「ゼインの強さ」存在のない子供たち ワイルドとみまるさんの映画レビュー(感想・評価)
ゼインの強さ
邦題に惹き付けられ、更に中東の社会問題を
描いた作品だと知りずっと気になっていた作品。
キャッチコピーから想像すると法廷劇なのか?
日本版ポスターに写る幼いこの少年が何をしたんだろうか?
とにかく心待ちにしていた作品。
と同時に果たして作品の重みに自分は耐えられるのだろうか心配も
あった本作。
結論から先に。
涙無しには観ることの出来ない素晴らしい作品。
125分があっという間で感動で心が充たされました。
泣けるから作品が良いとは限らないですが、
想像以上の奥深い物語の展開、主人公ゼイン少年の美しさ瞳を
通して映し出される世界観、様々な問題を抱えるこの地域の厳しい
現実に焦点を当てながらも生きることに対する揺るぎない逞しさ、
そして純粋さがこの作品にはあると感じました。
この作品には幾つかの涙も存在します。
それぞれの涙を通して社会問題を
見せつけられるし、個人的に感じたのは母親の辛さと強さ。
またこの作品の魅力は厳しい現実の重苦しさ一辺倒では
ないところでしょうか。
こういう作風に仕上げられるのはナディーン・ラバキー監督のセンスなんでしょうね。
彼女の今後の作品にも注目したい。
そしてゼインを演じたゼイン・アル・ラフィーアくん、
彼のピュアで力強い瞳の先に何があるのか是非スクリーンで
体感していただきたいです。
コメントする