劇場公開日 2018年12月21日

ニセコイ : インタビュー

2018年12月18日更新
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中島健人&中条あやみの振り切った演技「ふたりで崩れ落ちることこそ正解」

週刊少年ジャンプで連載されていた大人気ラブコメを実写映画化した「ニセコイ」。本作で“ニセ”の恋愛を繰り広げるカップルを演じたのが、アイドルグループSexyZoneの中島健人と、モデルとしても大活躍する女優・中条あやみ。どちらもため息が出るほどキラキラと輝く美男美女だが、本作でのテーマは“脱王子”と“脱清純”。なるほど、劇中これまで中島、中条が見せたことがないような顔の筋肉の動きや、リアクションが随所に垣間見える――。(取材・文・撮影:磯部正和)

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原作コミックは、全25巻、累計で1200万部を超える人気作。特に若い世代からの支持は圧倒的であり、中島も「週刊少年ジャンプの大ファンなので、連載されていたラブコメやラブストーリーはほぼ網羅していました。『ニセコイ』がどれだけ人気作品かもわかっていた」という。中条はオファーがあってから原作コミックに触れたというが、情報解禁になった際には、周囲から「ファンだから楽しみにしているよ」という声を多数受け、その人気のすごさを知ると共に、相当なプレッシャーを感じたようだ。

しかし、そんな人気原作の重圧が、やりがいへと前向きに変化していったのは「これまで演じたことがない」というチャレンジングなキャラクターに挑むことだった。メガホンをとった河合勇人監督からも「この現場は普通が浮くから。普通じゃないことが普通だから」とはっぱをかけられた。

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中島が演じる一条楽は、勉強一筋、真面目で普通の高校生ながら、極道「集英組」のひとり息子。中島らしいキラキラスマイルは随所に垣間見せつつも“脱王子”をキーワードに、劇中では、楽という青年をコミカルに演じた。「結構やり切ったという自覚はあります。『ニセコイ』が好き過ぎたので、早く楽を演じたかった。初日から120%で挑みました」と自信をのぞかせる。

一方、中条が演じたのは、ギャング組織「ビーハイブ」のひとり娘・桐崎千棘。金髪ハーフでケンカっぱやいという、ややデフォルメされたキャラクターだ。中条のパブリックイメージと言えば、圧倒的な美貌とスタイルで、羨望の眼差しを一心に受けるような存在だが、本作では“脱清純”という任務(?)を課せられ、これまで見たことがないような表情をスクリーンに映し出した。思い切った中条の“変顔”に対し、中島は「ここまで崩していいのかな」と危惧したという。しかし、そんな思いは現場に入るとすぐに消え「ふたりで崩れ落ちることこそ『ニセコイ』にとっては正解だ」と見解は一致。ふたりとも弾けた演技を披露した。

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本作が初共演となった中島と中条だが、新境地という意味で共闘。互いに惹かれる部分を数多く見つけられたという。中島は「僕はこれまで、しっかりプライドを持っている方と出会うことが多かったのですが、中条さんは良い意味でそういう部分がなく、とても素直な方だったんです」と語ると、中条の素直すぎるエピソードで落ち込んだことを明かす。

「僕は『千棘って、金髪が似合ってスタイル抜群なので中条さんしかできる人いないよね。楽なんて誰でもできるからね』って言ったら、中条さんは『うん、そうだね』って言うんです。『あ、そうなの……』なんてちょっと悲しかったりしましたが、その素直さがすごくかわいらしかったです」。

中島の発言に対して中条は「千棘の見た目のことを言われたので……。楽は普通の男子という設定たったから、誰でもできると言ったんです。むしろイケメン過ぎるとは思っていたんですよ」と苦笑いを浮かべながらフォロー。続けて「彼はプロ意識が高いです。なんでも受け入れるんです。体脂肪率とか12%から8%に絞ったんです。肉がないじゃないですか! 見た目的には楽は誰にでもできるかもしれませんが、作品に対する愛の深さは、誰にも真似できないと思います」と中島がオンリーワンの存在であることを強調していた。

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互いに“振り切った”ことで見えてきたことがある。中条は、過去にもコミカルな作品に参加したことはあるが、本作で改めて「コメディってすごく楽しいんだな」と再認識できたというと、三谷幸喜が手掛けるような、積み重ねていくシュールな笑いにも挑戦したいという意欲が湧いてきたそうだ。

中島も、遠藤憲一とタッグを組んでいるドラマ「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」のPRで、台本なしの短いエチュードを経験したことで「自分のなかにあるコミカルなエッセンス」に気づいたという。本作でも瞬発力を活かしたアドリブにチャレンジし、多数採用されたことは自信になった。さらに「福田雄一監督が作り出すラブとコメディはすごい」と語ると、緩急が利いた世界観にもチャレンジしてみたいと夢を馳せていた。

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