若おかみは小学生!のレビュー・感想・評価
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なかなか面白い
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事故で両親を失った小学生の女の子が、祖母の経営する旅館の若おかみになる。
そこにはで夭折した祖母の幼馴染の男の子と、同級生の姉の幽霊がいた。
主人公以外には見えず、主人公は彼らと仲良くしながらおかみとして成長。
最終的には偶然、両親をはね殺した家族が泊まりに来る。
かなり心揺さぶられたが、若おかみとして成長しており、受け入れる。
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なかなか面白かった。絵も結構好き。
幽霊を含めてみんなが善人で、みんなが頑張ってる。
この映画に生きる希望を与えられる人も多いだろう。
不覚にも泣いてしまいました
のんびりとお昼ご飯食べながらアマプラで見ていましたが気づいたら引き込まれていました。
思いの外キャラが多く出るなぁと思っていましたが、みんな魅力的でそれぞれの良さがありました。
ネタバレになりますが、おっこちゃんは両親を交通事故で失っており、その事故を起こした家族が泊まりに来た時のおっこちゃんの対応がとても良かったです。
自分が同じ境遇だったらおっこちゃんと同じこと言えたかな?
絶対受け入れられなくて憎んだり恨んだりするだろうに…。
若女将として一生懸命立とうとしている姿に泣いてしまいました。
見てよかったです。
今まで生きてきたなかで一番の時間潰し
映画館では2018年9月24日地元のイオンシネマで鑑賞
それ以来2度目の鑑賞
原作未読
児童文学らしいので童心に帰って観ることに心がけた
つまらない大人の上から目線だけは避けたい
当時『響』を観たあと次に観る予定の映画まで時間がかなり空いていたので時間潰しで観たのである
小6で両親を事故で亡くした旅館の若女将おっここと関織子は臨死体験をしたせいか幽霊を見ることができる
ヒロインをライバル視するピンフリの真月はキャラが立っている
女の子向けのお話には定番の絵に描いたような敵役
実際絵だけど
女将の幼なじみの男児も真月の姉も夭折し幽霊になりおっこに深く関わる
客引きの鈴鬼も登場
両親を亡くしても悲観に暮れることなく前向きなせいか見えないものまで次々に寄ってきて賑やか
イオンモール?に出かけて占い師グローリーさんとショッピング
ちょっとしたファッションショー
おしゃれが微笑ましい
まさか事故の相手とその妻子が泊まりにくるなんて偶然があるでしょうか
頑張るというキーワードに強い拒否反応を示すひねくれためんどくさいややこしい人たちはネットにもたくさんいるようだけど生理的に無理
滅私は本当に救いか?
いやきっっっっついわ...
途中でもう見るのやめようかと思った
確かに涙は出たけど、ただただ辛いだけだよこれ。感動では全くない
色々言いたい事がことがあるんだけど
まずアニメーションのクオリティはすっごく良くて質が高い
さりげない3DCG背景の自然な表現や、キャラの細部の所作とかエグいクオリティ
とくに最後の神楽のシーン。
派手さは無いんだけど劇場版でしか見れないレベルの動きの良さでアニメオタクとしてはたまらんデキ
あと全編を濃密な死の影が覆っていて、これがウケたんだなって事はよく分かった。
演出に関しても非常にうまい。身近な人を失った時の精神的エラーの演出がかなりリアルでちょっと怖いレベル。
両親を失った交通事故のシーンから、通常たどる筈の悲しみを消化するシーン(葬式とか)を一切経ずに、元気に引っ越しするシーンにぶっ飛ぶのとかめっちゃ怖い。実際振り返った時ってこんな感じの記憶の飛び方だと思うし、この時点で両親の死を受け止め損なってるってのがよく分かる秀逸なカット。
引っ越して直後は「私も両親を失ったから...」なんて言ってたのに、徐々に濃くなっていく両親の幻覚を受け入れ始めるのも本当にぞくっときた。人の狂い方の限りなく自然な描き方って感じ。表面的には明るく旅館で暮らせてるのが、より現実感をますんだよな。
ただ、シナリオの持つメッセージがダメ
あんまり作品のメッセージ自体に否定ってしたくないので、極力Not for meって表現を心がけてるんだけど、
この作品に関しては明確にダメだと思った
判断力のない子供に滅私を押し付けてはいけない
守るものがある責任を持った大人ならいざ知らず、ある日全てを奪われただけの被害者の子供にさぁ、
自分を殺して使命に殉じる事を美徳と感じさせるようなシナリオはちょっと違うんじゃないの??
原作が児童文学なので現役小中学性が見て感動する分には分かるよ
主人公おっこに感情移入して「強い子だなぁ」とか「幸せになってくれ」って感動するのはまぁ素直に見ればそうなるし分かるんだけど、
冷静に周囲の大人の立ち回りについて振り返るとポンコツどもしかいないんよね
子供の視点でのヒロイックなストーリーだから、大人は自我の無い脚本の奴隷になってる事を勘案してもな〜
一言で言えば「12歳の子供に何てこと言わすんじゃい」って感想しか持てなかったな
特におばあちゃんの立ち回りだけ見るとマジで鬼畜っすよ
冒頭なんで1人で引越しさせてんの??人の皮を被った鬼か?
まだ12歳の女の子っすよ
クライマックスの立ち回りもポンコツ感がエグい
シナリオ上おっこが困難に立ち向かうために脚本の犠牲になってる面は大いにあるんだけど、それにしても保護者としてちょっと頼りないな〜
まあだから、リアリティを度外視したあくまでもおっこ視点で感情移入するヒロイックなストーリーだよね
子供視点では確かに感情移入できるし、面白いんだけど、大人が感動するって言うのはちょっと違うんじゃないかな〜冷静に見てほしいな〜ってのが正直な感想っす
特にひどいのがトラックの運転手
ある意味で被害者であることは分かるんだけど結果として人を轢いてるのになんか不貞腐れてるオーラがマジでムカつくんだよな
そんないじけた性根だから若おかみとはいえ子供であるおっこに、人を轢いたことを漏らしちゃうんだろうね。しかも自分の子供がいる前で。
こいつ自分がやったこと全然受け止め切れてないんだよ
おっこより精神が子供。
挙句に旅館を移るタイミングで「おれがつらい」から移るんだとか言い出すし。口が裂けても言うんじゃねぇ。
なのでコイツは許すに足る人間か?って視点で見ると
最後のシーンが、ただただ「大人の考える美学のために自分を殺しただけ」で全然美しくない
許さない自由もある筈なのに、大人の美学でそれを曇らせるようなメッセージは最悪だよ
...と言う過程からこの映画は子供に見せたくないです
ちなみに原作の児童文学やテレビ版は見てないし、内容や切り口も少し違うみたいなのでそっちは分かんないっす
両親の死にフォーカスしてるのは映画版独自の切り口っぽいので、多分それが致命的なポイントなんじゃないかなって思う
これが一年とか掛けたアニメで、若おかみとしての生き甲斐とか矜持を見出してからの許しという結論だったらめたくそに感動したような気がするけど、90分でそれを感じさせるのは土台時間が足りないわ
要するにおっこが自分で選び取った選択だって説得力が薄いのが全ての原因かな〜って感じ
突出した感情表現と光演出
四季の移ろいで変わる日光の色と、オッコの心情の反映が見事。夏パートの鮮やかさで爽快な白色からの、別れの予感が始まる秋パートの西陽のオレンジ。 温度が感じられる画面。
二度目の春を迎え、一回り成長する主人公の物語がとても良くできている。
エンドロールやラストで、その後オチがあるのかと思いきや、潔いラストも素晴らしい!!
冒頭の事故シーンの暴力性も合わせて、終始巧みな演出にため息しかでない。
ホントは6年生ってもっとガキンチョでいいんだけど、青い鳥文庫だもんね。
究極の接客業
可愛らしいキャラクターの出てくるアニメ映画だけれど、両親が事故で死んでしまう重い展開しかしそういう辛いことを乗り越えたりお客様第一に思うところが良かった。自分は畑違いの仕事だけれど理不尽だったり迷惑なお客様に出くわすと嫌だなあと思うことがあるけれど、それではいけないなと考えた
後半の事故の相手の家族を許す展開・・・アレはとても偉いなと思った。
夢見る事ができればそれは実現できる。
1人の人間として、
このように
成長したいと願ってしまう
おはなしです。
ずっと前に観たのですが
感動した気持ちを
言葉にしてどう表現したら
いいのかわからなくて
ずっとおいてました。
dvdを改めて見て、
レビュアーさんのコメントを
借りて、
やっと当てはまる言葉が
見つかりました。
良い映画は
辛い現実を忘れさせてくれますが、
素晴らしい映画は
辛い現実に立ち向かう力を与えてくれる。
まさに、
辛い現実への立ち向かう力
知恵、考え方、対処の仕方、
頑張ってやりきった先の意味を
示しており、
その健気さとたくましさに
こころがふるえました。
涙がこぼれました。
明日、
もう一歩あるこうかな。
って思える作品でした。
おすすめ。
ジブリで培われたメソッド全開! 天才アニメーター高坂希太郎の才気を見よ!
不慮の事故で両親を亡くした小学生のおっこが、実家の老舗旅館で若女将として働くことにより成長していく様子が描かれたファンタジー・アニメ。
おっこの祖母、関峰子の少女時代の声を演じるのは『言の葉の庭』『君の名は。』の花澤香菜。
おっこの旅館のお客さんである大型トラックの運転手、木瀬文太の声を演じるのは『魔女の宅急便』『ポケットモンスター』シリーズの山寺宏一。
2003〜2013年の間に刊行されていた大人気児童文学をアニメ映画化。
宮崎駿の一番弟子とも称される天才アニメーター高坂希太郎が、15年ぶりに劇場用アニメーションの監督を手掛けた。
因みに彼が15年前に監督として手掛けた作品がロードレースアニメの傑作『茄子 アンダルシアの夏』(2003)である。
『茄子』を始めて観た時から彼のファンなので、本作も観たいなーとは思っていたものの、メインビジュアルに敷居の高さを感じてしまい結局見ずじまい…🌀
しかし!NHKで放送されると知り遂に鑑賞〜。
やはり食わず嫌いはよくない!尋常ではないクオリティの名作アニメでした!
映画の冒頭、お祭りの場面でもう心を掴まれる。
美術の美しさも素晴らしいし、モブに至るまで生き生きと描かれた人物描写はまさに名人芸。
衝撃的なトラック事故の場面もダイナミックかつ繊細な描かれ方がされており、この時点でもう名作決定という感じでした。
おっこが旅館で働くようになってからの、日常描写の演技の巧さは異常なレベル。
卵焼きの瑞々しさや、度が強いことがわかる眼鏡の描き方など、細部に至るまで手が抜かれていない。
アニメーションの楽しさを決める異化効果をここまで堪能させてくれるアニメ監督が、国内に何人いるのでしょう?間違いなく高坂さんはそのトップランナーです!
このアニメーションのクオリティの高さに冒頭から涙目になっていましたが、シナリオも道徳性の高いもので非常に感動的🥲是非子供たちに観て欲しい。
とにかく、おっこの成長描写の一つ一つが丁寧で感動するんです✨
はじめは虫や爬虫類を怖がっていたおっこが、やがてそれらを平気に扱う様になる様子は、わかりやすい手法ではあるが、上手い。
両親の死をうまく受け入れることができていない様子をさり気なく描き続け、終盤のエピソードで、遂にその死を受け入れることができる様になったということを、説明台詞などではなくアニメーションのダイナミズムと演出で魅せてくれるところなど、うーん、やはり上手い!
話題になるのもわかる素晴らしいアニメだが、問題点もあるあると思う。
幽霊のウリ坊と美陽の扱いが、少し物足らないというか、エピソードが不足している感じが否めない。
最終的に成仏するわけだが、やはりウリ坊とおっこの祖母・峰子との絡みが見たかった。ウリ坊と峰子がおっこを通じて交流し、その結果として成仏するとか、そういうのが欲しかった。
美陽も同様に、真月とふれ合うエピソードが一つあると良かったのに。
あと、事故の加害者である木瀬一家が泊まりに来るというシークエンス。
これは映画オリジナルの展開らしいが、個人的にこの部分には乗れなかった。
鈴鬼によって面倒事が呼び寄せられるという説明が入っているので、展開的な不自然さはそこまでないといえばないのだが、予約してきた段階でお婆ちゃん気付かなかったのかいな?とかちょっと細かいところが気になってしまった。
水嶺さんとのショッピングに行くというシークエンス。このシークエンス自体は非常に良かったが、試着室で「ジンカンバンジージャンプ」という頓珍漢な曲とともにファッションショーをするというシーンだけは、過剰に子供受けを狙いすぎている様な気がして受け付けなかった。映画全体のカラーに合っていないのでは?
そして、やはり一番勿体ないと感じたのは、とても根源的なことなのだが、メインキャラクターのビジュアル。
おっこ、ウリ坊、真月、美陽、鈴鬼というメインキャラのデザインは原作小説のイラストに忠実なのだが、やはりこのデザインには抵抗を感じてしまう。いやまあ子供向け作品なんだから、そんなことを言うのもお門違いなんだけどね💦
メインキャラ以外のデザインは、高坂さんの持ち味でもあるジブリチックなリアリティのあるデザイン。
好みの問題と言われればそれまでなのだが、可愛いキャラデザとリアルなキャラデザが混ざり合っていて、なんかチグハグな感じがしてしまう。
おっこと峰子さんが同じ血筋の人間に見えないんですよね。
原作から乖離してでも、メインキャラをジブリ風なデザインにしていれば、もっと劇場にお客さんが入ったかも。
何はともあれ、日本に新たな名作アニメが生まれたことは間違いない!
見終わった後には頬を涙が伝い、心が洗われること間違いなし!
これだけの名作を作った高坂希太郎監督の今後の活躍に期待してます!!
ワクワクと老婆心がミルフィーユ状態
やりがいのある素敵なお仕事、自分にしか見えない秘密の友だち、オシャレで格好良い大人のお姉さん、カッコいい同年代の男の子、言いたいことを言い合って認め合える友だち(良きライバル)…。
小学校女児の頃に憧れたものがふんだんに散りばめられていて、小学生の頃の私が呼び覚まされてアラサーながらワクワクしてしまった。
これ小学生の頃に観たら絶対大好きになるやつ!
しかし、おっこちゃんが良い子で健気で泣ける…。
作品のストーリーも職業体験的な感じを予想してたら、序盤から思いの外主人公の女の子の境遇がハードすぎて戦慄してしまった。
しかも終盤におっこちゃんにふりかかる試練…。
やめてくれよ…!涙
おっこちゃん、人間でき過ぎてて、小学生の子とは思えん恩赦の心とプロ意識を持ってて、逆に心配になってしまった。物語としては感動的なんだけどまだ子どもでいてもいいのよ…!と個人的には老婆心が顔を出してしまう…。
物語としてはお仕事、オカルト?、友情、子どもから大人への変化、等様々な要素てんこ盛りだったんだけど、おっこちゃんが別れと出会いを経ることで、自分が一人ではないことに再度気づくことができたという内容に集約させていたのはすごい。
あと背景の描き方とかすごく綺麗で凝ってて印象的。かなり気合いの入ったアニメーションだった。
予習せずに観て良かった
評判が良いことから映画館へ観に行こうとしていたものの、タイミングを逸してしまっていた作品。幽霊が出る話だとすら予習していなかった。幽霊が出てくるファンタジーだと知っていたら、お仕事ものにファンタジーを求めない私は観なかったかもしれない。予習していなくて本当に良かった。残念だったのは「客室が少ない旅館なのに当日宿泊を受け入れられるの?」「人気旅館なのに頻繁に空室があるの?」という余計な思考を招いたこと。予定調和な印象が残念だった。お仕事作品を好む中で、頻繁に引っ掛かるのが「言葉遣い問題」。本作には全く引っ掛かるポイントがなく快適に鑑賞できた(女将修行を始めたばかりの小学生が完璧だなんておかしいだろうという人は多いだろうけれど私には良かった)。面白かったのは、おっこが若おかみになるきっかけとなった挨拶シーンの大人3人の反応。幾度も笑えた。そして、本作で何より気に入ったのは「ジンカンバンジージャンプ」。今すぐにもう一度聴きたい。
小学生はおろか大人でも泣いてしまう
2019/02/14 早稲田松竹
2020/05/16 NHKで再見。
本当に小学生向けで作ってる⁈と思ってしまうくらい重厚なテーマを扱いつつ、おっこちゃんのひたむきさと鮮やかな色彩や自然の美しさ、いろんな人たちとの交流のあたたかさや面白さから引き込まれる名作。
基本的には、こんなしっかりした小学生居ないよ…とツッコミたくなるくらい、おっこちゃんも真月ちゃんも大人顔負けの女の子だ。人としても将来の女将としてもでき過ぎている。
あとなにかと皆身内を亡くしている気もするけれど、このあたりはあえてスルー推奨。
それでもこの作品が素晴らしいのが、すべての登場人物の存在が意味のあるものとして描き切っているところかなと。その人が生者か死者かを問わず。
良作だと思います
原作未読、映画版の方をAmazonPrimeにて視聴。
事故で両親を亡くした主人公が祖母の経営する旅館の若おかみとして
成長していく物語。映画版なので駆け足気味ではあるが、綺麗に
まとまっている。TVシリーズの方は未視聴なので、そちらではもっと
じっくりと描かれているのだと思う。
旅館のメンバー、ライバル旅館の跡取りである同級生、それぞれの背景を
もった宿泊客など登場キャラクターの個性と描写がうまい。
不思議要素として主人公にしか視えない霊の存在があり、主人公の心の成長
(両親の死とトラウマを乗り越え、これからの自分の居場所である旅館を
盛り上げて行くんだという決意等)と共にだんだん霊が視えなくなり最後は
お別れする展開が感動を呼ぶつくり。
美しいビジュアルの自然と建物、伝統を大切にしつつお客を呼ぶ方法を
いろいろ考え旅館街を支えていこうと模索してする地方の姿など、
しっかりと作り込まれた設定で安心感を持って視聴できる。
(原作が書かれたのは「若おかみ」の方が先らしいが)TVアニメ「花咲く
いろは」を先に観ているので、似通った設定やターゲット層の違いもあり
それほど強いインパクトは受けなかった。「若おかみ」はそもそも主人公が
まだ小学生であるのにあそこまではっきりと自己表現できるのはリアリティ
に欠けると思ったのが正直なところではある。
とはいえ、原作者が伝えたかったであろうものを限られた尺の中で映像化
しており、良作であることは間違いない。
何もかも一生懸命なおっこの姿は「大人」こそ見るべき!
若おかみは小学生!
鑑賞日 2018 10/21
累計発行部数300万部超の児童文学シリーズを映画化したもので、最初は見るつもりは無かったのだが、Twitterや映画.comのレビューでの評価が非常に高かったので、見に行くことにした。交通事故で両親を亡くしても客に対して元気に、気丈に振る舞い、何事にも一生懸命に頑張る小学6年生の主人公・おっこ(関織子)の姿には本当に感心して素晴らしいなと思った。旅館に住み着く幽霊達(ウリ坊、美陽、鈴鬼)にまで優しく接するおっこは本当に素晴らしいなと思ったし、その幽霊達との別れの来世で会えるという設定が面白かった。さらに最後、自分の両親を交通事故に巻き込み、死なせた客が来てもなお、その人を許し、優しく接するおっこは小学生とは思えないほど強い子だと思った。様々な旅館に訪れる客に触れて行くうちにおっこが少しずつ若おかみとしてたくましくなっていく姿は本当に魅力的だと思った。児童文庫が原作だとは思えないほどストーリーが意外と重く、「死」という概念を伝えるのにはとてもいい映画だと思った。予告編や、描写が子供向けのように描かれているが、常に懸命に頑張るおっこの素晴らしさは子供から大人まで伝わる映画だと思うし、むしろ大人が見た方がいい映画なのかと思った。だが、おっこの父親の声にとても違和感があった。
人生のベスト級!
かつての私は意固地でひねくれ者の『あかねクン』そのものであり、
まわりに気丈に振舞って見せたりする『おっこチャン』でもありました。
ひと昔前は『水領サン』のように蒙昧な自信で身を堅め派手な生活をして
気を紛らわしていた時期もありました。
そして理屈っぽくて名言・格言好きな『真月サン』みたいなのが、今の私です。
…と、まるで自分の半生を時系列で見せられているような、
身につまされた苦い痛みと羞恥心がないまぜになった
今までにない複雑な感情に私自身が震えました。
今の今までこの手の作品はかたくなに見まいと思っていましたが、
やっとこの作品をとおして自分自身に向き合うことが出来ました。
本作に関わったすべてのスタッフさん、
ありがとう。 本当にありがとう。
そして、少しでも交通事故がなくなる世の中になる事を切に願います。
みなさん、安全運転でね!
追記:今のわたしは『おばあちゃん』のように
愛情でもって優しく見守れる人物に
なりたいものです!
訳あり客も幽霊も悲しみも幸せも、若おかみが温かくおもてなし
原作は児童書シリーズ。
画のタッチは可愛らしい子供向け。ちょい萌え的。
てっきりTVシリーズの続きである劇場版と勘違い。
なので、当初はほとんど興味も関心も無かった。
が、じわじわ口コミで評判に。
こうなってくると、いつもながら気になり見たくなってくるミーハー心。
うん、確かにこれは、非常に良かった!
劇中さながら、“春の屋”の温泉に浸かり、心も身体も温かく満たされたような。
TVシリーズの続きではなく、劇場版として再アニメ化。
全くの“初客”でも難なく見れるのが有難い。
祖母が女将である老舗温泉旅館“春の屋”で、ひょんな事から若女将修行をする事になった小学6年生のおっこ。
当初は虫やヤモリを見ただけで悲鳴を上げる現代都会っ子。
おっちょこちょいで、ドジ。
旅館の仕事って、大変!
祖母や従業員に迷惑掛けてばかりだが、支えられ、奮闘・成長していく。
まるで朝ドラか昼ドラみたいだが、本当にその姿やこの作風が心地よい。
まだ子供で修行中だが、仮にも春の屋の従業員。
お客様が見えたら、誠心誠意おもてなし。
でも何故か、春の屋にいらっしゃるお客様は、風変わりで訳あり。
作家とその病弱の息子。
怪しそうな女占い師。
春の屋のモットーは、どんなお客様も拒みはしない。
健気で素直なおっこが、お客様の心を開き、交流を深める。
作家の息子は、おっこと同じ傷心が…。塞ぎ込む彼の為に、口に合う料理を作る。
美人で洗練された占い師のグローリー。気晴らしに付き合い、良き理解者、歳の離れた友達となる。
若女将が有名となり、春の屋は商売繁盛。
おっこは、若女将に普通の小学生に大忙し。
同級生に、いつも“ピンふり”(ピンクのふりふり衣装)ながら、豪華温泉旅館の一人娘・真月が居て、高飛車なお嬢様性格からか、おっことはバチバチ火花散らすライバルに。
春の屋にいらっしゃるのは、何も“人間”だけじゃない。
春の屋は、出るんです…。
おっこが春の屋に来て、最初に出会ったのが、幽霊少年のウリ坊。
明るく、フレンドリー。
実はこのウリ坊、おっこの祖母とある関係が…。
幽霊はもう一人。女の子幽霊の美陽。
彼女はおっこのライバルの真月と関係が。
さらにさらに、幽霊の他に、魔物も! 小鬼の鈴木…いや、鈴鬼。
時々春の屋の食べ物が無くなったり、訳あり客がやってくるのは、この小鬼のせい。
幽霊に魔物と、春の屋ってひょっとして、曰く付きで呪われてる…?
いえいえ、ウリ坊も美陽も鈴鬼もユーモラスで、おっこの成長も彼らとの交流や支えがあったからこそ。
言わば、守護天使。
でも、いつまでも見護られてる訳ではない。
おっこたちが悩みや悲しみを乗り越え、一歩踏み出し、成長したら…。
実はおっこは、深い悲しみを抱えている。
祖母の元に引き取られたのも、交通事故で両親を亡くしたから。
時折、両親と過ごした日々を思い出す。
また、ふとした場面で、トラウマに陥り、動揺を隠せない事も。
春の屋に、とある一家が宿泊に来る。
父親は長らく入院してたようで、久々の家族旅行。
食事制限のある父親の為に、おっこは真月に相談したりと、一肌脱ぐ。
ところが、おっことこの家族には、衝撃の事実が…!
普通だったら、絶対会いたくない相手。
何故なら…。
でもおっこは、受け入れる。
春の屋のモットー、どんなお客様も拒まない。
それはおっこ自身でもある。
自分自身の悲しみも幸せも、お客様たちの悲しみも幸せも、全て受け入れる。
まだまだ修行中だけど、私はお客様の心も身体もおもてなしする、春の屋の若女将!
温もりたっぷりの画のタッチも作風も高坂希太郎の演出も、情感に満ち溢れている。
ファンタスティックでコミカルであるが、しみじみと良質の人間ドラマでもある。
映画オリジナルの冒頭とラストのお神楽が印象的。
劇中度々登場する春の屋オリジナルの料理やデザートの数々が本当に美味しそう!
たまには、ゆったり温泉に浸かって、こういう老舗旅館に泊まってゆっくりしたい。
って言うか寧ろ、この春の屋に行きたい!
ほんのひと時でも、春の屋に泊まって、おっこらの温かいおもてなし気分に浸らせてくれる。
大人の鑑賞に耐える今年のNo.1
原作もTV版も知らず、予習無しでの体験になりました。
一度見たあとにTV版に目を通したのですが、映画はより大人向けです。児童も十分に楽しめるのですが、細かな心理描写等がなされています。
特に、自動車でのフラッシュバックや最後のお客様一家の話からくるおっこちゃんの孤独感の表現は見事としか言いようがありません。
強いて言えば、そこからの立ち直りが速すぎるという印象ですが、映画の尺を考えれば致し方無いところでしょうか。
ところで、冒頭のおっこちゃんが父に頭を撫でられるシーンの笑い声と、最後のお客様の男の子が同じように出す笑い声はほぼ同じです。もう無邪気な子供時代ではないおっこちゃんの成長をそこに見る事が出来ました。
平成最後の年の傑作アニメです。
良すぎてヤバい。今年屈指の作品では。
最初は児童文学の子供向けの作品だろうなぁと特に気にしてなかったけど、観た人の評価が高いのと予告編を観て、一気に観賞意欲が沸き、「茄子 アンダルシアの夏」の高坂希太郎監督と知って、余計に観たくなり、新宿バルト9で観賞しました。
原作もテレビアニメも未観賞で、どちらかと言うとアニメ作品は食指が伸びません。
ですが、この作品は観て良かった。
原作を読んでなくても、テレビアニメを見てなくても、映画作品はそれ自体が単体で成り立たなくてはならないと思うからこそ、劇場版だけを観て楽しめた幸せ。それぐらい良かったです。
いきなりの別れから始まり、出会いがあって、また別れ。
おっこの劇中の経験はほんわかな絵柄と裏腹に結構ハード。でも出てくるキャラが皆良い。
おっこも真月もおばあちゃんもエツ子さんも康さんもあかねもグローリーさんも文太も翔太もウリ坊も美陽ちゃんも鈴鬼も皆良い。
特にグローリーさんと鈴鬼が個人的に好き♪
皆良い人だから、終始幸せな気分で観れました。
作品が持っている雰囲気が良いし、絵柄も良い。声優の配役も絶妙。芸能人だけのキャストが最近多い中、きちんと本職の声優もキャスティングしているので、要所要所でビシッと締まる。演出もBGMも主題歌もみんな好き。
ガッツリハマったと言う奴でしょうね。
子供向けのアニメ作品と言うよりも、大人が観ても楽しめる。子供に是非観てほしい作品かと思います。
アニメーションと言う表現演出は実写と比べる事自体がナンセンスですが、その演出方法が行き過ぎると単なる殻に篭った自己満足に陥る作品が多いし、アニメがアニメ好きな人だけを商売にしている事自体が違うと思うからこそ、この作品の良さが染み入ります。
アニメは子供が観る物、もしくはオタクの物と
言う概念から解き放たれて、アニメーションだからこそ、大人が観ても楽しめる良質の作品を子供に観せたいと言うアニメ作品の1つではないかと思います。
面白すぎて、泣かして、良い作品に出会った気持ちで一杯で幸せと言うよりか、有難うと言いたい。
ずっと観てみたいと思いました。
好みはあると思いますが、ホント手放しでお薦めしたい、洋画・邦画・実写・アニメを問わず今年屈指の文句なしの作品なので機会があれば是非観て頂きたい作品です。
超お薦めです!
成長譚
予備知識なしの初見です
レビュー欄が割と高評価だったので観に行きました
絵柄からはかけ離れた印象の内容でした❇︎オバケからもらった魔法の力で旅館と地球の平和を守る女子小学生のハナシではありませんでした
導入部の交通事故で鬱展開を予想したのですが、PTSDの描写はあるとして全体的には重くはならずに、要点を子供視点にして物語を展開したので作品の世界観に引き込まれましたね
ラストで鬱展開の要素もちゃんと回収されて(そこ引っかかる人はダメを出すかなとは思いますが)、健気に前向きに生きる小学生を描くという事であればそれにのっかって楽しく観る事ができました^ ^
そこら辺ジブリっぽさもありましたね
旅館の客で来た鬱々しい男の子キャラを一所懸命に励ます事で、キャラ的にも話的にもカウンターを当てる事になりますし、ライバルキャラのピンフリも出番が短い割にキャラがたってたし、これは話数があればもっとエピソード作れる作品なんですねえ
オバケはアクセサリー的な立ち位置もありますが、この映画に関してはいないと困りますね(^_^;)
最後、見えなくなっていくくだりは他作品とのデジャブも感じましたけどこのオヤクソクは受け入れます
でも交通事故はあまりにも重すぎて現実的すぎて作品の取り扱いとしてはどうかなとは思う
全36件中、1~20件目を表示