「翔んで神奈川」翔んで埼玉 kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
翔んで神奈川
あ〜くだらなくて面白かった。
関東ヒエラルキー抗争が三度のメシより好きな私にとってまさにド真ん中なガーエー。
個人的には大ネタよりも、よりローカルなヒエラルキーネタがツボでした。田無や八王子disからはじまり、さいたま三国志(大宮=曹操、浦和=劉備、与野=公孫淵)の抗争、果ては「執事だから、狛江か町田出身でしょ」の言い草とか!く〜イカす!
あと、春日部がよくネタになっていたけど、やはりクレしんの影響でしょうか?なんだかんだとネームバリューありますよ、春日部は。上尾とか蓮田じゃないもんね。
埼玉vs千葉の出身者バトルはかなり爆笑しました。人選がなかなか。やはりおなじバンドメンバーでも、秩父出身の桜○ではなく、高○沢なんだな〜と思い、少し複雑な気持ちに(私は桜○派です。彼のヴォーカルが好き)。
あと、千葉と言えば上がり成りのあの異星人が重要な役どころで一瞬登場します!いやーシビれました。
このように小ネタにキレのある本作ですが、キャスティングの絶妙さがヒットにつながったように感じます。ガクト・京本政樹・伊勢谷友介あたりは魔夜峰央のインチキロココ趣味にピッタリですね!ガクトは少しだけ若き日の大槻ケンヂに似ていて爆笑!89年くらいの筋少だと、オーケンあんな感じだったと思います。とろろの脳髄!伊勢谷友介も若き日の鳥肌実みたいでキチかっこ良かったです。玉と砕けよ!
二階堂ふみもコメディエンヌとしての才覚を発揮しまくったように感じました。立ち居振る舞いと顔芸が達者でした。エロ女神・武田久美子も降臨してましたし。
というわけで、かなり楽しめた本作ですが、私にとって正直諸手を上げて喜べない作品でした。
私の出身地・神奈川県がヒールとして描かれていることがしょうがないけど納得できぬ。
確かに神奈川は横浜(ごく一部ね、緑区とかではないよ、栄区は過疎化が進行しているよ!)とか湘南(平塚とかましてや秦野とかではないよ!)とかがありますよ。しかしねぇ、ブランド神奈川以外はネタにもならないのが神奈川の辛いとこなんですよね。私が生まれ育った県央地区は、ヒエラルキー的には千葉埼玉と抗争したり共闘したりできるポジションですが、基本無視されますからね。しょうがない事ですが本作でもガン無視です。
竹中直人演じた神奈川県知事は、崎陽軒(横浜・中区あたり、決して瀬谷区とかではない…とカッコ書きで済ましてますが、横浜内格差は実に見過ごせない問題。本作において横浜は新宿区や中央区といっしょくたにされてましたが、広い上にド田舎が内包されているので厄介ですよ。サイプレス上野とかプリンスオブヨコハマとか言ってるけど、アンタ戸塚だから!ケンさんがハマって言うのはわかるけど戸塚は俺たち県央地区ですぜ…と長すぎるカッコ書きがここで終わります)と加山雄三(茅ヶ崎、湘南でゲスね)とザ・神奈川ブランドを体現しており、しょうがないとはいえむかっ腹が立ちました。
出た出た、俺たち県央地区はまた無視ですよ!埼玉はいいよなネタになって、と国道と虚無しかない神奈川県央の街で育った私は本作に嫉妬を覚えたのでありました。
何せ私の地元は全政令指定都市中、愛着と誇りが最下位で、誇りに関してはぶっちぎりビリな上にマイナスですからね!マイナスってなんなんだ!
いいよな千葉埼玉はネタになって、神奈川は複雑なんだよ、とクサしてこの感想文は終わります。シッシッシ、マイナー神奈川は悲しいでゲス。