RBG 最強の85才のレビュー・感想・評価
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女性たちは何と戦わなくてはならなかったか?
自分も含めて、差別の問題というのは日常に織り込まれ過ぎていて、よほど意識的にならないと気づかないことがわんさかある。男女の格差問題もそのひとつで、「完全な平等」というものは存在しないとしても、どこに理不尽が存在しているのかを慣習から切り離して気付くためには、ルース・ギンズバーグのような人が必要だったのだなと改めて知らされるドキュメンタリーだ。
本来、スポットライトを浴びてもてはやされるような人ではなかった彼女が、自分のやるべきことを追及した結果、ポップアイコンになっていく。その数奇さな成り行きも興味深いのだが、差別との戦い、何に立ち向かい、何に怒りを感じるべきかなど、誰もが知るべき差別問題のABCを教えてくれる入口になってくれることも、この作品が作られた大きな意義だと思う。
シャイな彼女がポップアイコンになるまで
力強い反対演説がウケて、ポップアイコンとなったギンズバーグだが、実はかなり控えめな性格の人だ。この映画は彼女のシャイな部分がよく見える。しかし、芯はとても強い人であることもわかる。彼女は元々は中道左派の立場なのだと思うが、最高裁判事の構成が右に偏るにつれて、対抗するために発言が力強くなっていった。そうして気がつけばポップアイコンとなっていたわけだが、その過程はアメリカ社会が中道派を失い、両極化してゆく過程とも重なる。
男女同権を訴え続け、男性に不利な法律があれば、それすらも是正のために戦う彼女こそ真のフェミニストと言える。そして彼女の憲法遵守の姿勢をしっかり本作は描いている。「ブッシュVSゴア」のフロリダ選挙の再集計の裁判での彼女の行動は見事なものだった。あの時、ギンズバーグは表面的な思想ではなく、国を支える理念を守ったのだ。
「特別扱いはいらない、踏みつけている足をどけるだけでいい」この言葉が彼女の理念を見事に表わしていた。
すごい85歳です。
アメリカの最高裁判事だったルース・ベーダー・ギンズバーグ(RBG)のドキュメンタリー。
名前だけは知ってたけど、詳しく知らなかったので、彼女を知る最初の教材としては最適だった。
女性の権利向上、そして男女平等な権利のために尽くした人。
敬意を表するしかない。
しかし、パワフルな85歳。
日本の80代の枯れ切って理念も何も無くしている政治家どもと比較して、彼女の崇高さは本当に胸を打つ。
惜しくも昨年2020年に亡くなられてしまった。
そして、彼女が生前懸念していた通り、トランプは大統領選を待つことなく、保守派のコーニー・バレッドを最高裁判事に任命した。彼女の功績を明らかに踏みにじる行為だ。
トランプはようやく大統領を辞めたが、最高裁判事は終身職なのでまだ50歳にもなっていないコーニー・バレッドは30〜40年は影響を与えてしまう。これは、保守とリベラルの戦いという単純な話ではないと感じる。アメリカ建国の理念をどう考えるか、という話だと思う。
私はアメリカ人ではないが、彼女のような人は尊敬する。
若い人に人気があったのもよくわかる。
そして、若者が最高裁判事の顔も名前も当たり前のように知っている、というアメリカの状況は羨ましく思う。
日本との比較はここでは避ける。虚しさしか感じないので。。。
良いドキュメンタリーでした。
RBGのおかげで今の私がある
よその国の話で私には関係のない話だとは思えなかった。過去に様々な壁を乗り越えてきた多くの女性のおかげで、今の私があるんだと思えました。過去にあった多くの差別を感じていないのは、RBGをはじめとする多くの女性が戦ってくれていたからだと気づけてよかった。見てよかった。知れてよかった。別に私は何も成し遂げていないし、意義のある行動も起こせないかもしれないけど、それでも後に続く方々のために、日々こつこつと自分らしく生きていこうと思いました。
この夫がいいよね。出会えてほんとよかった。癌で死ななくて良かった。...
この夫がいいよね。出会えてほんとよかった。癌で死ななくて良かった。
そして保守派のオッサンとの関係もすごい。
何もかも理想的な人生。この人はたぶん紙一重というか、もう「そういう人」なんだな。努力家とかではなく。
こういう人がいっぱいになればいいのになあ。
私より体幹トレーニングできてる
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アメリカで女性2番目となる最高裁判事に指名され、去年亡くなったルース・ベイダー・ギンズバーグについてのドキュメンタリー。
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こういうフェミニスト的なアイコンのある女性ってなんとかく気が強いイメージがあるけど、RBGはとても静かな内気なタイプだったらしい。だけど、ドキュメンタリー内で登場する彼女の発言してる様子はとてもハキハキとして自信に満ちていてかっこいい。
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母から、怒りを感じても心を穏やかにと教えられたことを守り、どんな問題にぶつかっても冷静に対応していった結果がこの説得力に繋がるんだなと。
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もしこの投稿を読んでる私の実生活の友達がいたらわかると思うんだけど、私はすぐムカついたらそれが口に出るし、言い方もキツいし、悪口グチグチいう性格ブス女なので、ホントに見習わないといけない所が多い。
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RBGのようにこうやって男女差別と戦ってきてくれた先代の女性達とそれにちゃんと理解を示してくれた男性達のおかげで、今こうやって私は現代であまり差別を感じずに生きてられるのを本当にありがたく思う。
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RBGが筋トレしてる様子が映ってたけど、体幹トレーニング私でもあのちゃんとした体制だと10秒ももたない、やばすぎ。
文句なし最高のドキュメント
今更ながら、RBGを観た。前編、後編共に某国営放送の教育チャンネルで観たが映画館で観たかったドキュメントが放送されて幸運だった。アメリカの最高裁判事の知識・予習は欠かせないがちょうど、トランプからバイデンに変わったアメリカ、前編放送時の際に日本では辞任したオリンピック会長の女性蔑視発言が問題となった日でもある。ギンダーバーグ弁護士の言葉が一言一言がジェンダー、アメリカの女性問題を司法の場、インタビューを聞いていると胸に響く。また、旦那様の献身的なサポートがあってこそ彼女の存在が際立つ。司法の場でのドキュメントだが、ギンダーバーグ弁護士の言葉はアメリカだけでなく、今の日本社会での辞任したオリンピック会長のように昨今の女性蔑視発言は、どの分野でも起きていると考えていいだろう。アメリカでもトランプが大統領選挙立候補時にギンダーバーグ弁護士が懸念を示したインタビュー場面を観たがトランプ就任して退任してまでの行動は現実となった。日本はどうだろうか?色々考えさせられたドキュメント。
消したの後悔して再放送もう一度録画したぐらい面白かった。身内にいて...
消したの後悔して再放送もう一度録画したぐらい面白かった。身内にいてほしい、こういう女性。頭が切れる人っておしゃべりじゃなくても肝心なところで決めの一言が言えるし、相手を不快にさせないんだよね。本当憧れました。
しなやかに生ききった女性
米国で男女同権の確立に大きな役割を果たし、マイノリティ(ユダヤ人、女性)出身で初めての最高裁判事になり、最晩年には左翼の砦となった凄い彼女の半生を、2018年製作当時85才の彼女のインタビューを中心にまとめたドキュメンタリー作品。
彼女自身も良い(台所への出入りを子供達に禁止されていたwなどツッコミどころがある)が、ご主人も愛すべきキャラクター。この人がいなかったらノトーリアスRBGはいなかっただろうと思えた。
また、彼女の出した意見書や判例、憲法解釈では正反対の立場を取る同僚とは法廷を出ると親友であった様子、晩年に最高裁で最左翼に座ることになった経緯、またトランプ政権誕生の折の失言を潔く謝罪したエピソード等によって、彼女はフェミニストや左翼活動家というよりももっと大きな使命ー米国憲法の下での国民の平等実現ーを胸に、しなやかに最期まで、任務を全うした姿が浮かび上がり、感動した。
彼女の生き様は、アメリカの法の生き様
映画「ビリーブ」のラストで、ルース本人の姿がチラッと映った場面。
とってもかっこよくて。
今作をいつか見たいと思ってました。
ドキュメンタリー映画なのに、「ビリーブ」のSIDE Bの感じで。
ぐいぐい引っ張られました。
本人へのインタビュー、実際の法廷での肉声、講演会の様子のほか。
ビル・クリントン元大統領をはじめ、家族・同僚・ロースクールの若者。
いろんな人が語るルース像が、うまく内容の肉付けになってました。
印象的だったのは。
「声を高らかにしない。教師が教えるように話す。喧嘩腰では議論にならない」。
ルース自身は慎ましく、ポイントだけをきっちり話す。
だからこそ話のピントもしっかりしていて、わかりやすいのでしょう。
最後はルースが仙人にも見えてきた。ナイスな100分でした。
超オススメ!
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「現実を支えるのが私の役目。判事は差別を知らないだけ」
タイトルなし
クリントン大統領より指名を受け
米国史上初最高裁判所判事となった
ルース・ベイダー・ギンズバーグ (1933ー)
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リベラルな大統領が選んだ
リベラルな判事
合意の成立を目指し
保守党とも歩み寄りを模作し
妥協もいとわない
男女平等の概念を一歩ずつ築こうと
怒りは静め少しずつ物事を前へ進めた
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ドキュメンタリー映画
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礼儀正しく控えめで物静か
思慮深く勤勉
力強いルースの言葉には真実の力と普遍性が
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女性の権限だけでなく
法の下男女共に平等であること
ルースは土台を作り
女性を男性と同じレールに乗せ
アメリカの女性を取り巻く世界を変えた
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アメリカ一尊敬される女性
オペラ鑑賞が好きで
音楽や物語の美しさに圧倒され
オペラには正義と慈悲も描かれる
心が揺さぶられると語るルース
尊敬される妻であり母であり祖母であり
本当に魅力的です👑
強い女は淑女たれ
RBG。字面だけで強そうなルース・ベイダー・ギンズバーグ。
少し前に「ビリーブ 未来への大逆転」を観たが、あの作品は彼女を描いた劇映画であり、本作は現在の彼女に、過去から迫っていくドキュメンタリー。
ルース・ベイダー・ギンズバーグの強みは母からの教え「淑女たれ」に尽きるのかもしれないと思った。淑女たれ、は男の後をついてあるくような傅いた女性であれ、ということではない。感情的にならぬこと。煽られても怒らないこと。理で詰めること。すぐ感情的になってしまうので自省しなければと思わされる。
彼女はとんでもなく優秀なワーカホリックであり、「彼女を目指す」のは恐らく現実的なことではない。明らかに働き過ぎだと思う。しかし、彼女の明快な思考、冷静さ、公私の分け方など人生のコントロール法には大いに学ぶべきものがあると感じた。特に最近は皆怒りに駆られがちだから。
保守化するアメリカで彼女の言葉が響き、時代のアイコン化しているのには驚きつつも納得する。そして彼女はそういうことを軽く受け容れているように見える。拒絶でも熱狂でもなく、常に彼女は自分の立ち位置に立っているのだ。格好いい女性だと思う。
「淑女たれ」がひどく心に残る映画だった。料理ができなくても淑女にはなれる。いやそれだけじゃないけど。
そして家族が素敵だった。夫は勿論、子から孫に至るまで。度量の大きい家族、というやつだ。今だから笑っていられるのかもしれないが...。
オバマが選挙に負けた時に、彼女は辞任して、後任に自分の席を譲らなかったのか、理解できた
あまり脚色されていない映画なので、彼女を理解するには良い作品。
彼女が米最高裁判所判事に成った時、男女でも着れるようなユニバーサルデザイン型法衣を考案して着たのではなく、
男と区別した女性用法衣を考案して、着た事から、彼女の女性差別に対する姿勢が見えた気がした。
彼女は”女性差別””やマイノリティ””世の理不尽”等の為に戦っているのではなく
徹底的に戦って、勝つことが好きなので
勝つ為に数ある法律の中で、最高位である「憲法」のみを厳格に背にして戦う事に徹している原理主義者である。
(僕も法律の最高位が憲法だと解釈しています)
彼女が判事時代に戦った6つの事案(5勝1敗)について、内容を知りたくなった。
近年、民主党の為に”役割”を演出する案件もあったようだが
彼女は基本、カーター元大統領やクリントン元大統領に恩を感じ、民主党の為に戦い続けているわけではないし
クリントン夫人が大統領に成って一緒に仕事をするのを待っているのではなく、
彼女は心底、戦いが好きなのである。
彼女は”体力の続くまで、最高裁判所判事を務める”ではなく、死ぬまで判事を辞めない事は理解できた。
そして闘う支えは素敵な夫である。
彼女は良きパートナーに恵まれたお陰で、本気で闘えたのだとも確信した。
羨ましい夫婦愛だ。
この映画を観る前に「バイス」をいる事を勧める。友人に言われたからだ。
タイトルに偽り無し。最強。
「ビリーブ 奇跡への大逆転」を見てたので
ルース・ベイダー・ギンズバーグさんがどういう人かは
知っていました。
あの映画を見て、こちらを見ると
より内容が深く理解でき、更に魅力的に感じます。
とくに旦那さんへの魅力が急上昇です。
法律を学ぶ者の理想がこの映画につまっている
ギンズバーグ判事は、良心的な法律家だ。
弁護士として、法の保護が届かない市民の権利を擁護するために訴訟代理人を引き受けた。裁判官として、法の役割が市民の権利の保護であることを前提に、訴訟当事者の主張を吟味した。議会への影響を考えての反対意見は最高裁判事の面目躍如だ。
他方私人としても、法律を愛する者の精神が貫かれている。他者の思想信条を尊重し、およそリベラルとは遠い立場の人でも、気が合えば友人付き合いを深める。その真に解放された精神には、羨望を禁じ得ない。
判事の実績は、人格と能力を兼ね備えた配偶者や侵しがたい美しさを感じさせる容貌、たぐいまれな自己統制力といったいくつもの奇跡が重なった結果である。このような奇跡を実現した人を、わたしたちは「英雄」という。
ギンズバーグ家は、適切な役割分担という社会の理想が実現した家庭であった。料理は得意な人がすればいい。男子にのみ門戸が開かれていた公立大学の女子入学を認めた判決を書いた判事には、これからの社会の在り様が明確に見えているに違いない。
とにかく、法学部の学生は必見の映画。
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