソローキンがゆいの手紙を目にすることはなかった悲しい事実。そして、タイトルの意味する「桜」とは?と考えだすと奥が深いことに気づきます。
イッセー尾形の演技ももちろん良かったのですが、演技よりもこの映画を選んだ斎藤工。今年は斎藤工の年だという気さえします。ただ、この映画の残念なところは、何か所かで音楽がブツ切れ状態になるため、編集ミスなのではないかと思えたり、4K時代なのに映像が綺麗じゃなかったりするところ。これも桜のはかなさを意味するんでしょうか・・・
美しくせつない、温かい物語
なかなか見ごたえがあった
サクラハトテモウツクシカッタ
ほぼ史実なのでしょうか
心の中に咲く桜
こうした戦火の中にあっても優しさや愛は育まれる。
3ヶ国語で進むストーリーは、役者の表情をアップで大切に撮って、言葉だけでは分かりにくいであろう部分を補完し、更に見る側の感動も誘っているように思えた。
特に、ゆいの表情は強く、そして、その中にあっても、優しさや、当時の女性としての心の揺らぎも、よく垣間見らるため、切なさが増す。
日露戦争のさなかの物語であることもあって、明るさを抑え気味にした映像なのだと思うが、逆に演者の表情が際立ったと思う。
こうした物語はいつも切ない。
それぞれ母国を思う気持ちは異なっても、家族、そして、愛する人を思う気持ちに差はないはずだ。
きっと、ソローキンの心の中に咲いた桜は、どんな桜よりも綺麗に咲き誇っていたはずだ。
そして、散ることもなかったのではないだろうか。
日本に残ったゆいのメッセージが直接、ソローキンの元に届くことはなかった。
手紙を書くのをやめにしようと決意した時のゆいの表情も印象的だ。
死を感じたのだろうか。
それとも、生きて元気にやっているのだと信じていたのだろうか。
しかし、そうした諸々の思いは、やがて時代も、時代の大きな変化も、世代も、国も超えて、桜子や祖母や、他の皆のところに届く。
世界でも、日本でも、これ以上、世の中の分断が進まないように願うばかりだ。
【阿部純子さんの美しさに見惚れる作品。明治時代の日本人の清廉さもしっかりと描かれている作品である。】
満開の桜待たれるこの時期にお勧めの映画
せつない…。
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