アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノールのレビュー・感想・評価
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最後のCon Te Partiro良いね 彼が盲目の方と今日初めて知った。凄いね。
欠点だらけの映画だけれども、アイドル映画として、僕は楽しめた。
最後のCon Te Partiro良いね。
『タイムトゥセイグッバイ』英語だとそうなるか。イタリア語の方が良いですね。
最初の椿姫の乾杯の歌も良かった。
この映画の欠点の一つは『英語だ』と言うことかなぁ。イタリア語なら、本当に良かったのにね。まぁ、歌は全部イタリア語だから良いけど。
邦題もストレートに映画を語っているし、その点がただただ興ざめする。
『the musicof silence』こっちの方が良いと思う。
但し、奇跡のテノールとまで僕は思わない。やっぱり『トゥーランドット』やるなら、通して、やってもらいたい。但し但し、彼は盲目なのだから、その点が大変に難しい。しかし、もし、それができたら、奇跡になると思う。
遅咲きの天才テナー歌手アンドレアの恵まれた才能と環境の美談の物語
盲目のテノール歌手アンドレア・ボチェッリの自叙伝『Tha Music of Silence』を「イル・ポスティーノ」のマイケル・ラドフォードが監督した音楽家映画。オペラ歌手としては遠回りの遅咲きだが、生来の哀愁を帯びた美声に節制した身体づくりで張りと力強さをを加えて開花するまでが丁寧に描かれている。一つ一つのエピソードを時系列に重ねたラドフォードの演出は、メリハリ弱く平坦で盛り上がりに欠けるも、有名オペラ曲の名唱をたっぷりと聴くことが出来るのは魅力だ。音楽に救われた映画と言えるだろう。それでも、所々に印象的な良いショットがあるのも、この作品の良さとして挙げられる。
風光明媚なトスカーナ地方の小村に生まれて、愛情豊かな両親始め恵まれた人間関係と裕福な家庭環境の中、音楽の才能を育む主人公アモスが、変声期を向かえて一度歌手の道を断念するところが興味深い。その前のイタリア統一の英雄の名を掲げるジュゼッペ・ガリバルディ寄宿学校の描写がいい。音楽教師が目が見えなくともアモスの声を聴き分けるところや、指を鳴らして引き寄せるところ。この盲学校のサッカーの授業では、最初は蹴った音が響く四角い缶をボール代わりにしている。この降りしきる雪のシーンの美しさ。上級生になったカットがオーバーラップで続いて、ゲームに慣れた生徒たちは普通の白いボールを使っている。これが真面にアモスの顔を直撃して失明してしまう。また、最初の手紙の隅に打たれたアモスの点字を両親・親族が指でなぞるカットもいい。イタリア家族の温かさが沁みる映画的表現の一例と思う。
その後自立するために一般の文科系高校に入学し、弁護士を目指して大学の法学部に進学するアモス。高校では点字の教科書を持っていないにも拘らず、音読するよう故意に当てる教師の冷酷さ。それでも遅れた勉強対策として、銀行の元支店長エットレを家庭教師に雇い、参考書の朗読を次々と録音していく。大学卒業のピンチでも活躍援助するエットレや優しく肩に触れて親切に接してくれた親友アドリアーノとの音楽活動と、アモスの周りには彼の人柄を反映した良い人たちが集まって来る。歌の才能に惹かれたエレナも、その美声から滲むアモスの人格に惚れたようだ。そして、転機が30歳の時にやって来る。ピアノの調律師から紹介された声楽指導者インフィエスタとの出会いだ。酒・たばこ禁止、十分な睡眠時間の習慣化、歌う時以外は沈黙の厳守。灰皿をピアノの上に置いてバーの舞台で喫っていたことを隠すアモス唯一の嘘。心入れ直して、本格的なベルカント唱法の禁欲的な肉体改造を習い実践し、才能を磨き上げる。歌うことだけに全精力を捧げるプロのオペラ歌手の厳しさが分かり易く表現されている。この過程のアントニオ・バンデラス演じるインフィエスタの奥さんが、傍らで優しく見守る眼差しがいい。
盲目というハンディキャップを抱えても、歌の才能と多くの人達から支えられ愛された人柄の良さに恵まれた美談の物語。反面、自伝故の裏の部分の描写が無いのが物足りなさになっている。実際は、11歳離れた最初の奥さんとはふたりのお子さんを授かりながら、結婚10年で別れている。ロック歌手ズッケロとのツアー契約を待たされる凡庸なエピをカットして、そんな逆境のところも少し加えたなら良かったと思う。キャラクターで一番良かったジョバンニ叔父さんでもう一つと、歌手になった次男マッテオ・ボチェッリとのデュエットで閉めれば、もっと感動的なイタリア家族のオペラ愛が描き切れたと思うのだが。
愛し、愛された人生
生まれつき緑内障を抱え、後に盲目となるアモス。
鑑賞前は盲目に苦しみながらもテノール歌手としての成功を描いた作品なのかなと思っていたが、思いの外盲目に苦しむ描写は少なくとてと見やすかった。
もちろんこれは映画作品であり約2時間で彼の人生の一部を描くわけだから、本当は色んな苦悩があったと思う。ただこの作品だけで言えば、周囲が盲目である事を過度に扱わず、一人の人間として接して、愛情を沢山注いで貰ったことがハンディキャップを乗り越えテノール歌手としての成功を遂げたのではないかと感じた。
特に叔父さんは早くからアモスの歌唱能力の高さに気づき、優しく接し、その道に導いてくれた。
両親もまた、アモスの事を理解しアモスの意思を尊重しながら支えてくれてるように見えた。
両親はワイン農園を営み、裕福な家庭で生まれ育ったというのも要因の一つかもしれないが、アモスの周囲がとにかく優しく愛に溢れていた。
その愛を今度はアモスが家族はもちろん、愛妻のエレナ、そして歌に込めてきたからこそ大衆に愛され多くのファンに愛されながら支持を得たのだろう。
改めて洋画のこういうった愛情表現にはとても心打たれ、明るい気持ちにさせてくれる。
自然と彼の歌が流れると涙が流れた。おそらく彼の歌を耳で聴くのではなく心で聴けたからなのかな。
その時勝手ながらアモスと同じ気持ちになれたと思うことができた。
とても見やすく、そして自分の人生、気持ちを豊かにしてくれる。そんな作品だったと思う。
"Ah, music, beautiful. Make happy life." この言葉から彼の音楽人生が始まる。
音楽。音楽の偉大さ。カナダのユダヤ人指揮者が、子供達に音楽を教えている。その理由は一言、”非行”を減らすこと。フィリピンのセブ島でも似た活動があり、NPO法人”セブンスピリット”が音楽教室を立ち上げている。
この作品は、1人のテノール歌手の赤ちゃんの時から有名になるまでの数々の道のりをあまり大げさではなく、真摯に描いている。ただ、全ての映画評論家からは、無視をされた様な評価しかされていないのは、事実の事。例えば、この映画をある人は、”迫力のない抒情詩”と揶揄している。ただし、amazon.comでの映画レビューは☆5が80%に届こうとしているぐらい支持は高いものとなっている。
伯父さんも伯母さんも女中さんも、もちろん父親のサンドロも男の子が生まれたと諸手を挙げて大喜び。しかし、その数か月後、アモスが昼も夜もいつでも泣き止まない?心配した母親は、父親のサンドロは”泣くのは赤ちゃんの仕事さ”なんて言っているが、母親が持つ不思議な母性からアモスを病院に連れていく。
There is a department at the main hospital in Turin
where apparently thy perform miracles.
-You're saying my son needs a miracle?
ドクターが、無言で答えるほど彼の病気の重大さを映画を観ている者に理解をさせている。
居ても立っても居られない母親は、教会に祈りを捧げる。その協会に飾っていたのは、ルイス・デ・モラレス作「ピエタ」。哀れみ・慈悲などを象徴する意味の聖母マリア像を見ているだけで悲しい物語が伝わってくる。日本の映画では、ここで御主人がステレオタイプ的発言。”お前のせいだ”。なんて飛び出したりするけれども、この映画では、助け合う両親を見ているだけで、この映画の質がわかり、観ている者に見やすく提供されている。アモスは何年も入院をしている間、四六時中、駄々をこねて、母親を困らせていたが、工場で酸を目に受けて、入院している男の人が、オペラ音楽をかけていた。それを聞いたアモスは母親に連れられて、病室を訪ねると次の言葉が待っていた。”Ah, music, beautiful. Make happy life.”
しかし、時間の過ぎるのは早く、病状の改善が見られないアモス。かかりつけの医師から盲学校に通う事を進められる。そして赤ちゃんから一度も離れて暮らしたことのないアモスの両親。父親が新聞紙で顔を隠して車で妻を待っている。何故? もう少しで涙腺が解放状態になりそうになった。
時は流れ、13歳になったアモス少年。その夏、家族全員で避暑に出かけた時、事件が起こり彼の人格形成がを象徴するシーンの流れとなる。荒れた海に友達と泳ぎに出たが、あの優しすぎるくらい優しい父親サンドロが厳しく叱りつける。
Don't you realize what could have happened?
It could have happened to anyone.
Yes, to anyone stupid eough to go swimming is such a rough sea.
But appearently the only idiot here is you.
And what about the others? I don't force them to go in.
I don't care about the others, youare my son.
And you should be smarter than the others.
Dad, you don't understand.
If the others jump over an obstacle,
I have to jump over a moutain.
If they ride a horse, I have to ride a tiger.
If I want to be like other people,
I have to do better than them.
And you know who taught me that? ........ YOU!
ただその時には、アモスは失明をしていた。
ある日盲学校にいるアモスから両親あてに手紙が届く、その手紙には点字の文字が、一同われ先に点字に触る。”Strange, I feel him so close.”
この物語は、大きく2つの時代に分かれる。子供時代の闘病と盲学校の時代。アモスの学生時代のピアノバーでの生活。結婚もし、大人になった時代。つまり有名になるまでの羽陽曲折、波乱万丈、友人との出会い、そして何よりも愛する女性の存在。
ある時、大人になったアモスはピアノの弾き語りの仕事をしていた。ピアノの調律をしている男の人からマエストロを紹介される。その意外な練習法は....?
Until you have learned to use your voice properly,
do not sing, do not even practice.
Nothing. Zero!
How much do you talk? To ask the time, for instance,
how many words do you use?
-I say ... what time is.....
Too many words!
Silence.
Do not speak.
Noon, two o'clock, who cares what time it is!
Silence! Silence.
Silence is the most important
and the most difficult disciplen. この映画の題名がわかるセンテンス。
マエストロ役のバンディラス。いつもの脂ぎった演技で臨まれたらたまらない映画。少しだけ垣間見るが、いたって不思議な彼の音楽の練習法とその指導法。そして人生観。ロックコンサートに出演することを説明に行くと、アモスはてっきり反対されると思っていたが、軽く裏切るような演出がなされている。
後は、エンドロール・クレジットで、アンドレア・ボチェッリのサクセス・ストーリーを写真で紹介するシーンとなっている。
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