「【”貴方たちはウズベキスタンの事をどれだけ知っているんですか?”異国の地で日本流儀でTV番組を撮影しようとしたクルー達が経験した戸惑いと、見出した新たな世界を抑制したトーンで描いた作品。】」旅のおわり世界のはじまり NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”貴方たちはウズベキスタンの事をどれだけ知っているんですか?”異国の地で日本流儀でTV番組を撮影しようとしたクルー達が経験した戸惑いと、見出した新たな世界を抑制したトーンで描いた作品。】
ー中央アジア、ウズベキスタンで”幻の怪魚”を探す日本のTVクルー(染谷翔太、加瀬亮、柄本時生)とリポーターの葉子(前田敦子)。
だが、異国の地で日本流の仕事の進め方は通用せず、徐々に焦りを募らせる。
葉子も、倦怠感を募らせ、見知らぬバザールに自らカメラを持って出かけ、彷徨いながらも、”ナヴォイ劇場”に辿り着き、夢と現実が交差する不思議な経験をする・・。-
■黒沢清監督の作品は、不思議な余韻を齎してくれる作品が多いが、今作はその中でも異色の作品。
-ウズベキスタンとの国際交流25周年を記念した共同作品という位置づけもあるだろうが、日本流儀を押し通そうとする染谷翔太を始めとする日本のTVクルー達のある意味、無礼な態度に対し、ウズベキスタンの人々が自分たちの流儀は曲げないが、優しく描かれる。-
・作中の人物で、プライベートも含めて最も迷える人物が前田敦子演じる葉子であろう。彼女が異国で言葉も通じない閉塞感の中、偶然辿り着いた”ナヴォイ劇場”で、自らの夢である歌手として、「愛の讃歌」を歌い上げるシーンは幻想的でもあり、印象的な場面である。
<葉子が異国で様々な出来事や東京に残してきた恋人を案じる中、徐々に自身を見つめ、本来の願望に目覚めていく過程は唐突な感もあるが、印象的なシーンでもある。>
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