騙し絵の牙のレビュー・感想・評価
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✅佐藤浩市さんのタバコで調子づくシーンが凄く良かった。
騙し絵の牙
🇯🇵東京都
大手出版業界、薫風社の社長が亡くなる。
これを機に雑誌関係者が次々に廃刊に追い込まれる中、カルチャー誌の『トリニティー』が生き残りをかけて奮闘する!
遺族、専務、常務、薫風社の編集部、カルチャー誌の編集長、外資ファンド、新人作家、連載中の大御所小説家、文芸評論家、書店主、謎男
などが複雑に絡み合う中、秘策は見つかるのか⁉️
✅佐藤浩市さんのタバコで調子づくシーンが凄く良かった。
◉70E点。
★彡普通に面白いのだが、大泉さんも佐藤浩一さんも見たことある感じのキャラでした。
松岡さんは良かったです。
★彡酔ったシーンはお気に入り!
🟡見所。
1️⃣タバコ🚬を調子に乗ってるアイテムに!⭕️
★彡この感じ凄く良いと思いました。
2️⃣騙し騙され、誰が笑って勝利するのか?🔺
★彡そんなにすげ〜ってオチではなかったかな?
3️⃣人物が多いので、ネットで相関図を見ておくと割とすんなり楽しめます。⭕️
時間の流れは思っているよりも早い、、、
業界あるある
所詮はビジネスはビジネス。人を幸せにするものではない。
舞台は落ち目の出版業界。奈落へと加速することを止められないのは古い業界人。既得権益にしがみつき権謀術策だけで乗り切ろうとする輩。そして、主人公はライブ感満載の不届きな中年おやじ。大泉洋をイメージして作られたと解説に書いてあったが、なんともはや僕のイメージとは程遠い。どうしたって緻密な計算に則って行動できる人物には思えないからだ。行動の訳を新人の女子社員に聞かれて「面白いからだ・・・」ぐらいしか言えない。さしあたって「それは偶然なだけだ・・・」ぐらいのセリフを吐けば、観察眼の賜物だと言うことの意味合いが身に沁みるのだけれど・・・似合わない役柄を狭量の役者に当て込むのは見るものをコケにししまう。
出版ビジネスが面白さを追求することでバブル期の爆発を再現できると思うのは愚か者の幻想。あの時期を忘れ去ってしまえる者だけが生き残れるのだ。
上に登っていくことが"善"ではないし、言わずもがな下っていくことが"悪"ではないはず。
楽しかった。
ラストは少し弛んだ気がしたけど、
とても楽しく観れました。
出版業界の編集と作家が軸なモノはいくつか観たけど、
出版社の社内が縦軸なのは初めて観た気がする。
政治的でとても面白かった。
ドロドロはしてるんだけど、
みんな心の奥は出版不況を乗り切る。
部数を出す!と言う同じ気持ちなので
嫌な気持ちにはならなかった。
なんとなく他の出版社とはバチバチやり合ってる
イメージだけど、
社内でも潰しあって、
作家を引き抜いたりしてて、
この会社大丈夫なのかよとは思いました。
だけど、社長が代わる、雑誌の休刊、作家を見つける
新人発掘、部数を上げる…
問題山積で見てる分にはとても楽しい映画でした。
ラストは本当にこれで大丈夫なのかな?と
ラストの続きが心配になる終わり方でした。
思ってたよりは騙していない
タイトルから騙されないぞと構えてしまったのだが、騙し合いというより駆け引き要素が強い印象だった。だが、展開は変化に富んでいて面白い。役者陣の仕事はみな見事で作品に緩徐移入しやすかった。
ただ、東松に引導を渡すシーンがいまいちぐっと来なかった。そこまでに東松へのフラストレーションを溜め込ませておいて、一気にスパッと切るべきなのに、あれ?今切った?切れたの?今ので切れるかな?と、いまいち釈然としないシーンだった。
出版社のパワーゲームの顛末
タイトルなし(ネタバレ)
変わり者編集長・速水(大泉洋)が当然、編集長と言う実働部隊から覇権争いのキーパーソンになっている所がピンとこない。新社長・東松龍司(佐藤浩市)の更迭とKIBAプロジェクトの頓挫を「社長室」で、どんでん返しをするのは、ミステリーの犯人当ての様でチープである。伊庭惟高(中村倫也)は後ろ盾も無いのに、何の権力があるのかも分からない。持ち株が多いのなら役員会議が蚊帳の外だったのもおかしい。もっと良い演出があったと思う。まだ伊庭惟高(中村倫也)に対しても速水(大泉洋)が、上から目線でしゃべっていたら、「俺はいつでも辞めてやる。面白い事がやりたいだけの放浪者」の人と言う事で納得できるが、伊庭惟高(中村倫也)に対してヘコヘコしてるから、キャラがブレブレだと思う。
たぶん原作者は、会社で責任ある仕事をしたことが無いんだと思う。
だから、権力争いの人と、実働部隊の発想がまったく違う事を知らないんだと思う。
新規制と普遍性
各登場人物の初登場の場面でそれぞれの人格を台詞・話し方・表情・行動・仕草・スタイリングを総動員して伝達してくる感じに、こんな情報量が多い作品が観たかったんだよ!ととても幸せな気持ちになりました。全編を通してプロットの意外性よりも演技アンサンブルの方が刺さった。
現実世界の構造的な課題や実際に起きている事、実際に完成したプロジェクトをコンテクストにしてるので同時代性を強調しているかと思いきや普遍性にもしっかり目配せしているのは流石。
同時多発的に今正に起きている構造転換をある分野に焦点を当てて描きつつ、それはいつの時代も常に起きている事である、つまりエンタルピーは常に増大しているという事を描いている。それに対抗する手段は普遍性と逆の特殊性を指向する事である、という事を一つの説得力を持った解を以って示している。
LITEの劇版がとても良くてサントラを買ってしまいました。
最後まで見応えのある、ちょっと活力をもらえる映画
大泉洋さん
出版戦略の二極化
とても面白かった。
重すぎず、誰も死なないし、どよんともこない空気の中で味わえる作品なのは、出版という娯楽文化の上での話だからだと思う。
見終えて思うのは、誰も騙し合っていなくて、それぞれの生い立ちや背景のもと、移りゆく今に合わせて牙を仕掛けているだけということ。
紙媒体にとって、手に取って貰う販路整備が非常に重要。でも中身も重要。
紙媒体は雑誌に依存、雑誌は広告に依存。
この収益体質を変えない限り、中身も面白くはできない。
そのどこにこだわるかが、登場人物ごとに違っていて、とても面白い。
速水は根がフリーで各出版社を渡り歩いてきただけあり、出会いや人脈や考え方も輪を広げていくスタイル。良いものは共有していけば良いという思考の持ち主。最後には先代社長の息子惟高氏と組み、薫風社文書をAmazon独占販売とする拡大の戦略を取るが、面白さを重視する。
先代社長、伊庭喜之助のもと5年温めた、昔から文学を扱ってきた歴史ある薫風社の文学資料館を本の物流センターとして扱うKIBAプロジェクト。
これを先代亡き後もどうにか推し進めたい改革派の東松と、小説薫風の品格と歴史を守りたい宮藤の派閥争いに思えたが、先代の息子惟高は既に先手を打ち、薫風社の書籍をAmazon独占販売とする交渉をアメリカで半年かけてまとめ、雑誌はweb化する策を練っていた。
東松は先代を守りたい、そして敵対派を出し抜きたい一心だったようだが、KIBAを進めるには時が立ちすぎていて、のろのろしているうち惟高も帰国し、失脚。
利益の出ない小説薫風が社内で聖域化しているものの、宮藤は薫風のブランド力をかざすだけで、風穴を開けようとしない。どころか、小説の賞に影響力を持ち、文学界の公平な評価を妨げてその名を汚す言動まで。結果、失脚する。
小説薫風を背負い守ろうとしていた江波は、薫風と作家と宮藤に失礼のないよう、名を汚さぬ事だけを考えていたようだ。作中、守りの象徴、攻めない象徴的存在。だが最後には高野を手伝い新たな一歩を踏み出す。
高野は街の書店が実家で、作品や作者と向き合って高めていきたい。良いものがあると思ってお客さんが足を運んでくれるスタイルを最終的に父から継承し、ドラマにも漫画にもなっていない、本で読むしかないもの。そこでしか買えない本を扱う選択と集中型を取った。
社内の派閥争い、社内の小説薫風vsその他雑誌の争い。雑誌トリニティの編集グループも巻き込まれながら、販売部数のために企画を挙げていく。
速水はサバゲーを趣味とし、前から気になっていたのはジョージ真崎ことモデルの城島咲の狂った文体だった。銃器好きの城島咲がトリニティで表現するきっかけを作る。城島咲役の池田エライザ以外できないような、可愛くて闇とハードボイルドを秘めた存在感がとても良かった。
高野は新人作家として目をつけていた矢嶋聖が薫風の賞からははずれるため、個人で目をかけてデビューさせようと思っていたが、実は矢嶋と、高野が好きな伝説の小説家、神座(かむくら)は同じ人物だった。
大御所作家としては、二階堂というワイン好きで出版社の経費で豪遊する、所謂な作家先生も出てくる。二階堂は長年甘やかされていた指摘を受け、原作をトリニティでコミック化する決意をする。
みんな、表現した文章を、現代でも認めて貰いたい気持ちはあって。
それらの文章や才能と、現代の市場や消費者動向とのかけ合わせを行いつつ、縮小業界を担わねばならない出版社の方々の苦悩がわかりやすく上手に描かれていた。
らしさvs面白さでは、作中では面白さに軍敗が上がったようだ。
販路の拡大vs縮小のどちらが面白いのかは、速水も高野も生存戦略のどちらを取ったかというだけで、正解はないような気がした。
尻すぼみ
尻すぼみかな。
出版会社内の権力闘争に、主人公が上手く立ち回って勝利を収めるかに見えたが・・・というお話。いろんな人の騙しあいが確かにあり、終盤まで一気に駆け抜ける疾走感は見ごたえがありました。ただ、ラストの15分があまりにも尻すぼみで。
最終的に部下の高野(松岡茉優)に裏切られる形(高野に悪気は全くない)になりますが、会社で得た情報・案件を持ち出して退社するのは、訴えられないのかな?と疑問。
また、会社側に立ち自分を他部署に移動させた元上司の江波(木村佳乃)と、退社後、仲良く一緒に仕事するかなぁ?とこれまた疑問。
主人公の速水(大泉洋)にしても、会社に残りまた地道に会社のために奔走するというようなエンディングもしっくりこないんですよね。原作小説のすぐに退社後、起業家となって、自ら「株式会社トリニティ」を設立、という流れになぜしなかったんでしょうか?
大泉洋もインタビューで「(原作で当て書きされていたのに)私が出た映画の中で一番、私っぽくなかった」というようなコメントをしており、本人もちょっと納得してなかったのかな?とも思いました。
by TRICKSTER10
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