2重螺旋の恋人のレビュー・感想・評価
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二重螺旋でもトグロ巻でも一緒だろ、これ
精神逝っちゃってるヤツのエログロい妄想。それが全てだと云う清々しいまでの肩透かし官能映画。 「お客さん、申し訳ないけど、これで終わりです」って言われて、 「あ、良いです良いです、もう、これでお腹いっぱいなんで」と席を立とうとしたら、最後の最後にびっくりさせられて、そこが一番良かった。 カープ、カープ、カープ、ひろしま、ひろしぃまぁカーぁープーーーー。 劇場を出たら、街はカープ一色です。お化け屋敷から我が家に戻った気分で、し、たっと。
面白かったけど、勧めづらい エロシーン多め サイコホラー
話の筋は解説にあるとおりなんだけど、結局全部妄想というか、病気
現実シーンがどれだけあったのか、、、
俺ならついて行けないだろうなーここまでの恋人は
正直ホラー映画だと思う
あ、パリの片隅の豪華な家、自分も住みたい!
最近のオゾンなんかムラがありすぎる。
伏線が映画として体を成していない。 最後に「こう言う話だから」と言い切られて終わってもね。 クローネンバーグの『戦慄の絆』やデビッド・リンチっぽくて、多少スタイリッシュと言うだけで、オゾン映画としての面白さがまるで感じられませんでした。 内容的に最後もうどうでもいいじゃん、て気になってきました。最近のオゾン作品はアタリ、ハズレが大きすぎる!
面白いのだが残るものが少なかった
待ちに待ったオゾンの新作。期待どおりのミステリアスかつエロティックな展開を楽しんだが、観終わったあと残るものが少なかった。 心を病んだ女性の心の振れが性格が違う双子の精神科医との交わりによりマックスに達し、そしてクライマックスを迎える。大好物と言っていい題材なんだが… 好みの問題だと思うが、終盤戦の彼女の狂気がもっと下品に描かれていたらと思う。濃い味が好きなのでしょう。あくまで好き嫌いの話です。
サスペンスというよりホラー
いやはや、なんとも凄い映画を観せられたという気分である。観賞前の印象は、公式ページや紹介文から、双子の精神科医とそれぞれに関係を持った女性が主人公の心理サスペンスという感じだったが、実際に鑑賞してみると、サスペンスというよりもホラーな内容で、結構怖い。 物語は途中まではリアルな感じだが、ふたりの精神科医が双子だと、主人公が知ったあたりから現実と夢と幻想または回想の境目が曖昧になっていく。そして誰が真実を言っていて誰が嘘を吐いているのか、わからなくなってしまう。それはある意味、人生の真実かもしれない。 疑問はたくさん残る。女にとって愛とセックスは別のものなのか。精神科医は女の欲望さえも操れるのか。結末の意味は一体どういうことなのか。 私には真相がよくわからないままに映画が終わった感じだが、突き詰めて考える気にはならない。人間というものは、欲望を満たすにも相手が必要だ。承認欲求も、場合によっては愛も、相手が必要である。結局他者の存在なしには欲求を満たせないのだ。禅のような、ひとりで究極まで考察して真理に至ろうとする生き方もあるにはあるが、主人公はまだ若くて、他者の存在を超越する方向には解決を求めない。或いは他者を意識することなしには生きられない。悲劇は他者である双子の精神科医に由来するのではなく、そもそも主人公自身が内包していたと考えれば、この作品の世界観が見えてくる。
オゾン流グロテスク映画
25歳になるクロエ(マリーヌ・ヴァクト)は、原因不明の腹痛に悩まされていた。
肉体的には問題はなく、精神分析医にかかることにし、分析医ポール(ジェレミー・レニエ)の元を訪れた。
穏やかな性格のポールのカウンセリングによって痛みから解放されていったクロエ。
ポールはクロエに恋し、彼女も彼を受け入れ、同居し始めるのだが、同居してまもなく、クロエは街でポールが別の女性と口論をしているのを目撃する。
問うても否定するポールに業を煮やし、件の目撃場所に赴くと、ルイと名乗るその男(ジェレミー・レニエ)が同じ精神分析医として開業していた・・・
というところから始まる物語で、ルイはポールと正反対の攻撃的な性格で、カウンセリング内容も虐待に近いものだったが、クロエは惹かれていく・・・と展開していきます。
ありゃりゃ、これはデイヴィッド・クローネンバーグ監督の『戦慄の絆』ではありますまいか!
というのは予告編を観たときから感じたことなのだけれど、どうも少々様子が異なる。
冒頭の、クロエの内臓器官のアップの後(この内臓趣味もクローネンバーグ的だけれど)、ポールと知り合ってからやたらと鏡を使った画面が登場する。
この鏡を使う演出は、対象の内面のダブル化なのだが・・・
とまぁ、ネタ的には早々に気が付いたりもするのだけれど、それならばそう思って観すすめると、果たして・・・戦慄の真相!
『戦慄の絆』以外にも『ザ・ブルード 怒りのメタファー』や『ヴィデオドローム』『ザ・フライ』などグロテスクなテイストはかなり近いが、クローネンバーグの諸作が「精神が肉体を変化させる」という主題だったが、本作は・・・一般的なサイコスリラーの着地点。
クロエの精神が変化していくにしたがって、彼女が勤める美術館の展示品がおぞましく変化していくあたりは興味深いけれど、結末がわかると、そりゃそうだと拍子抜けしてしまう。
とはいえ、この手のグロテスクなテイストの映画も嫌いじゃないんですよねぇ。
自分の中の他人に支配された自分...⁈
精神科医ポールと女性患者クロエのサスペンスラブストーリー。猜疑心に駆られたクロエの振舞いが謎を益々深める格好になっていて観る者を惑わせ正直言って難解。最後のどんでん返しは謎を解く鍵だったのでしょうけれど、ジグソーパズルの最後のピースがどうしてもしっくり嵌まらず、ちょっとモヤモヤ感が残ったかな。これを面白いと思えるかどうかで好みが分かれるかも知れません。
€150(ユーロ)也
2018年8月23日現在19,218円/回の診療費は相当高いけど、まぁセレブの話だからどうでもいいか(苦笑
デビッド・クローネンバーグ作品は観ていないが、デビッド・リンチ作品のぬるい感じはイメージとして覚えたなぁと。フランソワ・オゾン監督作品は初めて観るし、尚且つ原作も未読なので、あくまで映画作品の感想なのだが、いわゆる『双子』という奇妙な生物をサスペンスとしてのアイデアとしてフィーチャーした内容である。それと、日本ではブラックジャックで誰もが周知のピノコ的なアイデアも含有されている。多作という監督の能力だが、それだけ色々な題材を上手く内包する技術を持っている才能高い人なんだと思う。
フランス映画的なイメージはあまり感じさせない作りである。
冒頭の髪を切るシーン、そして次の膣内検査のクスコの小道具等、それぞれそんなに難しくなく主人公の女性の人生みたいなものを象徴するようなカットになっている。双子をサスペンスのトリックに使うのは、日本の『溝口正史』的なアイデアに似ていて、これも親近感が湧く。官能小説で双子の兄弟が、金持ちの娘を陥れるという内容の話を読んだことがあるが、それも何となく似ているようで(今作は、主人公女性が双子に興味を持つということなので立場は逆なのだが)、ストーリーは入り込みやすい。
ただ、オチは直ぐには飲み込めなかった。余りにも夢と現実のシーンがあやふやになってしまっているので、本当に愛した男は双子だったのか、どっちを撃ったのかに囚われるとその辺りを見失いそうな怖さを覚える。一応整理すると、多分、弟を撃ってしまうのだが、女はそれに気付いていない。ラスト前の病院のシーンで、タバコを吸う男は、多分兄の方だ。だから、ラストのサンドラが窓を叩き割るシーンで『嫉妬』を表現し、しかし、女は『行動を起こさない欲望は害を与える』に従って、快楽を選ぶという事だと思うのだが、間違っているのだろうね。何だか不思議な浮遊感、そして示唆は一切与えないストーリー性を楽しめるかどうか、今作品はそこがミソなんだろうと思う。こういう作品が日本にもあるといいのだが・・・ NHKのEテレで、池松壮亮とオゾン監督の会談を観て、次回は是非、池松がキャストの作品を観てみたい願望が湧いてくる、そんな日本と親和性の高い作品である。
ドキっとするシーンも有り、少しホラーな所も有り。 オチは分かったよ...
ドキっとするシーンも有り、少しホラーな所も有り。 オチは分かったような分からないような、全てが明らかになる訳ではないですが、雰囲気好きです。
上質とは言い切れない
精神疾患の症状を持つ主人公なら、あべこべな繋がりでも、何でもでもありになってしまう…。 ストーリーがもう少し整理、解決されていれば最高だったのに。しかしながら、流石はオゾン監督。配役と演技、撮影はピカイチ。美しく興味深いサスペンスでした。 基本的に、オゾンの作品のセンスは好きだよ。
☆☆☆★★ オゾン版『バスケットケース』(少しちがうけど) 《弟の...
☆☆☆★★ オゾン版『バスケットケース』(少しちがうけど) 《弟のモノは俺のモノ!》 主人公の女性が嵌る禁断のエロ(≧∀≦) ちょっとエロが苦手な人は困ってしまうかも。 更に、終盤には少しだけグロい場面も有り。謂わば、オゾンの超ど変態妄想大爆発映画。 冒頭の眼のアップから螺旋階段への移行。 彼女が働く場所が美術館。 隣人の老女のよう家には剥製が有り…と。前半はヒッチコックの諸作品の影響が有るのかな?…と思っていたら。終盤は一気にクローネンバーグの世界へ! 思わず仰け反ってしまったぞい(^^; 双子の不思議さ…をサスペンスにしているのですが。 この映画を例えて、=を双子として考えたならば。=がグニャグニャと絡み合い螺旋状となり進んで行った場合。果たして線の上と下は現在どちらが上で、どちらが下なのか?と、言った感じのサスペンスでしょうか? これをもっと分かりやすくする為に、プロレスに例えると…。 =をブラックハーツさんコンビとします。 ブラックハーツさんがコンビで場外乱闘の時に、腕を組んでグルグルと回る。 さあ。さあ。さあ。果たしてどちらがどちらでしようか?状態!と言えば分かり易いか? アナウンス「お気をつけ下さい!」 尤も、ブラックハーツさんがどんなに場外で頑張ってグルグル回ったところで。ハンセンに椅子でおもいっきり頭ガツンと叩かれて、みるみるうちに覆面がどす黒くなり。どちらがどちらか丸分かりになりながら。それでも必死に2人で「イ〜ツ!」…とポーズを決める姿には、哀愁が漂い過ぎて涙を誘うモノが有りましたけどね…って、一体何の話をしてるんだ俺は\(//∇//)\ アナウンス「モノを投げないで下さい!」 だって〜!最後の最後の展開に、オゾンのしたり顔がチラッと眼に浮かんで来てしまうんですよね〜! いやいや!何となく予想出来る人には、予想出来ちゃうから監督! でも決して作品自体は【とんだ一杯食わせ者】では無いので、どうかご安心を^_^ ジャクリーン・ビセット様〜!(おやじの叫びっス) 2018年8月8日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1
良質なサスペンス
後半に向けてどんどんテンションが上がり、ぐいぐい引き込まれていき、ラストは震え上がった。ちゃんと盛り上げてくれる映画なので身を任せていればいい。どこまでが夢で現実なのか、真実なのか嘘なのか、回収されない伏線もあったり、隣のおばちゃんの思わせぶりな感じは何だったのか等々何かと疑問は残るが嫌なモヤモヤは残らない、フランソワ・オゾンの辣腕とマリーヌ・バクトの美しさに浸れる良作。
『シャッター・アイランド』+『複製された男』
「精神科医ポールは実在するけれど,ポールの兄ルイは,患者のクロエの妄想か?」「ルイの部屋に置かれた花が造花だということは,ルイが想像上の存在だというヒントだ!」と思わせておいて,そもそも「ポールが精神科医で,クロエがその患者」という前提自体がクロエの妄想だったというオチ。映画のステレオタイプ「精神病患者は妄想する」を逆手にとった作品。
ポールが精神科医であるのも,ポールの双子の兄ルイの存在も,「バニシング・ツイン」の片割れの姉を腹部に抱えるクロエの妄想。
(でもクロエは,腹部の違和感の原因がバニシング・ツインであることや,双子は姉であるということをどうやって知ったのだろうか?双子の99%以上が一卵性であることから,バニシングツインの片割れが同性であると考えるのは不自然ではないが,生まれる順番というものがないので姉も妹もない。「姉」というのは彼女の導入した設定だろう)
ただしポール自体はクロエの親しい友人として実在する。そして,クロエの母親の存在も妄想に影響している。クロエは,自分が生まれることを母親が望んでいなかったのではないかという疑いから,自己否定的な感情を抱いている。
クロエの自己否定的な感情は,互いの存在を打ち消そうとするバニシング・ツインと結びついた。クロエにとって姉イザベラは,クロエを否定する存在だとされたのである。そしてクロエは「互いに互いを吸収しようとするクロエとイザベラ」という設定を,自分から切り離して,親しい友人ポールに投影した。ただしポールは双子ではないので,止むを得ずポールの双子の兄ルイという存在を妄想せざるを得なかった。双子のポールとルイは,クロエの欲望と結びついて妄想が捗ったというわけである。
この妄想は,双子と恋愛するうちクロエが妊娠することによって「腹部の違和感」という現実との接点を持つ。けれど父親がどちらかは分からない。兄かもしれないし,弟かもしれない。これは,実際には姉を吸収したクロエが,もしかしたら吸収される側だったかもしれない,という可能性の検討が反映されているのだろうと思う。
クロエは,男性であるポールに自身を投影する。男性性を象徴するのが短髪である。作中クロエが短髪なのは,クロエが自分自身を男性に投影していることのヒントである。生理不順や薄い胸,丸みのない体型といった,女性性の希薄で中性的なクロエの性質もまた,男性への自己投影に寄与しているかもしれない。映画冒頭,クロエが髪を切った時点で,彼女の妄想は開始しているのである。
「統合失調症的な妄想と謎解き」という要素は『シャッター・アイランド』を思わせ,双子,複製,性欲といった要素及び現実と非現実を区別しない作風はヴィルヌーヴ監督の『複製された男』を連想させた。
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