「恐ろしい中東の現実を…」存在のない子供たち ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしい中東の現実を…
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目の当たりにする、まるでドキュメンタリーの様なリアリティ。出生証明書がない少年ゼイン。学校にも行けず、行こうとしても両親に断られ、路上で働く。子供を生むだけ生んで、労働させ、女子は売り払う。まさに毒親。周囲も彼らを気にしないし、よくある風景といった感じ。エチオピアからの不法移民親子も、いつ追放されるかという恐怖と隣り合わせで必死に働き暮らしている。貧困があまりにも過酷すぎる。両親を訴えるというゼインの選択は両親が悪いという単純なものではなく、社会全体への問題提起。ゼインの演技は素晴らしいし、あの表情、目は自身厳しい環境で育ってきた者にしか表現できないと思う。妹のサハルが死んで、悲しんだ両親が、また子供を生んでサハルと名付けようとする姿、行動こそ、代わりは生めばよいという、子供を代替品としかみていない、何とも悲しい現実だ。日本でも毎日新聞が無戸籍の子供のニュースを展開していた気がするが、遠い国だけの話ではない。
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大粒 まろんさんのコメント
2022年3月6日
コメントありがとうございます。この映画を観た時、本当に言葉が浮かびませんでした。何もできない虚しさでいっぱいですが、せめて自身の目の届く範囲は優しくしていきたいです。