騙し絵の牙のレビュー・感想・評価
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最後まで飽きさせない!
これは久しぶり面白い作品でした
兎に角テンポが良く
キャストの演技力で引き込まれていきます
何も調べないで特報で興味が湧いたら
見るべ作品だと思います
しかし、人物のディテールが甘さが
気になります
主人公は実家が本屋で本好きで
編集になったとすると
プロ意識としてオリジナルの原稿に
リスクを背負う様な事はするのか?
大事な原稿を持ち歩くのか?
そして紛失しても何故気が付かない?
というのは凄く気になりますが
面白さから考えると些細な事です
2020年度の最高傑作なのではないか?
と、絶賛してみます
私は小説を紙で読む派です。
なんの予習もせずに原作は机上にスタンバイしたまま初日鑑賞。
とても面白かった!
映画を観ながらスポーツ雑誌をつくってる友達がウェブに移行したり、出版社やめて田舎で教師になった友達がいたり…とバタバタしたことを思い出した。
大泉洋さんは大好きだけど、出版業界には似合わないなと思った。
それはそれでそのミスマッチ感から胡散臭さ滲み出るから何かが起きそうでハラハラして楽しめた。
真っ直ぐな新人編集者を演じた松岡茉優さんが忘れかけてた大切なことを思い出させてくれた。
キラキラしながら原稿を読む彼女の姿は好奇心や可能性や向上心に満ち溢れてる。
小さな書店をアイデアで救う勇姿が痛快で輝いてた!
彼女のおかげで乾いた心に真水が注がれたような気持ちになって、私はやる気満々で劇場を出て一駅歩いてしまった。
仕事でお付き合いがあった書店がだんだん閉まっていき、紙媒体の厳しさを感じながらこれも時代だから…と諦めていた。
小説みたいにはうまくいかないとは知っているけど…まだ出来ることあるよねって思う。
裏切りや陰謀が渦巻く出版業界。相当な奇策に打って出なければ生き残れない。
でもね、出版業界の皆さん。
私はまだまだ読みたい!見つけたい!度肝を抜くような小説を。
大好きな吉田大八監督の最新作。
主演2人も良かったけど、佐藤浩市さん小林聡美さん中村倫也さんなどなど、実力派キャストが適材適所で演技合戦してました。
大泉用さん、大泉酔うさん、あっ大泉洋さん!
たくさん元気をもらいました。
がんばれ出版業界!
問題に対する作品の誠実な姿勢に拍手
出版業界が抱える様々な問題にきちんと納得出来る提案を作中で示しつつ極上の企業エンタメに仕上げる手腕。凄い!
個人的には大泉洋演じる速水が最も出版業界に対して純粋で誠実な人物に映りました。
文学界の大先生の作品に赤字(修正)を入れないのが編集の正しい姿勢だとは思わないし、広告を掲載してくれる企業の顔色を伺い矜持を捨てることが雑誌の本懐だとも思いません。
立場や状況に左右されず信念を貫き自分が面白いと思うものを貪欲に追求する。正しくないと感じたらどんな相手に対しても自分の意見を伝える。芸術とビジネスを両立させるバランス感覚もある。リーダーとしても表現者としても最も信頼出来るタイプの人です。
感心したのは最後、松岡茉優演じる高野の決断。今の時代、最も厳しい小売店(町の小さな本屋さん)の新しい存在価値の提案として納得出来るものでした。
ここ数年の松岡茉優は出演する作品も役者としての存在感も本当に素晴らしいので、桐島で彼女を見出してくれた吉田大八監督には感謝しかありません。
題材の難しさ
途中までドンドン盛り上がっていって面白いんだよね。色んな逆風の中で雑誌《TRINITY》をリニューアルして出して「やったぜ!」ってなるところはカタルシスあるの。
そこからドンデン、ドンデンってやってくんだけど、そこまで盛り上がらないのね。
「なんでかなあ」って思ったんだけど、雑誌・出版社・書店を盛り上げようってアイデアに無理があるんだと思ったの。
そもそも《TRINITY》は、今までは取り上げられなかった才能のある人を取り上げて、それでいこうよって話になってんのね。それで逆風きたときに「広告が全部なくなったとして、実売何部でいける?」って計算して15万部出して9割売ればいけますって。
なら、毎回15万部出して9割売れる雑誌作んなよ。でも無理だよね。才能のある人集めてきたら、その執筆料や取材費なんかかかりそうだし、そんなに才能のある人いないでしょ。
出版社はAmazonと提携して、雑誌をWeb化して生き残りはかるんだって、いや無理だろ。Webで雑誌読まないよ。
街の本屋は「この本屋でしか売ってない本」ってことで隠れた人気作家の新作を35,000円で売りますって、それ、何冊出せる?
「なんでこんなことになってしまうのか?」って考えたんだけど、これ、雑誌や書籍っていうメディアに才能ある人が集まってないからだなと思ったの。だから普通の人が「あっ!」と思って飛びつくような話にならないんじゃないかな。それで低迷してくんだろうな。
違う話になるんだけど、出版社の専務・常務はあんまりチャレンジしないんだよね。創業家はそこを飛び越えてやったっていう話で。
これ、創業者は、出版社がなかった状態を知ってるから、なにかあって潰れたとしても「あそこから、やり直せばいいや」って腹くくれると思うんだよね。でも専務・常務は、立派な出版社がある状態でそこに入社してるから、会社がなくなるなんてことは、想像すらできないんじゃないかな。
日本は色んなところで世襲をやっていて、「あそこに戻ればいいや」って思えるトップが減ってきてるから、思い切ったチャレンジがしづらくなってる気もしたよ。
エンドロール観てて「吉田大八、脚本に入ってるんだ」と思ったけど、監督だね。前半の観せ方のうまさとかさすがなんだけど、後半のモタツキはどうすることもできなかったな。原作というか、原作で選ばれた業界の限界だって気がしたよ。
役者の力
面白かった。
内容はそこまでどんでん返し、というわけでも無く、予想できた物でしたが、役者さんの演技力が良く、楽しめました。
個人的には、予告がイマイチかなーと。
最近、予告が刺さらない作品が多くてねぇ。
【"守りに入ったら終わり。相手の裏の裏を読んで知恵を絞って、攻めろ!"ノンストップ"苛烈なビジネスタクティクス"ムービー。】
- 街中から、本屋がどんどん消えて行く昨今、ラストのあのシーンは、本好きには堪らない・・。-
■感想
・奇策を連発する中途入社の食えない編集長、速水(大泉洋)の"人たらし振り”に振り回される、心地好さ。
- 原作者が、速水の人物像を、大泉洋をイメージしてあてがきしただけあり、嵌まり具合が凄い。-
・タイトルに"騙し合い"とあるが、多少大仰だが、企業では会社内外問わず、あれ位の駆け引きは、日時茶飯事である。でないと、社内で生き残れません!。
まさに”馬の目を抜く”「薫風社」である。
負けた常務は、早々に退場する・・。
・豪華な俳優陣の効果的な起用方法にも、唸らされる。そして、それに応える俳優陣の姿。多数の登場人物の関係性を分かりやすく描く、脚本の力量の高さ。
・それまで、速水に良いように"利用"されていた新人編集者高野(松岡茉優)が、最後の最後に放った爽快な逆転満塁ホームラン。社の屋上で珈琲を叩きつける速水の姿。
ー 町の本屋に新風を吹き込んだね!高野さん! 快哉を送ったシーンである。ー
<現在の、苦境に喘ぐ出版業界を舞台にした、先の読めないノンストップビジネスタクティクスムービー。物語の全体構成、多数の役者陣の緩急含めた使い方など、流石、吉田大八監督である。>
うまく騙されました〜
どこから伏線が始まってるのかな、とかこの人は仕掛人?それとも騙されてる人?とか考えながら見てました。
出版社内のドタバタは、話が、社内勢力がどうなっていくのかシンプルに楽しめました。
ただ冒頭の、原稿読みながらデスクで電話取るだけでコーヒーをこぼすシーン、出版社じゃなくても会社員ならデスクで飲み物飲むならもう少し気をつけるものだし、あんなに簡単に書類、原稿をこぼす社会人ってあり得ないような、まるで昔の少女漫画ならあったシチュエーションかな??とやや脚本に冷めてました。
大事な大事な原稿じゃないの??と。
あとは、色々どんでん返しがあったりするものの、最後の終わり方がふわっとしたままだったのがすこーし残念でした。いや、全体的には悪くないし、★も4つは付けていいと思ったんですけど、
「うわ、そんな終わり方ー!最後にまたやられたー!!」って、もう一息騙されたかった(笑)
大泉さんの演技、雰囲気良いですね。役柄に合ってました。佐藤浩市さんも佐野さんも、ひとクセふたクセある役柄が上手くて、役者さん達の演技力は安心して楽しめました。
木村佳乃さん、相棒での頭のキレる役どころを彷彿とさせる、やはりキレるデキる女!というカッコ良さがありました!
高野さんが、原稿の数枚の内容から「何年代にそれが出来るのは何か所、そして次の条件に当てはまるのはどこ」と、謎解きする場面が圧巻でした。あの執念、分析力、そしてラストでさんざん皆を上手く騙してきた大泉さんを手玉に取った立ち振る舞いの華麗さ!見習いたいと思いました。
多少のツッコミ所はあるものの、気楽に楽しめる良作でした!
そんな予告に騙されて
予告で面白そうだったので観賞
原作は未読
あなたは騙される!みたいな煽りが目立ち
公開が延期になった影響もあってか
観る機会が多かったです
感想としては
キャストも豪華で見栄えもありましたが
ストーリーのスケールがやや小さく
キャラクターも小粒に終わってしまった感じがします
何よりそんなに誰も騙してはいませんでした
昨今のAmazon(実名で登場)や電子書籍の台頭で
取次(問屋)や書店も苦境に立たされている出版業界
老舗の薫風社は社長の急逝により権力争いが起こり
伝統の小説月刊誌を維持するか見直すか
を含め会社の方針が揺れるところで
社の支配を狙う東松はあちこちで実績をあげる
辣腕編集者速水を引っ張ってきて
社の方針で推す若手を潰され不満が溜まっている
高野らを引き入れ流行誌トリニティの改革を
行っていきます
出版物は文化事業ということで再販制度という
安定的に価格と在庫を保護されてきた歴史もあり
昨今の電子書籍等による競争に全く太刀打ちできず
危機感も感じられない有様を映画では取り上げていました
ただ速水は別に出版業界はどうでもよく
時代に合わせて媒体を問わず変化を求めてなんでも利用すること
高野は家が書店なのもあって出版業界を立て直して
いくことを目指すなどそれぞれ考えが違います
それぞれの考えは間違っていると言い切れるものでは
ありませんが成功する保証もないものです
東松も問屋を配した直接流通みたいのを目指す
ようですがどれもコンテンツとしての魅力が
なければ成功するわけないものなのがポイント
だから映画として観ていてどういった着陸を
見せるのかがわからず実際オチはこんなとこで終わるのか
という感じでした
騙すというよりは利用されているだけで
そもそもタイトルとの関連性もよくわかりません
最近映画のタイトルと内容がかみ合わない作品
多いような・・
別に新聞もテレビも出版も小説も
メディアとしては必要ない事はないと思います
じっくり目を通せる媒体は重宝するはずです
しかし昨今のメディアの後退っぷりの最大の要因は
コンテンツの内容のレベルの問題だと思います
ろくに取材もしない記事やネットやドラレコの
動画を拾ってきただけのニュースばかりで
皆とっくに飽きておりお金を落とそうとは
思わないでしょう
そうした部分にこの映画は少しメスを入れ
提言する部分があるのは良かったですが
どうにも盛り上がりに欠ける展開が続いて
しまったのはあんまり評価が上がらない
部分かなと思ってしまいます
この映画だってメディアのコンテンツなのですから
本好きで松岡茉優さんファンなら、至福の作品
・本が好き。別に年間何冊以上読んでるとかは関係なく。
・あんな店主のいる本屋さん、いいな。
・え、その娘が本好きの新人編集者の松岡茉優さんだって❗️
この三点だけで、理屈抜きに満足度は最高でした。
という方が、他にもたくさんいて欲しいなと願ってます。
以前、『ビブリア古書堂の事件手帖』で〝どうやら監督も脚本家も実はあまり本好きではない〟疑惑でガッカリしたことがあります。
血生臭い事件や怨念などがまったく出てこない、爽やかで痛快などんでん返しの連発。
もちろん、痛快さの一番の要因は松岡茉優さん‼️
ラストの3万5千円までの件(くだり)、あれはきっと、原作者の夢なのだと私は思いました。たぶん、その思いを汲んでの終盤の演出だったのだろう、と監督にも敬意と感謝を捧げます。
大泉洋のあ手書きと言わなくても
原作未読ですが、
押しなべて、面白かったです。
大泉洋のあ手書きといわれると損。
後、私の好みですが、キーマンが遅めに出るのは、後出しジャンケンなのでは。
狡猾おやじ大泉洋 対 真っ直ぐな編集者 松岡茉優が良かったです。
タイトルなし(ネタバレ)
主人公の大泉洋が、事件やトラブルが起きる度に勝ち続ける。全く負けない。
ラスト、松岡茉優に出し抜かれた的なシーンがあるが、これは決して大泉洋が負けたわけでは無い。
違う土俵で戦った勝者が2人いるだけの話なのに、予告編で使いやすいような、大泉洋が負けたふうにしてペットボトルを投げつける画が撮りたかっただけだろう。
で、基本的な作劇論で言えば、主人公は次々とピンチ陥って、何度も負け続けて、ラストにようやく勝利や成功をその手で掴むからカタルシスがあるわけです。
これが唯一にして絶対のストーリー展開。
対してこれは、主人公が常に勝ち続ける話。
何の面白みもクソも無い。
豪華キャストのそれっぽい演技合戦とオシャレな画と編集で、クソつまらない話をさも面白い話のように見せているだけで、すごい駄作でした。
吉田大八監督もこんなもんか。
緊急事態宣言で二度も延期してたけど、普通に公開してよかったと思う。
コロナは関係なく、この内容で客は来ないと思います。
製作委員会式の弊害だらけの過去最低のクソ映画。
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