「製造業で営業が製品に使用する部品メーカーを変えられるものでしょうか?」七つの会議 JLNHさんの映画レビュー(感想・評価)
製造業で営業が製品に使用する部品メーカーを変えられるものでしょうか?
製造業 それも品質管理・品質保証にも携わっていたこともあるので不思議に感じました。営業の判断で簡単にパーツのベンダー(納入者)を変えられるものなのでしょうか?
またこの会社にはISOとか機能していないのでしょうか?
新規取引する際、工場調査とか段階を踏んで取引をしていました。
私の会社ならありえない展開ではありました。
フィールド(市場・顧客)からの苦情もフィードバックして調査すべきだし突っ込みどころを感じる展開でした。
受入検査とか厳しい管理をしているのでそこでも不具合は見つかりそうなものです。
一緒に行った家族には、「いちいち難しいこと言うな!」 という感じでしたが、私の言うことに気がついた方はいらっしゃいますか。
作品中では、私は北川誠(香川照之)の立場に共感を感じました。
”昭和体質”の企業での滅私奉公 中間管理職であったからかも知れません。
私のいた会社でも、上層部ではドロドロしたものはありました。
これも家族には、どうして八角民夫(野村萬斎)の立場に共鳴しないの? ヒーローじゃないか。 おかしい! と言われ凹んでいますが、何があれ「八角」は、私のいた組織であればお荷物の不良社員でしかないと思います。(これもご意見いただきたいもの。)
今の時代は、コンプライアンス室、内部監査、外部取締役などガバナンスは厳しくはなりました。
最後の、事情聴取のあとの、八角民夫の言葉、
不正・隠ぺいをなくすことことは出来ない。日本の企業において組織を出て告発そうやすやすできるものではない。まさにその通りです。
20年前の件で、あのような立場を貫いた八角が、ああいう体質の会社でその後もずっと営業部に居続けられるのはあり得ない。即刻、片道切符で地方に飛ばされる等の報復を受けるはずですよね。
いろいろ気になり再度見てきました。平日の昼間結構大勢の観客がいました。
私55歳割引でいつも1100円で見られるのでありがたい。
やはり、商品企画だけする商社でもないのに、営業が製造にかかわり過ぎです。
いくら技術系の営業担当がいたとしても、製造部までちゃんとある会社でこれはあり得ないと思います。
稲葉要(赤井英和)の立場も私は経験しましたが、工場ってあの真面目さです。ああでなければなりません。
私の会社で部品調達先をコストダウンのために隠蔽までして変えられるとしたら・・・
設計部 調達部 品質保証部 製造部が揃って行動しないと動けません。さらには監査をどうやってごまかすのか?
ここまでごまかすには、社内がワンマン体制で、見えない力が働くような状態でないと無理です。
あれだけ椅子のクレームがあるのに顧客からのフィールドデータがレビューされていないのも考えにくい。
しかも原因究明につながるデータもあるのに。
この部分がどうしても引っかかってしまいます。
しかし・・・生え抜きの社員として生きてきた、出世をしてきた 宮野和広(橋爪功)北川誠(香川照之)には私自身のサラリーマン人生を照らして共感してしまいます。
ある意味これが日本の会社なのでしょうね。
私のところではこのごろ、団塊世代が延長再雇用からも抜けてしまい、派遣社員や業務委託に頼り、社内で技能伝承不足が原因と思われる不良やポカミスが増えました。
また、離職率が低い会社でしたが、近年20代の若手中心に、5年以内に辞めるものが多くあらわれるようになりました。私の時代では考えられない。
辞める理由も、そんな理由で辞めるのか?
当社製品を納める取引先のところでも、若手社員は増えたが異常にきちんと対応できる社員がいなくなりました。そこも元々は離職率が低かった企業、最近、若手がすぐ辞めると管理者がぼやいています。
日本の製造業、コストばかり追って、内製から外注依存 これではだめになっていく気がしています。
私のような目で見る人って変わっているのでしょうか。
この作品、八角がどこにでも追ってくる「ターミネーター」のようでした。
映画館に多かった、元ビジネスマンの団塊世代男性 どのように見たでしょうか?
一方で主婦業をやって内助の功だった奥様方、どう見たのでしょうか。
映画館の外で「出口調査」したく感じてしまいました。
JLNHさんへ
その人の知識・経験が、フィクションである物語へ「入り込むこと」を邪魔する、なんてのは誰にでもあると思うんです。法曹界に身を置く人は「法廷もの」を見れば「そんなバカな」と思うかも知れない。本気で自殺を感がえた事がある人は「十二人」なんて「アホくさ!」と感じるかも知れない。この映画に関して言うと、製造業に関わった方々(私を含め)の目からみると「あり得ない事のオンパレード」、いや、全部が変と言った方が良いくらいですね。
「仕事と社会正義の相反に対して、人は何をすべきか?」が、またまた池井戸作品のテーマな訳ですが、作り手側は「会社と仕事の内容のリアリティなど重要ではない」と感がえたフシがあるのが、残念です。
知識と経験がある人間を「なるほど」と、うならせるのが、プロの作者であり映画人ではないかと思う次第です。
bloodtrailさん 真紀さん へ
コメントありがとうございます。 製造業って語弊はあるかも知れませんが、商社、流通業、証券業などの人に比べるとくそがつくぐらい真面目なのです。そういう目で見たので違和感を感じてしまいました。群馬の工場 半ば自由に部品が持ち出せる環境(ヘルメットに入れて) これは在庫管理として重大な欠陥です。引張試験機で材料試験(破断試験)この担当者も、品質管理に携わるものとしてあまりにも無責任だと感じます。
フィクションだから熱くなる必要はないのでしょうが、とてもいいテーマの作品だけにもう少しディテールをしっかりして欲しかったと感じました。映画や脚本を書く人、エンターテイメント業にいる人は比較的自由な立場にいる人が多そうなので私が言うことが理解できないのでしょうね。
御前会議 オーバーな表現だとは思いましたが、私のいた会社でも、幹部会(部長が集まる会議)、取締役会のほかに、別の会があると言われていました。人事に関しては、夜の人事会議があるとか・・・。
JLNHさんへ
同じ気持ちで見ていました。物語を判りやすくするため、誰もがすんなり理解できるようにするため、原作も映画も、それ相応の改変(デフォルメ)を入れているでしょうし、それは必要な事だと理解しています。に、しても酷いかなぁ、この映画に関しては。うちの会社じゃありえない、って言う人、多いようですね。そもそも、あの座席を開発したのは誰なんですか?ってツッコミたいし。
八角がヒーローとして立ち振る舞うのは、たかが2か月。それまでの19年以上はお荷物。そりゃ無いです、絶対。営業できない営業は、やはりお荷物でしかないでしょうね。と思います。
私もそう思います。
会社組織に在籍有無などで感想変わりますよね。
『香川が鹿賀丈史にドーナツお土産に渡そうとして、鹿賀丈史にワザと潰される』、笑いが一部起きていましたが、私は笑えませんでした(^^;)
追記ですが どこでも「経理部」は嫌われますね。うちの会社でも、「経理部」はいやな存在でした。いつもやろうと思っていることを否定から入ってつぶしにかかってくる印象があります。
一方で、経理部が嫌われなかったら、会社はつぶれるんだ と 経理部の人が言っていました。