「犬のように暴力に隷属する男が…」ドッグマン エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
犬のように暴力に隷属する男が…
傑作「ゴモラ」のマッテオ・ガローネ監督作ということで、プライオリティMAXで臨んだ。
イタリアの海辺のさびれた小さな町。犬のトリミングサロン「ドッグマン」を営む主人公のマルチェロは、犬と娘を愛する心優しき男だが、暴力的な友人シモーネに従属し、不条理な行動をとり続ける。
暴力に支配されたマルチェロの「ありえない行動」に悶々としながらもグイグイ引き込まれた。凄い緊張感だった。果たして彼は変わることができるのか、このまま従属し続けるのかと…
クライマックスの「抵抗」に胸を撫で下ろしつつも、すっきりしない鈍い余韻が残った。
現代社会の不条理をミニマムな空間に詰め込んだような今作。映像も秀逸で紛れもない傑作だ。
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