可愛い悪魔
劇場公開日:2018年6月23日
解説
「ピンク四天王」の1人に数えられる佐藤寿保監督によるエロティックサスペンス。夫が妻の浮気相手の男根を切断するという凄惨な事件が発生した。事件の真相を追う法月は、犯人の妻・美穂と接触することに成功する。彼女の口から語られる被害者である浮気相手の桑田との性愛の日々。次第に美穂の魔性に絡みとられながら、法月は事件の真相を知ることとなるが……。脚本は「苦役列車」や佐藤寿保監督「華魂」シリーズなどを手がけたいまおかしんじ。
2016年製作/85分/日本
配給:アイエス・フィールド
スタッフ・キャスト
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2022年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
最近、ニュースで読んだような事件が発端で、局部を切り取られた弁護士、弁護士と浮気していた妻、切り取った夫、この3人をクセありのルポライターが取材する。
女は怖い。
2018年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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『東のエデン』というアニメ番組の登場人物に“白鳥・D・黒羽“という女がいて、専ら男性器を切り取り回るという犯人であるのだが、その理由が「女性の敵である性犯罪者=生産性のない男を間引いて、代わりに優秀な外国人を日本に輸入する」という設定であった。ここまでぶっ飛んだキャラ設定ならばフィクションとして興味深いのだが、生憎今作品は、実際に起こった事件の、その内情をイマジネーション化したものであるので、仕方がないのであろうが現実の陳腐化は否めない。およそ人間の想像なんてそんなものだ。
“弁護士局部切断事件”という当時センセーショナルで下世話なネタとなった事件を再現する中で、被害者、加害者ではない、しかしその2人を結びつける女に焦点を当て、その女の心の有り様や、行動を描いたというストーリー展開で、テラーとして実際に存在していないルポライターと嘘をつくストーカー男が進行役という役柄である。裁判の冒頭陳述で披露されていることは大まかに落とし込んでいるのでそこにはフィクションはあまりない。
ネットで調べると、この女の症状に『アレキシサイミア:自らの感情を自覚・認知したり表現することが不得意で、空想力・想像力に欠ける傾向のことをさす』が窺えるとあるようだ。ファムファタールをこの女に当てはめる作りになっている今作としては、この感情を認知することの障害を一種のサイコパスとして位置づけているのだろうが、その意図があまり感じ取れなかったのは、やはり映像がAV仕立てになってることでぼやけてしまってることが起因なのだろう。細かい演出でも、例えばロザリオを弁護士からプレゼントされたのも、この女が熱心なクリスチャンの家に生まれたことを暗喩していること等、いろいろと事実に基づいた点が多いのだが、それよりも、風呂場でのガラスに胸を押しつけるシーンや、後ろの穴へのアプローチ等々、そのシーンを喜ぶカテゴリの人達への親切心が挟み込んであるので、どっちつかずのテーマ設定になってしまっている。多分、手汗が酷い事を訴えるシーンなどもなにかのクエスチョンなのだろうが、それよりもその手をベロベロ舐めるその変態性、フェティシズムばかり強烈に印象に残ってしまい、ぼやけてしまっている。何回も繰広げられるドアや窓を覗くシーン等も、隠されたメタファーがあるのだろう。ま、ラストシーンの『茶柱』は、ギャグなんだろうけど・・・
男が嫌いならば切ってしまえばいい、その男も嫌われる位ならば男じゃなくなればいいという、或る意味究極の選択を易々と超えてしまうその女の魅力というものをもっと丁寧に訴えて欲しいと思う次第である。
AVのファンタジーをリアリスティックに描くという実験的要素は興味深いなのだが、しかし芯はきちんと構築して欲しかった。
噛んだガムを又噛んで、その残り香を愉しむという日本的変態性がスパイスになっている作品なのだろうことは理解出来るのだが・・・もう少し、分析力が欲しかった内容であった。
2018年6月24日
Androidアプリから投稿
浮気相手の男性器を切断した旦那の横に何もせずに付き添ったとされる女と、その汚名を晴らそうと取材する自称ルポライターの話。
2015年に実際に起きた事件をオマージュしたような浮気と嘘と男性器切断とコスプレという出来事の数々。
自称ルポライターの男が取材と称して関係者に聞き込みを行い事件を追って行く…というか、回想的に回想シーンを細切れで挟み全てをみせていく。
安っぽく苦笑もののシーンの数々で、やっすいAVの背景ドラマをみている感じのストーリー。
オチは悪くないけれど、だとするとそれまでの流れに無茶が有って残念。