バハールの涙のレビュー・感想・評価
全58件中、21~40件目を表示
衝撃過ぎた…
いや〜、観るに耐えられない場面が多々
ホラー映画なんか比べられない程の
心臓バクバク 血圧上昇 手に汗握る…
母の子供への愛は強く逞しい
自由への30メートルではもう祈ったよマジ!
ある意味で5つ星⭐️です
圧倒的なドキュメンタリー的訴求力!
女性部隊の隊長バハールと、一緒に戦場を回る従軍記者マチルドのふたりの視点で、ISが横暴を奮うサハド政権下のシリアでの女性の悲劇と闘いを描いた映画。
ラスト、バハールが右手の銃を高く掲げ、マチルドが応えて右手を高く上げるシーンが、この上なくかっこよい。
この ”かっこよい“ は決して上っ面な意味ではなく、ふたりの生き方への賛辞として。ぜひ観て、感じてください。
基本的には銃声だけが響く戦場シーンに、バハールがたどってきた過酷な過去を振り返るシーンが混ざり合って進む。緊張感だけがずっと途切れない。
息子を救出できるかどうかのエンタテインメント映画でありながら、ドキュメンタリー的な訴求力を圧倒的に持つ映画だ。まさに映画の価値のひとつ!
なりふり構わぬ、愛が成せる力強さだった。 彼女達の底知れぬ力は、地...
なりふり構わぬ、愛が成せる力強さだった。
彼女達の底知れぬ力は、地位と名誉のために戦う力とは比にならないものだった。
沸々と湧き上がる彼女たちの感情をよそに、安らかにまるで愛するものを抱くように眠る、支配する者たち。
嘲笑うかの様に彼女たちは力強く立ち向かう。ただ子供への愛情の為に。
この状況は
たまにニュースでも報道されるISの話ですがあまり知識がないので観てきました。
想像以上に酷かったです^^;
いきなり襲撃してきて片っ端から射殺(T . T)
女子供は拉致してレイプ(T . T)
そこから失うものは何もないとして目には目を歯に歯をで武装化して対抗するしかない姿は言葉が出ませんでした。
でもラストで息子と再会出来た時はホッとしました。
戦争の不条理さに胸を突かれました
ISと闘うクルド人女性戦闘員とその部隊を描くヒューマンドラマ。ISの残虐さ、特に女性に対する卑劣な暴力は既に数多の報道で知られているところですが、ISに囚われながら奇跡の生還を果たしたクルド人女性バハールが、兵士になってISの掃討に身を捧げる姿を報道者目線で描いてくれました。作中の戦闘シーンは思いのほか地味ですが、案外それが現実なのかも知れません。しかし、明日も生きていられるのか分からない、ヒリヒリとするようなリアルな戦場の緊張感は十分に伝わってきましたし、命からがらやっとの思いでISから逃れてきたのに、今度はより一層危険な戦場に向かう彼女の生き様を見ていると、彼の地で現在進行形で起こっている事柄の不条理さに本当に胸を突かれる思いがしました。
凌辱されたにも関わらず、強く優しくなれるオンナの生き様
IS(イスラミック・ステート)が恐れた、女性だけで構成された戦闘部隊"太陽の女たち"(Les Filles du Soleil)の話。
主人公の"バハール"は、クルド人の女性弁護士。イラクのクルド人自治区で幸せに暮らしていたバハールは、ある日突然、ISに村を襲撃され、息子を奪われてしまう。
男性は即時処刑、女性はISの兵士にあてがわれ、男の子は戦闘員としての育成訓練に連れていかれてしまった。
バハールは、国際的な支援によって、なんとか脱出に成功するが、安全な地域で避難生活を送るどころか、同じ被害女性だけの戦闘部隊、"太陽の女たち"を結成し、ISとの最前線での戦いに身を投じていく。
この作品が秀逸なのは、フランス人の女性ジャーナリストのマチルドが、バハールを取材するという形で、戦闘の最前線が描かれているところ。ここに、まるでドキュメンタリーのような緊張感とリアリティが発現する。余計なセリフがないのに、マチルドの取材行動が前線での状況説明を補完しているのだ。
やがて立場は違えど、マチルドとバハールは女性同士で共鳴し合うようになっていく。この映画で描かれるのは、肉体的にも精神的にも凌辱されたにも関わらず、強く優しくなれるオンナの生き様だ。
どんどん引き込まれて、だんだん現実味を帯びてくるのだが、実はマチルドもバハールも架空の人物だったりする。
監督・脚本は、やはり女性であるエヴァ・ユッソン監督。複数の女性クルド人戦闘員に取材はしているものの、主人公のバハールは、創作された人物。イスラム原理主義らしいのは、ISは"女に殺された者は天国に行けない"と信じているところで、やがてISの戦闘員たちは、武装した彼女たちを恐れるようになっていく。
一方でジャーナリストのマチルドも、モデルとなる2人のジャーナリストの合成である。
モデルのひとりは、文豪アーネスト・ヘミングウェイの3番目の妻で従軍記者として活動したマーサ・ゲルホーン。エミー賞を受賞したテレビ映画「私が愛したヘミングウェイ」(原題:Hemingway & Gellhorn/2012年)で、ゲルホーンをニコール・キッドマンが演じている。
もうひとりは、海賊のように片目に眼帯をしたメリー・コルヴィン(Marie Catherine Colvin)である。世界中の紛争地を渡り歩き、戦地で負傷した左目に黒い眼帯がトレードマークになっていたジャーナリスト。
彼女の生涯を描いた映画「ア・プライベート・ウォー」では、コルヴィンを演じたロザムンド・パイクが、ゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ドラマ)にノミネートされている。今年(2019年)秋公開予定である。
オンナの監督が作った、オンナのジャーナリストの視点による、家族のために戦闘の最前線で戦うオンナたちの姿。
(2019/2/5/シネスイッチ銀座/シネスコ/字幕:不明)
本当に見たくなくて、本当に見なければならない映画
本当に見たくなくて、本当に見なければならない映画だった。
日本では絶対に聞くことのない無機質な銃声が響く戦場で戦う女性。
「私たちの経験ほど悲惨なものはない」
そう言うバハール達。
世界では、一体何人の女性がそう思っているのだろう。
けれど女性の皆さん。全男性を敵だと思わないでください。
私が鑑賞した回の劇場の観客の大半は、中年の男性でした。
みんな、必死で理解しようとしています。みんな必死で共に幸せに生きようと思っています。
どうか一部の異常者を、一般的だと思わないで。
争いのない世界を、共に作っていきましょう。
性差があっても等しく同等
胎があるということはそれだけで「優遇」されたり「蹂躙」されるのか。畏れのせいか?
戦争モノが好きな人には「素晴らしい戦争テーマの映画」であることを、
人間ドラマが好きな人には「暗闇の中でも諦めずに希望を手にする映画」であることを、
そして戦場という場所が、ただ意図的に数を合わせた活躍ではない男女同権の場であることを見る。
女だって権利があると意図的に女性を選別する映画のうわべだけの薄っぺらいことよ。
だがこの映画は誰よりも悲惨な目に遭わされた女、人間の希望を失わない映画だった。
重苦しい場面も手に汗握る苦しい場面もある。
気軽に見れないかも知れないが、素晴らしい作品だった。
自己責任
クルド人、IS、アサド政権、アメリカの立ち位地など、政治音痴の自分には分からない。僅か数年前に世界ではこういう事があったのだと、平和ボケした自分に気づく。昨年、日本でも自己責任騒動があったが、やはりジャーナリストは危険を冒してまでも、真実を伝えなくてはいけないことを痛感した。
女 命 自由の始まり
限りなくノンフィクション。
現在進行形の戦いと過去に起きた凄惨な経験を交互に見せるつくりが身に刺さる。
女性記者マチルドと女性兵士バハール、立場は違えど目的を持ち勇気を持った行動とその境遇はどこか似たところがある。
力強いバハールの瞳は、大きな痛みを抱えて時折どこか虚ろになる時も。
それでも仲間を鼓舞し、情に厚く作戦を引っ張る姿が本当にかっこいい。
戦場の歌声に胸が震えて涙が止まらなかった。
平穏な生活がいきなりぶち壊され、人間としての尊厳をことごとく削られる恐怖。
バハールの過去はその場の女性皆んなの過去で、戦う人も死んだ人も行き場のない人もそれぞれ壮絶な経験をしているという事実が辛かった。
数少なく差し伸べられる手を掴めるかどうかのせめぎ合い。「逃げて殺されるなら本望」か…。
こんな状況でも新しい命が産まれて、まさに死が生を産む瞬間を目の当たりにする。
母は強し、なんて簡単に言えたものじゃないな。
もう一人のバハールがどうか幸せと平穏のある未来を生きていけますように。
真実を伝えること。マチルドが放った世間の人の反応には耳が痛かった。
日本人記者が捕らえられるニュースが流れても「自己責任」だと冷たく放す世論に私もわりと同意だったから。
ワンクリックで済ませていたことをほんの少しでも知ってしまった時、どうしていいか分からなくなる苦しさに襲われる。
物語がひと段落しても戦いは終わらない。
ISによる暴虐は今なお続いていて、この事実にどう向き合えばいいんだろうか。知ったところでできることなんて何も無い。
それでも、伝えてくれる人がいる限り受け取りたいと思うようになった。
バハールの拳に、マチルドと同じく生命力を貰った気がする。
知らない世界が目の前で繰り広げられていた。同じ地球上にふたつの世界...
知らない世界が目の前で繰り広げられていた。同じ地球上にふたつの世界が存在する事を改めて痛感、自分は悲劇に向き合っていない側の人間だとつくづく思う。危険地域に入る記者の覚悟に敬意を表する。悲惨な状況の中での女性の強さ、母親の愛が美しかった。
ISの恐怖、すぐそこにある戦争の闇
ISについては日本でも話題にはなっていたが、邦人が関係していない限り、他人事というような報道だった。この作品を見ると、クルド人の特に女性が、どのような状況に置かれたのかの一端を知ることができる。
主人公を女性記者にしているのも、仕事と家庭への愛情の葛藤など女性の目線を重視した作品になっている。
戦闘シーンも、それほどドラマチックにしていないのが余計にリアルさを感じさせる。
ワンクリックの裏の現実
私たちがワンクリックで見る報道の、真実に迫った作品。
女性報道写真家の視点からの現在(戦況)と、
元奴隷であり、いまは前線に立つ女性戦闘員の視点からの過去の出来事と、
二人の視点で描かれている。
(冒頭の場面で、爆発による土煙と、最後のそれとを繋げて見ることができる)
いつ銃弾が飛んでくるか、
いつ死ぬか分からない、
そんな緊迫感を常に醸し出している映像が、見ていて息苦しい。
後ろに流れる音楽が更に緊張を際立たせてくるのだが、若干煽り過ぎにも聞こえる。
アメリカによる空爆が、戦闘員として拉致され訓練された子供たちにも及ぶ、
その危険性というか、いかに無差別であるかも示しているように思われた。
素晴らしかった
ハバールが凛々しくて美しかった。女性だけの部隊が勇敢で強くてかっこよかった。戦闘シーンはシビアで怖い。特に手りゅう弾や地雷の恐ろしさに震え上がる。
国境を超える場面は超ハラハラした。なんで車で行かないんだ?と思ったが、きっと何か事情があるのだろう。
イスラム国を早速こんな映画にしてしまうとはすごい。これからもっといろいろ見られそうだ。
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