「ドスンと重い傑作…」存在のない子供たち ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
ドスンと重い傑作…
ドスンと重く目を背けたくなるが、目を離せない傑作。
限りなくドキュメンタリー的な手法で撮られたスラムは、それでもなおどこまでも美しい。そうした手法に反して、シナリオは極限まで練られており、決定的な転換も直接描くことよりちょっとした台詞で観客に示される。
主要な登場人物は役に似たような境遇の人たちから選ばれたとのことで、レバノン映画ながらシリア難民が多いが昨今の中東の情勢を映している。
だが映画は中東情勢を描きたいのではない。この世界は出来損ないだが、出来損ないだからこそ排除しあったり憎み合ったりするのでなく愛し合うべきだと教えてくれる。
主人公の少年の演技が信じられないくらい凄いし、ラストシーンが素晴らしすぎる。
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