「DOGMANというタイトルがいい」ドッグマン Jiroさんの映画レビュー(感想・評価)
DOGMANというタイトルがいい
主人公マルチェロフォンテ(役名、演者名が同様)は犬のトリマー屋さん。
悪友のシモーネにはタカられたり、犯罪行為には及ぶものの、コミュニティのみなを愛し愛され、また犬を愛する描写からビジネスではなく犬への愛情を感じさせてくれる、善人であり普通の人間。
しかしこの作品は主人公マルチェロという人物を通じて人と犬、飼い主とペット、主従関係をメタっている。
狭いコミュニティを犬小屋のように見立てて、実在する殺人事件をシニカルに描いている。
実社会の不条理を、シモーネの圧倒的な暴力や閉鎖的で小さいコミュニティなどの舞台装置で見事に構築するマッテオガローネ監督の手腕は素晴らしい。
そしてマルチェロ役の演者マルチェロの演技。
喜び、怒り、怯え、悲しみ、そしてラストシーンで見せる空虚な表情に惹き込まれること間違いなし。
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