「大切なことを描いた映画」存在のない子供たち CBさんの映画レビュー(感想・評価)
大切なことを描いた映画
身分証明書=出産証明書がない少年が、両親を訴える話。
この映画を観た人は、普段気づかない、身分証明書、日本では戸籍票の重要さに気づく。
暮らしの中で、ありがたいと思うことはないが、なかったらこんなに大変なのか、ということを実際に観せてくれる。
そしてレバノンという国の過酷さ。難民なら受け取れる奉仕の食事は、自国の貧民には与えられないという、現実的な矛盾。貧民街では、子供が生まれても出生届を出さないことが日常茶飯事ということ。少女は、初潮を迎えたら、口べらしなのか、すぐに誰かと結婚させられるということ。
毎日を暮らしている彼らにとっては当たり前のこういう事を、ひとつひとつ驚きをもって、みつめる我々。そして、ずっと観ていても救いが訪れない結末。
苛酷だからこそ、何が大切なことなのか、子供を育てる上で、絶対に怠ってはいけないことは何なのか、がクリアにあぶり出される。
みんな観るべき映画だよね、疲れるけれど。
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とみいじょんさんのコメント
2024年6月12日
共感とコメントをありがとうございました。
業界内では有名な臨床心理士は「人との出会いが人を変える」と言いました。
ゼインは、刑務所でニュースを見て初めて、自分の育てられ方は虐待だったと気が付き、それをどうにかしようとしている人達がいることを知りました。でも、それって、ラヒルとヨナスとの暮らしを経験したからこそ、気が付けたことだと思います。
袖すりあうも他生の縁。そんな出会いを私もしたいと思います。
これからも、CBさんをはじめとして、いろいろな方のレビューを拝読させていただきつつ、いろんなレビューを書いていきたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。