劇場公開日 2019年7月20日

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「こんな現実もあるんだなぁ…」存在のない子供たち Shiori Otaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0こんな現実もあるんだなぁ…

2019年9月8日
iPhoneアプリから投稿

仕事も恋愛もうまくいかない。
何のために生きているか分からない。
実家に帰ったら親に「わたしはあんたの親じゃない。」と言われて人生に疲れ切っていた時、この映画を知って見たいと思い、やっと見れた。

主人公の置かれている状況は悲惨。
出生届も出されていない、親には金稼ぎの道具にしか思われていない、大事に思っていた妹はニワトリと引き換えに11歳で嫁に出されてしまう。
そんな状況にありながら、妹を思いやったり、ひょんなことから出会った血の繋がりのない赤ちゃんを自分の弟のように思い守ろうと走り回ったりする主人公。
希望がない中で、自分が生きるのに精一杯な世の中で、生きるために誰かのために行動できる主人公は尊い。

血も涙もないような両親に育てられ、何であんなに良い子に育ったのだろうか。
血の通った心を持ったからこそ、親の行動が許せなかったのだろうし、自分と同じ境遇の人をこれ以上増やしたくないと思ったのだろう。

全体を通して希望もないし、重い現実を淡々と描いていた。
主人公がこの先どんな人生を辿っていくのか、わからないが強く生きて欲しい。

自分も強く生きていこうと思える映画でした。

apeiron