「強烈なメッセージに圧倒される」存在のない子供たち ミツバチば~やさんの映画レビュー(感想・評価)
強烈なメッセージに圧倒される
大人がいかにずるく、大人というだけで信用を得ることができる存在なのかを思い知らされる。
その「おかしな社会」のなかで、ジッと大人たちを観察し、批判し、判断してきたゼインの決断にとにかく圧倒される。
もう、騙されない!そんな言葉では、納まりがつかない、決着をつけようとするゼインの覚悟に圧倒される。
この映画の展開の素晴らしさ、シナリオの的確さ、ゼインのキャスティング、そのどれをとっても監督の強い意志が現れている。
とにかく、素晴らしい。
どこの国も、貧困と搾取、児童虐待は深刻なのだと。
そして、「育てられないならば産むな」
というメッセージは、当事者の子どもにしか言えないことなのかもしれないとさえ思う。
「育てる」ってどういうこと?
何が必要なのか。
最低限、ただ一つ。
一緒にいても、離れていても、ただ一つ。
それがあっても、育てることはできないかもしれない。
けれども、それがなければ、他に満ちていても育たないんだろう。
監督の次回作に期待です!
コメントする