「翔んで春日部」翔んで埼玉 tkさんの映画レビュー(感想・評価)
翔んで春日部
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春日部で育った私としてはもう笑いを通り越して感動モノでした。
配給予定だった東宝がビビッて逃げてしまったほどの埼玉ディスり原作です。脚本やキャストを一歩間違えれば大ゴケ&炎上も必至。
それを武内監督をはじめ、二階堂ふみやGACKTの真剣な全力演技でよくぞここまで仕上げたものです。
根底にあるのは埼玉愛。
これがあるから「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」「サイタマラリア」などの差別やいじめに繋がる倫理上危うい発言も笑い飛ばせるのです。
埼玉に何もないというのは本当で、私は小さい頃から学校の先生や親から県内の誇れる話をほとんど聞いたことがありません。また東京に隣接しているので都内に就職してからも埼玉には「ふるさと」の意識が芽ばえていません。田舎にも都会にもなり切れないダサさが自虐精神を根付かせているのです。
でもZ組の生徒同様、気付かないふりをしてるだけで本当は悔しかったのかも知れません。
麻実麗は言う。
「一番を競い合うのではなく互いを認め合えればそれでいい」
「埼玉には何もないだと? 否、我々には誇りがある!!」
そして最後の演説で百美はこの映画が伝えたかったメッセージを言っている。
「埼玉は埼玉のやり方で埼玉の良さを広めていこうではないか!」
拍手喝采です。もうあんたが県知事でいいです。
私は上映後に起きた観客の心地よい拍手とともに帰路に着いたのでした。
ちなみに春日部の映画館には入口に「翔んで春日部」と書かれた顔ハメ看板があります。記念撮影に是非どうぞ。
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