劇場公開日 2019年7月20日

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「涙なしには語れない」存在のない子供たち ▼・ᴥ・▼ Leo★/Rさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0涙なしには語れない

2022年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

泣ける

悲しい

知的

中東レバノンの幼児虐待、人身売買、児童労働、難民、不法移民、不法就労、
不当搾取を鋭利に描く社会派ドラマです。

■「両親を訴える―僕を産んだ罪で。」
両親を告訴するという衝撃的なオープニングから心を鷲づかみ。

■小さな男の子のたくましい姿に泣ける
中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、
自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。
学校へ通うこともなく、物心ついた頃から兄妹たちと路上で物を売るなど、
朝から晩まで両親に働かされている。
そして家を出てから1人で生きていこうとするゼインのたくましい姿に
心を打たれます。

■子供が赤ちゃんの面倒をみるなんて・・(´;ω;`)
しかも他人の赤ちゃん。お世話になった人の赤ちゃんではあるけれど。
自分が生きていくのにも必死なのに、赤ちゃんまで。。。
自分と同じ状況の赤ちゃんを放っておけなかったのかも。
小さな身体で赤ちゃんを抱っこしながら歩く姿を見て泣けてくる。

■赤ちゃんに癒される
とっても可愛い赤ちゃんヨナス♥
めちゃくちゃ可愛いくって無邪気な表情を見ると
この笑顔を守ってあげたいと本気で思います。

■実話ではないけど、キャストは近い境遇の人が演じている!
主人公を始め出演者のほとんどは、演じる役柄によく似た境遇にある
演技未経験者が集められました。
すごくないですか?ド素人なんです。なのにこの素晴らしい演技は?!
ゼインくんも妹役のサハルちゃんもシリア難民。
ラヒルを演じた女性は、戦乱のエリトリアからエチオピアに逃れ、
働き口を求めてレバノン入国した不法入国者。
ヨナスちゃんは、レバノンで出会ったナイジェリア移民の男性と
ケニア移民の女性の間に生まれた子。

■監督も弁護士役で登場
監督は女性で、後半に弁護士役で出演しています。

■平和ボケしていたことに気づかされる
こういう作品を観ると、日本がどれだけ恵まれているのか分かります。
だってこの映画は2018年制作です。古いお話じゃない、つい最近の映画。
世界に目を向けなければならない・・と思った。

映画でこんなに泣いたのは久しぶり。
感動の涙じゃなくて・・とにかく悲しくて、心が痛いです。

私は過去にセーブザチルドレンに寄付をしたことがありますが
平和な世界になるように私たちがやれることを、もっと考えたいです。
多くの人にこの映画を知ってもらいたいと思いました。

Leo★/R