ジュリアンのレビュー・感想・評価
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共同親権の落とし穴
家庭内暴力の問題を「シャイニング」のようなホラー演出で描いたのが新鮮だ。あのような常軌を逸した狂気が家庭にあるとしたら相当に恐ろしいことだ。親権をめぐる裁判で幕を開け、母親と父親どちらに問題があるのか、最初のうちはわからない。しかし、除々に父の行動がおかしくなり、次第に狂気に変わってゆく。 フランスでは離婚が成立した場合、共同で親権を持つ共同親権になるケースが多いそうだ。これは共同親権の盲点をついた作品だろう。狂気に堕ちた父にも親権があるため、子供は定期的に父と過ごさせばならない。しかし、裁判所が父の本性を見抜くことは困難だろう。そもそも人の本性を簡単に見抜ければそんな人間と結婚しないだろう。 ジュリアン役のトーマス・ジオリアも好演。これが映画デビュー作だが、憂いを秘めた目が良い。これから経験を積んでもっと良い役者になってほしい。
ジュリアン役の顔での表現力が凄っ
あんな熊みたいな男がブチ切れたりしたらどうにもならないやん!(あんなガタイってマ・ドンソクくらいやで) その怖さの演出は中々でしたね。 あと後半のピンポン連打からのドア蹴りまくって銃撃ちまくって家に突入するのは怖かったっすねー あと全体的に変な緊張感あって良かったですね。
コメディだと思い見たら
怖かった。離婚した夫婦で夫は最低のDV野郎。子供のジュリアンを中心進むけど序盤からあれ?見ていく内にコメディでないと気づく。後半から別れた夫で共同親権のパワハラ、ストーカー行為が凄くなる。ドキュメンタリーを見ている様に。 ジュリアン役の子役が熱演、素晴らしい演技を超えている。音が映画を更に怖くしており、思ってもいない結末が訪れる。 あー怖かった。
ジュリアン役の子役がすごい。
ジュリアン役のトーマス君、嫌いなお父さんの車に乗ってる時の表情が秀逸。とても演技に見えない。本当に嫌がってるように見える。演じるにあたって、「シャイニング」のシェリー・デュバルみたいに監督に何十テイクもやらされて嫌がらせ受けてたりして。 私は親に恵まれたせいか、ジュリアンのような嫌な思いをしたことはないが、彼の表情を見ていてまるで自分が本当に嫌なお父さんと同乗してるような気分になった。この子役を起用しただけで100点満点でしょう。 そしてお父さんを演じたドゥニ・メノーシェ。一度見たら忘れられない灰汁の強いアクター。「理想郷」では善良な人間を演じたてけど、今回のようなDV野郎がほんとにはまり役だった。どう見ても見た目がやばそうだもんね。ただ、いくらなんでもあそこまでするとは思わなかったな。ラストは全然想像してなかったので結構衝撃的だった。 自分の気持ちばっかりで相手の気持ちを考えようとしない人間いるよなあ。子供や妻から嫌われてるのはなんでなのか、自分のどこに問題があるのか、じゃないんだよね、こういう人は。自分を嫌う向こうが悪いになってしまう。自分の感情に手いっぱいで相手を思いやる余裕もない。 私だって確かに若い時はこんな時期もあった、二十代前半なんか特に。元嫁の新居に一方的に押しかけて、自分は変わったんだといって感極まって泣き出すとこなんか、ほんと若い時の自分見てるみたいでほんと無様だよなあ。さすがにこの年なってやってちゃあいかんでしょう。結局人間的に成長できずに年だけ食ってしまったみたいな。まあ、車の中で子供を脅した時点でアウトだったけどね。 離婚後の単独親権は先進国では珍しい方で日本も家父長制の名残でそうなってたのが、今回共同親権の法改正が審議されている。確かに離婚後も良好な関係が維持できるんなら共同親権はアリだけど、本作のようなDV夫から逃げてる人にしたら今回の改正案は恐怖でしかない。当然面会交流権も拒否しづらくなるし、非監護者も親権を有するわけだから自分たちの居場所とかを知らせておかなければならない。危険な人間から逃げるすべがなくなる不安が大きいようだ。あと、親権者の同意が必要な医療処置なんかも受けにくくなるだろうし。 法改正するのはいいけど、そういった共同親権のリスクも考えての法適用ができるように審議を尽くしてもらいたいもんだ。すべては子供の利益のために。
シンプルに良かった。
楽しそうな場面なんてほぼ無くてずっと緊張感あるストーリー。 とりわけ派手な演出も無く淡々としてる映画は途中で退屈になる事も多いがこの作品はしっかり最後まで観れました。 フランス語が妙にマッチして全体の雰囲気をプラスしてくれました。 程よいサスペンス加減も素晴らしい!
歯を食いしばって震えに耐えるジュリアン
(歌詞のリンクアドレスを書いてしまったためレビューが削除されてしまったので短く再録。コメント&共感下さった皆さんごめんなさい) スザンヌ・ヴェガの「ルカ」は、ラジオでいつも急にかかるので怖い。 心の準備がないところに突然流れるので心臓に悪い。 父親の顔を見まいとして震えながら涙をこらえるジュリアン。 助手席に座らせられて、あまりにも苦しい車の中でのシーン。息が詰まって窒息しそうな場面でした。 ・・・・・・・・・・・・ この映画「ジュリアン」、何のために作られたのだろうか、 現状の凄まじさを告発するため。あるいは社会が改まるための教育の映画でもあるだろう。 でも、それらに先んじて、消えていったたくさんの子供たちのために“墓標”として献げられた作品であると僕は思った。
タイトルなし
主人公の男の子の演技が違和感。細かいニュアンスが表現できない、人物像が安定してない。 また、伏線あんのかなと気にしたシーンも特に伏線ではない。要所要所でストレスがあった。 私の読解力不足もあったか???
息子の話じゃなくてつきまといの元旦那のDVの話
フランス映画。ジュリアンは11歳の中学生男子 離婚した両親のうち父親とは会いたくないと主張するジュリアン。 暴力が原因みたい。 離婚調停からスタート 父親は2週間に1度の面会を要求 まだジュリアン出てこないお姉ちゃん は彼氏に夢中 ジュリアンやっと出てきた 裁判所は面会を認めたみたい 打ち解けない父子 元々の問題は夫婦間か お姉ちゃんは妊娠検査薬陽性ぽい 息子に会いたいじゃなくて嫁に会うのが目的か 親父はやっぱりカッとなる性格だった いっぱい食わせたジュリアン でも大人には勝てないか クマ男の泣き落としこわい お姉ちゃんの彼氏気持ち悪いな。 変な三つ編み お姉ちゃんが歌を歌ってる間に 夫婦対決 なんだか嫌な予感 フランスでも中指立てるのね。妹に救われた 散弾銃! 絶体絶命危機一髪 向かいのおばあちゃんの玄関のドアで幕 BGMなし お姉さんのくだり回収せず
タイトルなし
グザビエ・ルグラン監督の長編デビュー作 第74回ベネチア国際映画祭 最優秀監督賞受賞 . 離婚した妻と夫アントワーヌ 息子ジュリアンの親権を巡り法廷で争う 夫婦どちらにも言い分はある . 迎えに来た父 反抗的な息子 (…お父さんがちょっと可哀想な気も😣) 表情がかわる 息子の問いかけに無言の父 (…離婚の原因はこ~ゆ~とこかな?) 突然キレる だんだん感情が抑えられなくなる (…怖い…) . . 報道で同じような話を見聞きする。 何が原因でそうなるのかもっと掘り下げてほしい気がした。 ただ逃げ隠れするだけでは解決しない。 原因がわからないと守るものも守れない。 トラウマからの負の連鎖も怖い
DVDのパッケージに書いてあった、「ラスト10分に衝撃の展開!」み...
DVDのパッケージに書いてあった、「ラスト10分に衝撃の展開!」みたいな触れ込みの文言はどうかと思ったけど、見て良かった作品。
意外とストレートな映画❗
星🌟🌟🌟🌟 予告編が意味深だったので観たのですが…どんでん返しのような内容ではなくいたってシンプルでストレートな内容でした❗全編に於いて胸を締めつけるような圧迫感がありラストでシャイニングのような展開になりどちらかと言えばスリラーぼい作品だと思います❗車の助手席のジュリアンの恐怖に歪んだ顔が頭からこびりついて離れません❗最後ハッピーエンドで終わって良かったです❗
DVストーカーの恐怖
DVストーカーの恐怖に怯え続ける妻子の苦悩や心理を見事に描いている。身近にも起こり得る重大な問題であり心が痛い。DVを食い止めることが出来ない司法と行政に対する監督の強い思いを感じた。 2019-76
体感型離婚後面会権
終盤の流れは恐ろしいほど迫力があったのですが、家裁での調停を見る限りでは夫アントワーヌの暴力が表立っていないのでモヤモヤしてしまった。長女に対する傷にしても3年後に診断書を提出だとか言ってたし、もしかしたら妻の被害妄想的なものもあるんじゃないかと感じてしまうのです。しかも妻ミリアムに連絡を取ろうとしても、番号がわからないし、ジュリアンは頑なに「持ってない」と言い張るし、ようやく見つけた電話番号で話をするも直後にはミリアムは電話番号を変えてしまうという早わざを使う。どっちが病気なんだろうか・・・と。 ジュリアンのカバンを放りつけた瞬間、やっぱりDV男なんだろうな~と感じるし、いつも怒ってる男だということは理解しやすい。ただ、やはり“痛み”というのが伝わらなかったのが残念でしょうがない。直接的な暴力シーンも挿入するなり、何らかの形で描いてほしかった。 親にも家を追い出され、狂気に走った男アントワーヌ。ちゃんと医療関係の職に就いているにも拘わらず、荒れ気味の男。常に怯えた様子で、困った顔をしているジュリアンくんの顔の演技が印象的だった。
スリラーとしても、家族の物語としても中途半端
夫婦の離婚調停のシーンから本作は始まる。 既に夫婦関係は破綻し、妻は子供と実家に帰っている。 調停の結果、夫には11歳の息子ジュリアンとの面会権が与えられた。 ジュリアンには姉がいて彼女は18歳。 ということは、この夫婦は20年近い付き合いのはずなのだが、どうして、こうなったのかの説明はない。 夫は短気で粗暴。実の父にもそう言われているのだから、ずっとこうなんだろう。概ね夫のほうに原因があることは分かる。 だが、実の子から避けられ、自分の実家からも締め出される。仕事も辞めたらしく、彼の疎外感、孤独感はかなりのものだろう。 このような、夫の背景や心情を描くことも出来たはずなのだが、本作ではほとんど説明はない。 彼の内心は語られず、ただ、その行動から読み取るのみである。 だが、これだけでは、あのラストの行動に至った理由があまりにも分からない。 いや、そうではなく、夫をもはや理解不能のモンスターとして描くやり方もあるだろう。 DVという日常生活に潜む恐怖を主題に据えたスリラーとして描く、という方法だ。 この場合は、被害者を描いてほしい。 妻や子供たちが、どれだけ夫を恐れているか、これまで、どんな恐ろしい目に遭ったのか、など。 それがあって、観る側の恐怖はさらに増幅される。 もちろん、ラストの行動を見れば、彼は充分に怖い存在ではあるのだが、あまりに経緯が分からない。 つまり。 どうも、家族の物語としても、スリラーとしても、いずれにしろ中途半端に思えてならない。 いや、現実のDVとは、こうなのかも知れない。 20年の家族としての年月も、そこにあった葛藤も、短時間の調停で判断され、ある日突然、決定的なことが起こる。そういうものだとしても、映画としてどうなのか? パーティのシーン。音楽がうるさくてセリフが聴こえない。携帯を見る。誰かが誰かに耳打ちする。人が動く。こうした情景描写だけで不安を煽り、何かが起きていると思わせる演出は秀逸。 惜しい。
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