「大人は判ってくれない」存在のない子供たち 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
大人は判ってくれない
レバノンのスラムから家出した少年が不法移民のエチオピア人の幼児の面倒をみるという究極のサバイバル状況を描く。ドキュメンタリーのような撮影方法なので、その綱渡りの毎日が直截に迫ってくる。裁判の場面とラストの一気呵成の解決のあたりだけドラマ的な作劇が感じられたが。
ドゥニ・ヴィルヌーヴの「灼熱の魂」もレバノンが舞台だったのを思い出した。苛酷な国情は依然として続いているのだろうか。
冷房の効いた映画館の椅子に座って彼の国の映画を見ている我々の空々しさが何とも居心地悪く感じられた。
コメントする